愛蔵版 グレイがまってるから

著者 :
  • 平凡社
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582839012

作品紹介・あらすじ

シベリアンハスキーの愛犬グレイと家族の5年のいとなみ。迎え入れから看取りまでを、笑いと発見、涙で綴る愛犬本ベストセラーの愛蔵版。犬の表情から季節の変遷までスケッチ多数収録。

感想・レビュー・書評

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  • いせひでこ絵本原画展~「生きる」をみつめる
    2022年7月8日(金)~10月4日(火)
    絵本美術館 森のおうち 企画展示
    http://www.morinoouchi.com/exhibition.html

    愛蔵版 グレイがまってるから - 平凡社
    https://www.heibonsha.co.jp/book/b605652.html

  • 90年代に刊行された、『グレイがまってるから』『気分はおすわりの日』『グレイのしっぽ』の"グレイ三部作"に、書き下ろしと新たな図版を加えて刊行された作品。
    当時、シベリアンハスキーが一大ブームとなっており、あちこちで散歩させている姿をよく見た。「もふもふの身体と太い足が可愛い」派と「隈取りみたいな顔が怖い」派と、好みは割れていたようだが、私は"可愛い"派でした。
    半ば本気で飼いたいと思っていたころこの作品に出会い、『生き物を最後まで世話する』ことの大変さを思い知り、あきらめた経緯がある。
    イラストやスケッチなどの図版も多いので、それをパラパラ眺めるだけでも楽しい。著者家族のグレイに対する愛情が伝わってくる。

  • ▶グレイについての三冊の本が合体したもの。
    ▶一巻目は既読なんで第二巻に相当するところから。

    ■「気分はおすわりの日」

    いきなりグレイが不調。てんかんとアレルギー。なにか喪失の気分が全編漂っている気がします。

    グレイはそこにいるだけで人の心を平和にするらしい。(p.185)
    グレイをまってるのは私らしい(p.227)
    気分はおすわりの日。私もそれでいこう。(p.241)
    グレイの背中から風が生まれた。(p.245)

    ■「グレイのしっぽ」

    ▶引っ越し。ほとんどすべてグレイのための家に。
    ▶建築家はいつの間にかいなくなってた。
    ▶ガン見つかる。

    グレイのあけた穴はそこらじゅうにあって(p.260)
    グレイは次々にできごとを生み出し、新しいグレイを創作し、まわり中をふりまわして歩いていった。(p.265)
    それで、よかった。(p.403)

    ■グレイについての簡単なメモ

    【犬】かわいいが子育てよりも手間がかかり高くつくかも。特にハスキーは。緊張するとあくびが出るそうだ。
    【Sさん】犬の訓練士。もみあげとサングラス。犬といっしょに飼い主の訓練もする。というよりむしろそっちのほうが大切。
    【おかあさん】絵描き。ひっこしが趣味で家の中を塗り替えるのが好き。ブルーグレーの色が好き。《私は匂をおいかけているうちに絵描きになったのかもしれない。》p.154
    【おかあさんのおとうさん】やっぱり絵を描く。大男。ハイジャック犯と間違えられたこともある。子育てはへただが犬のことならまかしとけ。Mたちは「おじいちゃん」ではなく「銀色の風の絵描きさん」とよんでいた。
    【おとうさん】建築家だが自分の家は持たない。
    【雲】おかあさんは空をながめるのが好きで雲の絵ばかりの展覧会をやりたいと思っている。『雲のてんらん会』ありましたね。
    【グレイ】ハスキー犬。名前は大Mが決めた。かじるのが趣味。
    【グレイの家】風呂の「すのこ」のかたまり。格調高い純和風建築だがグレイ中で眠ろうとせずガリガリかじって破壊しようとしている。
    【グレイの家族】「おとうさん」と「おかあさん」とこどもの「大M」と「小M」。
    【グレイの好物】かじりやすい、木でできたもの。おかあさんの服。大根の葉。散歩。
    【クロ】実家で飼っていた黒い犬。首輪をしておらず野犬狩りに連れていかれた。
    【散歩】犬を飼うと立ち止まることが多くなりいろんなものが見え、聴こえるそうだ。
    【ジャック】悠然と気品のある犬。
    【集会】夜の公園に近所の犬と飼い主たちが集まっていてみんなリードをはなしている。
    【小M】子どもその2。
    【大M】子どもその1。
    【チェロ】チェロ弾き一家なんやとか。ええですねえ。
    【トナカイ】四万十川の木で造られていて庭にいる。グレイの安眠のための番犬をしている。
    【ハスキー犬】毅然としてそうやけどテレビなんかで見てるとだいたいアホである。ハスキー犬登録台数はこの本が書かれた時点で日本が世界一なんだとか。たぶんアノ漫画のせいではないかと思われる。
    【花子】ヒグマ。人間に育てられた。
    【ヒラミ先生】獣医。信頼できる。
    【わたなべくん】新潮社のGさんちのブルテリア。

  • 本書はハスキー犬・グレイを迎えてから看取るまでの記録であるが、描くように綴られた本文が胸に迫る。こんなにも物言わぬ家族を愛おしく思う言葉があるだろうか。M

  • 一言。
    グレイがかわいい。
    かわいすぎる。。。

    図書館でなんとなく目に入り、パラパラとページを巡ったら、ところどころにハスキー犬のイラスト入り。
    そのイラストの雰囲気が私の好きな雰囲気だってので、これは面白いはず。と読み始めた。

    しかし。。
    後半は、私が想像をした展開ではなかったが、かわいそう。とは思わなかった。
    たしかにかわいそうなのだが、グレイは人生(犬生?)を全うして、愛した人たちの元にいられたから。
    がんばったね。。

    この本は、ハスキー犬のグレイが主役の3冊の本が一つにまとまった愛蔵版。
    それに読み始めて知ったのだが。。
    「グレイが待ってるから」
    「気分はおすわりの日」
    「グレイのしっぽ」
    の三部作の合本。
    この三部作を一気に読めたのは幸せだった。
    これ、途中で終わるのは色々な意味で勿体無い。

    グレイ。
    会ってみたくなった。

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著者プロフィール

[著者紹介]いせひでこ(伊勢英子)
画家、絵本作家。1949年生まれ。13歳まで北海道で育つ。東京藝術大学卒業。創作童話『マキちゃんのえにっき』で野間児童文芸新人賞を受賞。絵本の代表作に『ルリユールおじさん』『1000の風 1000のチェロ』『絵描き』『大きな木のような人』『あの路』『木のあかちゃんズ』『最初の質問』『チェロの木』『幼い子は微笑む』『ねえ、しってる?』『けんちゃんのもみの木』『たぬき』など、単行本・エッセイに『旅する絵描き』『七つめの絵の具』『わたしの木、こころの木』『こぶしのなかの宇宙』『猫だもの』『見えない蝶をさがして』『風のことば 空のことば』など多数。


「2022年 『愛蔵版 グレイがまってるから』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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