ユーカラの人びと 金田一京助の世界1 (平凡社ライブラリー き 8-1 金田一京助の世界 1)
- 平凡社 (2004年4月8日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582764956
作品紹介・あらすじ
明治三十九年、著者は平取にてユーカラと出会う。-変幻怪奇な無限の曲を分化していて、その長いものは、冬の夜長、ほだ火を囲んで、寝るを忘れ、一夜をうたい明かして、夜のしらじらと明けるころ、やっと一曲終る。これが、金田一アイヌ学の始まりだった。樺太、北海道で、ユーカラの世界の人びととの心暖まる交流を描く、感動の随筆集。
感想・レビュー・書評
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樺太アイヌの研究、とその触れあいの様子。
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アイヌの文化に触れるための入門書だと思う。
偶然、心の小径(片言をいうまで)の一節を見てひどく心を動かされた。自分が一体何に感激しているのかうまく言葉には出来ないけれど。
自分はどうやら、極東文化とそこから広がる人々の暮らしに興味があるらしい。 -
平凡社
金田一京助 「 ユーカラの人びと 」
樺太アイヌ語やユーカラ(アイヌ叙事詩)の解読、知里幸恵や佐倉宗五郎など アイヌ研究の中で知り合った人々についてのエッセイ や講演録。
アイヌ語では「こんにちは」という意味らしいが、「イランカラプテ」というタイトルのエッセイは、アイヌの人々の人間性や著者のフィールド調査におけるスタンスが伝わってくる
名言「郷に入っては郷のことば。そこにおのずからの微笑が動き〜親しみが湧くのである〜ことばは人間の胸に湧く清水であろう」
解説の最後に「金田一のアイヌ学には いろいろな批判がある」と言っている。全編を通じて アイヌ愛に満ちているように思うが、何かあったのか気になる
アイヌ人は 叙事詩を所有する数少ない民族〜支那、日本人、朝鮮は叙事詩を持たないとのこと。アイヌ語は日本語と系列が異なる?
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アイヌの口承文学がどのようなものであるかと同時に,金田一京助のアイヌ語への取り組み方との両方が興味深い.文字を持たない民族であったために失われたユーカラは数知れないものであろう.金田一京助のような人物が現れなかったら,完全に失われたままになったかもしれない.
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2010.4.3読了。