- Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582856132
作品紹介・あらすじ
平氏一族は京の都で、人びとを驚かすほどの贅沢におぼれたとされる。『平家物語』は、「平氏にあらずんば、人にあらず」と伝え、平氏の栄華を、「驕れるものは久しからず」と批評した。しかし、その頂点にあった清盛は、我侭な権力者などではなく、優れた見識をもった人物で、皇室や貴族に細かい気遣いをした。だがその甲斐もなく、晩年、我侭放題な後白河法皇と衝突してしまう。時代のはざまのなかで、かれはいかに生きたのか。
感想・レビュー・書評
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お、この先生は当たりかも・・・
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大河ドラマが清盛を取り上げたころに出た本かな?
著者はたくさん本を書いているので、どこが専門なんだろう…と思ったけれど、古代史の人のようだ。
だから、清盛を扱うって…?と思ったけれど、比較的読みやすかった気がする。
図表がたくさんあって、系図、地図、年表などが充実していて、確認しやすいからかもしれない。
清盛は、貴族社会のルールを心得た「軍事貴族」であった点で、平安末期の政治機構に適合した一族であったそうだ。
その点で、地方の武士であり、権力の枠外にいた源氏とは違うということらしい。
早く滅んでしまったのは、跡継ぎに恵まれなかったから、というのが筆者の考えであるようだ。
この時期が専門の研究者だと、どう考えるんだろう。 -
平家物語を読んだ後で平清盛について知りたくて読みました。清盛の人物像や平氏の血縁関係だけでなく、歴史背景や当時の制度、家の考え方などがわかりやすく書いてあり読みやすく、先に平家物語を読んでいるのであれば、その中で「わかりにくかったこと」(例えば私の場合は重盛と成親の関係や御落胤説等)が「ああ、そういうことか」とつながり納得、理解できました。「物語」ではなくリアルな清盛や平家物語の中の出来事を説明してくれているので、人間くささや泥臭い現実の「平家物語」を知ることができます。この知識があった上で平家物語を再度読めばより面白くなると思います。ただ、私は学生時代に日本の経済史や民俗学のようなものを専攻していたためその内容の復習的な感覚もあり、「一度学んだことを再度確認」していたのでわかりやすいと感じたのかもしれません。荘園制や氏族について全く知らない方がこれを読んでも同じ印象を受けるかは正直わかりません。
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大開墾時代→税と支配の問題→院への寄進→同時に武士団の整備。さほど階級が高くない平氏出身での天皇家とのせめぎあい。結局は、落ち目になると一気に落ちるって感じですね。親を見て、貴族との協調路線は無理と鎌倉に幕府を創った源頼朝は正解だったのか?まあ、それも歴史の流れなんでしょうが。
それにしても、平治の乱の時の源氏は200騎程度、平家は500騎とは驚き。