西洋古代・中世哲学史 (平凡社ライブラリー)

  • 平凡社
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本棚登録 : 245
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (393ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582763577

作品紹介・あらすじ

初期ギリシアから近代の幕明けまで曲折に富む西洋哲学二千年の歩みを主要思想家とその核心的教説を軸に一望する余人をもっては書きえない決定版通史。原典引用多数、文献表・索引完備。

感想・レビュー・書評

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  • 期待以上の良書。それぞれの時代背景について触れながら個々の哲学者を取り上げられているため、一般的に馴染みの薄いヘレニズム~中世における思想史とはキリスト教がプラトン、そしてアリストテレスをどのように神学に吸収していくかの歴史であることがよくわかる内容になっている。また、アリストテレス以降につきまとう議論の難解さというものが中世末期のオッカムやクザーヌスらによって削ぎ落とされ、そこに見出された体系的思考法と数学における論拠の絶対性が科学へと繋がっていく様子が浮かび上がるのは感動を覚えるほどの発見であった。

  • ギリシア神話(ヘシオドス)からクザーヌスまでを扱い、思想と思想の連関を示していて良質な教科書だと思う。イオニア学派、ソフィスト、ストア学派なども新しい研究成果がもりこまれていて、いろいろなイマジネーションがわく。ヘラクレイトスとマルクス、ストアとソシュールなどだ。柱はプラトン・アリストテレス・プロティノス・アウグスティヌス・トマス=アクィナスであり、後期スコラではドゥンス=スコトゥス、ウィリアム=オッカム、神秘思想ではエックハルト・クザーヌスを扱い、近世スコラのスアレスに言及して終わっている。プラトンではイデア説、アリストテレスでは現実態と可能態、「思惟の思惟」である神などのコンセプト、新プラトンでは流出説、アウグスティヌスでは実存的懐疑と証明説などが後世に影響を与え、トマスの「存在」(エッセ)の解釈につながっていく。アリストテレスが存在者の存在を哲学したのに対し、トマスは「存在そのもの」を論じ、存在が活動をふくみ、神の分有であることを論じる。このような存在論はオッカムの思考節約(オッカムのカミソリ)によって批判されていく。ドミニコ会やフランシスコ会や、修道院神学とスコラ哲学のちがい、大学の成立なども論じられていて、示唆に富んだ内容になっている。

  • 非常によく編まれた文章で無駄がないため、薄い本だが質は高い。
    哲学の入門書としてお手本となる書籍であろう。

  • タイトル通りの本。上智大にいた神学教授の著書ということで、あくまでもキリスト教との関係からですが、そういった偏見やバイアスなく、また著者の意見などもあまりなく、ニュートラルに書かれています。アウグスティヌスを経由してスコラ哲学、そしてトマス・アクィナスといった正統的な流れを説明しています。
    基本的にどこかで読んだことばかりでしたが、それもこの本が正統的な本ということだからです。とても読みやすく、中世あたりのことをササッと学びたい人におすすめです(が、あくまでも概要だけの本です)

  • w

  • 神のごときリーゼン

    有難い本でございます

  • 105 ブックオフ

  • 是非とも手元に置いておきたい西洋哲学の通史

  • 哲学書の2冊目。入門書にしては重い内容だったが、気合を入れれば読めない本ではない。中世西洋哲学でキリスト教との融合は個人的に参考になった。

  • [ 内容 ]
    初期ギリシアから近代の幕明けまで曲折に富む西洋哲学二千年の歩みを主要思想家とその核心的教説を軸に一望する余人をもっては書きえない決定版通史。
    原典引用多数、文献表・索引完備。

    [ 目次 ]
    古代哲学の誕生
    ソクラテス以前の哲学
    ソフィストとソクラテス
    プラトンの哲学
    アリストテレスの理論哲学
    アリストテレスの実践哲学
    ストア学派
    新プラトン主義
    キリスト教哲学の起源
    アウグスティヌスの思想
    十二世紀の初期スコラ学
    十三世紀のスコラ学とアリストテレスの受容
    トマス・アクィナスの哲学
    十四世紀の後期スコラ学
    中世の神秘思想と近代への移行

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