- Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582764987
作品紹介・あらすじ
ファノンやグリッサンの師であり、クレオール世代の偉大な父であるセゼール。ブルトンが熱讃した真の黒人詩人がたたきつける、反植民地主義の熱い叫び。ネグリチュードの聖典。解説=真島一郎
感想・レビュー・書評
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セゼールはカリブ海の小アンティル諸島のひとつマルティニック島の出身。
マルティニックにおいては、黒人奴隷が生み出したクレオール文化は野蛮であり、「文明の言語」であるフランス語を話し、フランスの文化を身につけることによってのみ、黒人は「人間」になることができる、という信念が植え付けられていた。
そうしたなかで、セゼールは帰郷ノートによって、ネグリチュード(黒人性)というアイデンティティを打ち出し、その後花開くクレオール文学の端緒を開いた。
セゼールは白人への「同化」を拒否し、アフリカに根を持つ「自分自身」を自覚した。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
後半のセゼール小論を読んでから植民地主義論読んだ方が背景がわかってより良いと思った。
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2009年10月-読了
1930年代、フランス植民地主義の同化政策を批判し、黒人存在の文化的.政治的尊厳回復を訴える「ネグリチュード-黒人性-」の思想を生み出し、その意識発展のドラマ「帰郷ノート」は、ブルトンらシュルレアリストたちに絶賛された。 -
「フランス語圏文化論 / ヨーロッパ文化論B」
尾立要子先生 参考図書
https://library.shobi-u.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&materialid=01034197 -
セゼールの代表的な二つの作品を、達意の翻訳と、彼の生涯と詩作に関する非常に詳細で力のこもった解説とともに収めた一冊。今回、「帰郷ノート」の、ポリフォニックな言葉によって、ネグリチュードの渦に入り込もうとする語調が印象的だった。その先にたどり着く場所とその「普遍性」については議論の余地があるとしても。「植民地主義論」は「平和構築」を視野に入れつつ、その現在性において読み直されるべきであろう。
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考えさせられます。エメ・セゼールはとても知的な文章を駆使して、皮肉たっぷりに白人の植民地政策などを失笑しつつ、あきれつつ。さらには静かではあるが激しい怒りを表現しています。
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エメ・セゼール(1913年生まれ)フランスの詩人。