増補 近代部落史: 明治から現代まで (938) (平凡社ライブラリー 938)
- 平凡社 (2023年1月12日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582769388
作品紹介・あらすじ
1871年の「解放令」発布から現代にいたるまで、人々の意識に内面化され維持されてきた被差別部落の差別構造をていねいに解き明かす一冊。原著刊行後の動向を入れた増補版。
感想・レビュー・書評
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明治の頃から現代までの同和問題、部落差別の歴史的事実を、膨大な資料とともに著したもの。
文章の書き方としては論文に近いかと。
浅い感想になるが、改めて部落差別問題の根深さ、それゆえに現代において部落差別問題に対して知り学ぶことがどれだけ重要かが伝わってくる本だった。
様々なマイノリティが人権問題を訴える中で、部落差別問題も決して話題として欠かしてはならない。
問題について知らない方が、周知しない方が良いという声もある中、やはり差別があるからこそ知ることは重要であると改めて思わされた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
出身者ではあるものの、書物では部落史や政策史を学んだことはなかったので読んでみた。
大筋の流れは同和教育で知っていたし、「なぜ私たちは差別されるのか」「この先、差別されることはあるのか」「同和教育は必要か」は実家にいた頃、母とよく話していた。
貧困や職業差別がなくなっても、今だに部落差別がなくなっていない理由の変遷が追いかけられている。
そう。行政が貧困や地名を消しても、私が部落を誇りに思っても、誰かへの偏見をあからさまにしその人たちの尊厳を傷つける行為をやめない人がいる限り、部落差別もなくならない。
その認識でよいのだという確認ができた。 -
東2法経図・6F開架:361.86A/Ku74k//K