心の病気ってなんだろう? (中学生の質問箱)

著者 :
  • 平凡社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582838091

感想・レビュー・書評

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  • 非常にわかりやすい。研究者が観察して得た知見だけでなく、心の病の当事者が発した言葉も重視しているため、極めて共感的だ。思うに、発達障害やうつ病など、目に見えない心の状態を浮き彫りにした精神医学は、我々の認識を刷新しただろう。こういった心の状態は現実にその状態なのであって、受け入れたくなくても、現実なのだ。しかし、心の状態の認識を獲得したら、我々はこれに向かい合い、当事者を理解できる。当事者にしても、心理学や医学などの学問の恩恵もあって、自分の状態を言語化して表明でき、相互理解が可能な社会が準備されつつあると言ってよい。とはいえ、個人個人の状態は千差万別であり、学問の抽象概念で一括りに理解してしまうのは早計である。つまり、我々はもっと当事者の言葉に耳を傾け、行動を見守り、彼らを追体験して受け入れられたらと思う。何々病とか、何々障害でレッテル貼りするのではなく、今ここにいるその人を見つめることだ。この時に重要なのが、彼らを追体験するではないか。

  • わかりやすい

  • 精神障害について、子ども向けにやさしく書いた本。
    なのだが、インデックス形式なら読みやすかったのではないか。

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著者プロフィール

松本 卓也(まつもと・たくや)
1983年高知県生まれ。高知大学医学部卒業、自治医科大学大学院医学研究科修了。博士(医学)。専門は精神病理学。現在、京都大学大学院人間・環境学研究科准教授。著書に『人はみな妄想する ジャック・ラカンと鑑別診断の思想』(青土社、2015年)、『発達障害の時代とラカン派精神分析』(共著、晃洋書房、2017年)、『創造と狂気の歴史 プラトンからドゥルーズまで』(講談社メチエ、2019年)、『心の病気ってなんだろう』(平凡社、2020年)など。訳書にヤニス・スタヴラカキス『ラカニアン・レフト ラカン派精神分析と政治理論』(共訳、岩波書店、2017年)がある。

「2020年 『現実界に向かって』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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