野球型 vs サッカー型 豊かさへの球技文化論 (平凡社新書)

  • 平凡社
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582852141

作品紹介・あらすじ

片や企業による興行・広告塔としての日本プロ野球、片や地域に根ざしたありようを模索するJリーグ。いま、日本の観戦スポーツ文化は重大な岐路に立っている。誰のためのチームか?何のためのスタジアムか?そもそも観戦球技とはどんな役割を果たすべきなのか?問われているのは文化的ヴィジョンの構想力なのである。「野球型」と「サッカー型」、未来はどちらの先に?文化としての球技のありかたを根源的に問う。

感想・レビュー・書評

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  • 2014年6月~7月 企画コーナーにて展示


    越谷OPAC : http://kopac.lib.bunkyo.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1000443005

  • 野球とサッカーのスポーツとしての面白さをさておいて、双方のリーグ運営の優劣を論じているのですが、著者でなくともJリーグの方に完璧に軍配が上がるとは当然ともいえます。正に西武までが身売り話が出るということはプロ野球機構のあり方に大きな問題があることを証明したものでしょう。著者は読売新聞の社長兼主筆氏という表現で度々野球界を牛耳ってきた人物を批判しています。そして「Jリーグに巨人は不要だ」と言い切った川淵氏の見識を誉めています。近鉄ファンとして長年苦渋を嘗めてきた私としては全く同感!と快哉を叫びたくなりました。野球とサッカーが明治初年に日本に導入されてからの歴史の違い、そしてその他のスポーツと企業との関係について論じた部分も。

  • 企業スポーツ的色彩の濃い野球と地域密着的色彩の濃いサッカーを対比させ、今後の日本のスポーツ文化の鍵はサッカー型であるという論。

    とはいえ、選手の海外"流出"の点については、WBCを含めても大きな国際舞台が乏しい野球が競技レベルの向上を海外移籍のモチベーションとするのも難しく、サッカーと同じ土俵で語るには些か厳しい。
    随所に「サッカー万歳」感がやや滲みすぎていた部分は否めないものの、近代スポーツとしての両競技の成立過程のレベルにまで掘り下げて論を展開しており、丁寧な印象は受けた。

    プロ野球界を牛耳るあのお方を「社長兼主筆」と表現している点には笑ってしまった。

  • [ 内容 ]
    片や企業による興行・広告塔としての日本プロ野球、片や地域に根ざしたありようを模索するJリーグ。
    いま、日本の観戦スポーツ文化は重大な岐路に立っている。
    誰のためのチームか?何のためのスタジアムか?
    そもそも観戦球技とはどんな役割を果たすべきなのか?
    問われているのは文化的ヴィジョンの構想力なのである。
    「野球型」と「サッカー型」、未来はどちらの先に?
    文化としての球技のありかたを根源的に問う。

    [ 目次 ]
    第1章 企業スポーツと地域スポーツ―企業文化のプロ野球、地域文化のJリーグ
    第2章 スポーツ世界地図―野球は「地域限定スポーツ」である
    第3章 野球とサッカー、ここが違う―かくして若者は野球文化を見放した
    第4章 スラッガーとストライカー―選手の海外移籍をどう考えるか
    第5章 球団型からクラブ型へ―地方のサッカー文化は、花開いている
    第6章 スポーツ文化はこうして根づく―真の豊かさ、文化的な豊かさを求める国へ

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    [ 参考となる書評 ]

  •  野球とサッカーはどちらも幅広い年代に人気のスポーツだ。そのこともあり、お互い自分たちのほうがエキサイティングだと言い張る。
    自分も野球をしているのでその気持ちはわかる。なので、サッカーをしている友達と言い合ったこともある。何で野球は先攻後攻があり、休めるのに体力が必要なのということもよく言われるが、そういうことではなく、もっと遠めから見て感じたことをこの本は書いてある。例えば、野球は「阪神」「西武」「ソフトバンク」のように企業名の宣伝みたいな感じだが、サッカーはスポンサーも付いているが、どちらかというと地域のほうが中心となる。どのチームにどのスポンサーが付いているということを全部答えられるという人は数少ないと思う。このように客観的に見れば、野球とサッカーにはいろいろな違いがある。

  • よくある対比論という観が拭えない。やや、サッカー派から見た対比論で大雑把という印象。

  • 日本のスポーツビジネスに最もよく出てくる対比

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著者プロフィール

1958年、東京生まれ。神奈川大学中退。1983年、英国ロンドンに渡り、現地発行日本語新聞『英国ニュースダイジェスト』の記者となる。日本のメディアにも寄稿を続け、1989年には『地球の歩き方・ロンドン編』の企画と執筆で中心的な役割を果たす。1993年に帰国して以降は、フリーで執筆活動に専念している。英国史・ヨーロッパ史から軍事問題、日本国憲法、サッカーに至るまで、幅広いテーマで執筆している。また、ノンフィクションとフィクション、どちらもこなせる。2013年10月には、作家・ジャーナリスト「林信吾の地球に優しいブログ」http://ameblo.jp/gojibuji/を開設した。

「2015年 『関白・前田慶次郎 ジパング大乱』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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