- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582856705
作品紹介・あらすじ
将棋の歴史は、いまだ解明されていない謎が多い。これまでは、漠然と中国から伝えられたと思われてきた。しかし、中国の将棋(象棋)と比べてみると、駒の形、その進め方、将棋が始まったとされる時期など、多くの違いがあるのだ。では、いったいどこから将棋は伝わったのか。そして、どのように変化し、複雑で面白い遊びとして、広く日本に定着したのか。最新の研究成果とともに、近年の将棋熱を探る。
感想・レビュー・書評
-
【目次】
目次 [003-008]
はじめに [009-017]
序章 将棋伝来の謎を探る 019
一、海のシルクロードから日本へ
二、中国伝来説を覆す
第一章 中世に栄えた将棋の源流 033
一、最古の出土駒
二、平安時代の将棋記録
三、変化をとげる将棋
四、貴族の学ぶべき教養の一つ
五、戦国武将と将棋──爆発的な普及
六、宗桂登場
第二章 職業として認められた江戸時代 075
一、将棋指しの実力
二、将棋家の確立
三、幕府御用達となった将棋御三家
四、勝負事であるがゆえの段位
五、免状と名人
六、活躍の場を広げる門人達
第三章 宗家一二代「大橋家文書」による真実 115
一、大橋家文書と詰将棋集献上
二、御城でおこなわれた対局
三、奥御用──将軍家治の将棋指南
四、将棋家の収入と相続
五、手紙類──賭将棋の禁止
六、大橋家文書の虚偽
第四章 近代化がもたらした繁栄と衰退 153
一、幕末の将棋事情を探る
二、明治維新による将棋家解雇と自立
三、明治前半期──再び盛んになった将棋
四、明治後半期──新聞掲載による収入増
五、大正期と昭和前半期──職業として確立した時代
六、将棋にも及んだ戦争の悲惨な影
第五章 戦後の復興から未来へ 185
一、焼け野原からの船出
二、再隆盛を極めた将棋
三、薄れる将棋への関心
四、次世代への積極的な働きかけ
五、チェスに学ぶ将棋学への提言
おわりに 211
あとがき(二〇一三年一月 増川宏一) [215-217]
主要参考文献 [218-223]詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
将棋棋士の歴史ではなく、将棋そのものの歴史本である。
将棋の発祥から、中世、近世、戦中戦後の将棋史を総覧したものであり、棋書というジャンルではなくある1遊戯の歴史に重きを置いている。
面白さは、歴史をざっくり知りたい人ならばオススメできるが、昨今に確立されてきた「見る将棋ファン」向けの本ではない。
☆ふたつと言った所であろうか。