たぬき

著者 :
  • 平凡社
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本棚登録 : 155
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (44ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582838800

作品紹介・あらすじ

〈3・11〉東日本大震災があった2011年、画家の家の庭に、たぬきが現れた。「産む」「育てる」「家族」──〈生きる〉とは? さらに「別れ」「旅立ち」を通して、たぬきたちが画家に伝えたものは?

感想・レビュー・書評

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  • いなかの家を借りていて、その庭に狸が親子でやって来る。散々遊んで、子どもたちは巣立ちしていっていなくなってしまう。水彩画の絵がいいね。

  • 震災後、いせさんの家の庭に現れたたぬきの親子と余震と生きることについて描かれたちょっと不思議な絵本。
    でもたぬきの生きる力にこっちが力をもらった。

  • 楽しい子狸の成長物語。
    たぬき
    2021.11発行。字の大きさは…中。2022.04.25読了。★★★☆☆
    いせひでこさんの庭で、2011年3月から1年余りにくりひろげられた狸の観察記です。
    いせさんが借りていた家の庭には、多くの木や植物が生えていて、まるで小さな森ようです。その庭で繰り広げられた狸の出産、成長、旅立ちを可愛らしい狸の絵入りで描かれた観察ノートが絵本として仕上がっています。絵だけ見ていても楽しく、微笑ましくて、顔がほころんでくるのが分かります(^-^)

    2011年4月夜、いせさんの家の床下でゴトゴト、ガタンという音がします。
    ミュウミュウ、キイキイ……と、なにかが鳴くような声が……。
    夜、デッキの明かりの中に浮かび上がった毛むくじゃらの小さな狸が庭にあらわれます。
    その日から床下で生まれた子狸たちがデッキを駆け回り、両親狸の子育てを観察することがいせさんの楽しみになって来ます。

    【読後】
    見ているだけて楽しく、微笑ましく、笑顔が出て来る観察ノートです。私もこんな楽しい生活がしてみたいです。たまに小鳥が庭に来ると窓越しに見ている楽しみはありますが。狸の成長を一緒に楽しめるのは素晴らしいです。ただ子狸たちが旅立っていなくなった時の寂しさは……。

  • 2011年3月から、1年余り庭でくりひろげられた、たぬき家族の観察日記。

    ひょこりと小さな子だぬきが、庭から現れ次々と増えていく数。こんなにも…という数。

    そして、走って、追いかけて、おんぶしたりだっこしたり、家族で楽しく日々を過ごす。
    めちゃくちゃ生きてます、育ってますが伝わってくる。

    ある日、母狸がぼんやりと夕日をながめていた。
    ある夜、母狸は、帰ってこなかった。

    日だまりの中、父と長女が動かない。4日も。
    父狸はどこかへ消えてしまった。

    ちびの泣き声のように 細い細い雨がふりつづいた。
    長女が、母さんのいつもの場所で弟や妹を見守る。

    夕方、子どもたちは西の空をみつめていた。
    早朝の靄の中を、たぬきたちは旅立っていった。

    「産む・育てる・家族の絆」の物語は、
    「喪うこと、遺されたもの、生きるための引っ越し」
    という物語に、変化していった。

    と最後に記されてあったが、ちょうど2011年という震災の中でのこと。
    だからかもしれないが、「生きる」ことがよくわかる絵本だと思う。

  • イタチは見たコトあるけど、タヌキはないなぁ、、、

    たぬき - 平凡社
    https://www.heibonsha.co.jp/book/b591919.html

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      かわいい絵本「たぬき」出版 東京の古民家に住み着いたタヌキ一家の観察記|文化・ライフ|地域のニュース|京都新聞(有料記事)
      https://...
      かわいい絵本「たぬき」出版 東京の古民家に住み着いたタヌキ一家の観察記|文化・ライフ|地域のニュース|京都新聞(有料記事)
      https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/686154
      2021/12/04
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      〈えほん〉「たぬき」絵と文・いせひでこ | 子育て世代がつながる - 東京すくすく
      https://sukusuku.tokyo-np.co...
      〈えほん〉「たぬき」絵と文・いせひでこ | 子育て世代がつながる - 東京すくすく
      https://sukusuku.tokyo-np.co.jp/life/51064/
      2022/01/10
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      [森のおうちNews] いせひでこ講演会「絵本を描く いのちを描く」
      http://www.morinoouchi.com/news/22...
      [森のおうちNews] いせひでこ講演会「絵本を描く いのちを描く」
      http://www.morinoouchi.com/news/220621.html
      2022/07/29
  • 「あの日から、風が変わった。
    空気が変わった。光が変わった。
    思ってもみなかった日常が出現した。」

    2011.3.11からいせひでこさんが記録しはじめた地震日記はやがてたぬ記になる。

    たぬきの家族たち、いせさんちの庭でくつろぐ。
    ちびたちはスリッパをかんだり、お昼寝したり。父さんはカラスを追い払い、母さんは見守る。
    そして観察してたつもりが、観察されていたことに気付く。

    ある日、母さんが去り、父さんが去り、やがて戸惑っていた子どもたちも旅立つ。

    ・痛みを伴う「生きる」 丸いあたたかさ

    〇スケッチにそっと書きこまれている震度や放射線量
    〇芽吹き育つ命と旅立ちに、震災後の「生きる」をたくされているのかなと思った

  • 震災後に庭に現れたたぬきの一家。たぬきの生涯を通して「生きる」話にしたかったそうだ。
    優しいタッチと伝えたい、という強い思いと。いせひでこさんの絵本は子どもにも大人にも響く。

  • 2011年春から1年ほど、いせひでこ氏の庭に住み着いたたぬきの家族の観察記。
    もとは震災の余震が続く中、余震の記録をつけていた日記が、いつの間にかたぬき日記に代わっていったという。8匹ほどの子どもと父たぬき、母たぬき。テラスデッキを乗っ取られ、庭を乗っ取られ、デッキのスリッパをかじられ、親しみを込めて観察し続ける。やがて、両親がいなくなり、子どもたちも巣立ちしていく。同じころ、いせ氏も家主から立ち退きを迫られ、引っ越しをする。のちに尋ねたその家は、新築の建売になっていた。
    大人の絵本だ。

  • 3.11のあと
    いせひでこさんの家の庭にたぬきの親子が現れた
    子だぬきの成長を日記とイラストとともに

    読み聞かせ時間は15分くらいです

  • たぬきの表紙。
    あまり好きではないなぁ、とよくよく見れば、いせひでこさんの作品だー。
    これは、読むしかないでしょう。

    ページをめくると、そこはもう「いせひでこワールド」。連免と続く命を描きあげるいせひでこさんの作品です。
    とてもよかったです。
    雨に濡れる白いくちなしの花の絵が、とても素敵でした。ふわっと香ってくるようでした。

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著者プロフィール

[著者紹介]いせひでこ(伊勢英子)
画家、絵本作家。1949年生まれ。13歳まで北海道で育つ。東京藝術大学卒業。創作童話『マキちゃんのえにっき』で野間児童文芸新人賞を受賞。絵本の代表作に『ルリユールおじさん』『1000の風 1000のチェロ』『絵描き』『大きな木のような人』『あの路』『木のあかちゃんズ』『最初の質問』『チェロの木』『幼い子は微笑む』『ねえ、しってる?』『けんちゃんのもみの木』『たぬき』など、単行本・エッセイに『旅する絵描き』『七つめの絵の具』『わたしの木、こころの木』『こぶしのなかの宇宙』『猫だもの』『見えない蝶をさがして』『風のことば 空のことば』など多数。


「2022年 『愛蔵版 グレイがまってるから』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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