普遍論争 近代の源流としての

著者 :
  • 平凡社
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本棚登録 : 197
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (478ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582766301

作品紹介・あらすじ

中世哲学は、なぜ、トリビアルな問題の集積と見られがちだったのか?この謎を解く鍵が「普遍論争」である。「はたして普遍は存在するのか?」というこの単純な問いをめぐる一見煩瑣な論理をていねいに読み解くことにより、本書は、中世哲学のもつ豊穣な可能性を描き出す。哲学入門としても最適の一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 20120803再読。著者の言う<見えるもの>と<見えざるもの>の区分、および従来の普遍論争構図の問題点、唯名論と実在論の違いなどはだいぶ理解出来た気がします。
    が、第三章で取り上げられる「代表」の理論に苦戦。時間を置いてまたチャレンジしよう・・・・・・

    読了。はっとさせられる部分や「なるほどそうだったのか!」と膝を打つところはしばしばありましたが、総体として私には力及ばず。特に中盤以降は理解しきれたとはとても言えません。
    こんがらがりまくった中世哲学を明晰に解き明かしているのは間違いないと思いますので、また出なおしてきます。

  • この評価なのは力不足もありますが
    読みづらさという点で、やはり哲学というものは…
    と思ってしまった感は否めません。

    だけれども、どうして中世の哲学が遠ざけられて
    しまいがちだったか、というのは
    ある学派のあり方からしても仕方なかったのと
    その学派がそうせざるを得なかったから、とは言え
    あるものに依存しなければいけなかったのは
    やはり致命的な思想だったのかも…

    いっていることはつかめるけど
    それをものにはできない感じかな。
    ただ読み終えてむかつく、という感じではなかったですね。
    一応解説部分に謙虚な姿勢が見えますもの。

  • [ 内容 ]
    中世哲学は、なぜ、トリビアルな問題の集積と見られがちだったのか?
    この謎を解く鍵が「普遍論争」である。
    「はたして普遍は存在するのか?」というこの単純な問いをめぐる一見煩瑣な論理をていねいに読み解くことにより、本書は、中世哲学のもつ豊穣な可能性を描き出す。
    哲学入門としても最適の一冊。

    [ 目次 ]
    第1章 中世哲学を覆い隠してきたもの、普遍論争―中世哲学の仮面(偽装された普遍論争;アベラールの唯名論;その後の普遍論争;普遍論争の行方)
    第2章 “見えるもの”と“見えざるもの”―記号と事物(“見えるもの”と“見えざるもの”;記号の問題;ものと記号;記号論と存在論)
    第3章 煩瑣な論理の背後にあるもの―「代表」の理論について(「代表」の理論;単純代表について;単純代表をめぐる論争;唯名論と実在論)
    第4章 二十世紀の中世哲学(排除されたものとしての中世哲学;二十世紀になってからの中世哲学;日本での中世哲学)

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    [ 参考となる書評 ]

  • 『ぎりぎり合格への論文マニュアル』で知った山内志郎さん。哲学を投げ出した私にはありがたく、かつ面白く学べる中世哲学の入門書。

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著者プロフィール

山内 志朗(やまうち・しろう):1957年山形県生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得退学。慶應義塾大学名誉教授。専攻は哲学。著書に『天使の記号学』『存在の一義性を求めて――ドゥンス・スコトゥスと13世紀の〈知〉の革命』(以上、岩波書店)、『ライプニッツ――なぜ私は世界にひとりしかいないのか』『〈つまずき〉のなかの哲学』(以上、日本放送出版協会)、『普遍論争――近代の源流としての』(平凡社ライブラリー)など多数。共編著に『世界哲学史(全8巻、別巻1)』(ちくま新書)などがある。

「2023年 『中世哲学入門 存在の海をめぐる思想史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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