- 本 ・本 (276ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582857542
感想・レビュー・書評
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289/バ
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有り S289/ハ/14 棚:13
御津も -
「日本奥地紀行」を書かれた背景が紹介されています。
イザベラ・バードの生い立ちや、どこを旅してきたのか、日本を旅することになった状況などなどが書かれていました。 -
やや牽強付会なところもあるけれど、バードの旅の本当の姿を垣間見ることができるので、日本奥地紀行を読む際には本書も併せて読むことをお薦めする。
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『日本奥地紀行』のダイジェストかと思い手に取ったのですがバードの生涯、旅の目的、彼女の旅を誰が後押ししたのか等々、『日本奥地紀行』の背景が書かれていました。
思っていた内容とは違いましたが既存の訳本の間違いの指摘やバードの心の内を推測した内容はとても興味深く、読み応えがありました。
完訳版の『日本奥地紀行』を読んでみたくなります。 -
バード「日本奥地紀行」の要約(つまみ食い)が理解できる新書、と思って読むとガッカリする。
煽動的な見出しにするならば「これが本当のイザベラ・バード!探検家の物見遊山ではなく外交官扱いでの日本研究旅行!その計画を立てたのは誰だ?」ぐらいでしょうか。
まず第一章で今までの「日本奥地紀行」翻訳のダメダメさを事細かに(「科学的」ではない点を)指摘し、その後の章も「日本奥地紀行」やバードについてのステレオタイプを全否定しなきゃ気が済まないという学者的論調で書かれているため、軽い新書のノリで読み始めると辟易する。
著者結論としては、「日本奥地紀行」は単なる女性探検家の紀行文ではなく、当時の駐日英国公使パークスが立てた計画に沿った北日本の「内地(=外国人観光客が足を踏み入れられない地域)」調査旅行の報告だとのこと。なぜそのような理解になるのか、を「科学的に」裏付けを明示した新書になっている。
私自身が持っていたバード及び「日本奥地紀行」についての知識はさほど多くなく、またその内容も著者の否定するステレオタイプに沿ったものが多かったため、この本を読んだことで著者が翻訳した、より正確な「日本奥地紀行」を読んでみたいと思った(逆に言えば、他の訳を読む気は失せた)。しかし、科学的に正確な翻訳文が、紀行文の楽しさを醸し出してくれているのだろうか、と心配になっている。 -
佐々大河「ふしぎの国のバード」つながり。バード研究の碩学が、従来の通説、研究、訳書に対して切り込んでいく。まずは、簡約版、完全版など版が三つあるが、簡約版がひろく普及したために勘違いされている点。日本へ紹介される際の訳語の問題。そして、大きな主張として、この旅がバードの主導ではなく、イギリス公使パークスの立案、交渉、お膳立てにより、バードに白羽の矢が建てられ、バードはその任務におおいにこたえたものだった、ということ。イトウの採用前の北海道への旅程、植物最終技術の取得、通訳としての採用まで、パークスの采配であった、と。傍証については、どちらとも言えるように思えたが、それ以外は、なかなかに説得力のある魅力的な説に思えた。/以下備忘録的に/旅のきっかけは、転地療養。長期の航海で、状況を変え、海と山の大気の力で病状を変える、と/1892年には、極東の旅で活かすために写真技術を学ぶ/バードの旅は、外国人が自由に旅=移動できる範囲が局限されていた時代にあって、地域的制限を受けない旅だったという点で、きわめて特異なものだったのです/宿泊地の宿については、外国人女性の旅であり、事前に連絡が入っていないと現地では対応できなかったことは明らか/公使館と複数の伝道活動の拠点を合わせると、7ヶ月に及ぶ日本の旅の半分を占めていたことは、<外国人の訪れない未踏の地の旅>というイメージが強いだけに強調しておかなければならないのです。/
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イザベラ・バードの紀行を読みたいと思いながら、今まで読めないままに来てしまった。
どういう人か知っておくのもいいのでは、と思い、先に本書を読むことにした。
上流階級に生まれ、牧師の父から植物をはじめ、土地の様子を見て取ることを学んだ聡明な少女だったそうだ。
最初に父、その後、母、妹ヘンリエッタ、最後に遅く結婚した夫ジョンとの死別。
経済的に困ることは生涯なかったし、自分の原稿料でも相当な財産があったようだが、やはり大変な人生だと思う。
本書は、そういうイザベラの生涯を紹介しつつ、彼女の『日本奥地
紀行』にいくつかの版があること、どのような意図に基づく編集の違いかなどに留意していた。
それだけではなく、イザベラが英国公使やのちには英国国教会などと密接な関係を持ちつつ、旅をしていた点をしきりに強調していた。
バードの旅は、ただの個人的な興味関心に由来するものではなく、もっと国の何らかの意図を負ったものだったということらしい。
講談社学芸文庫あたりに入っているものを読もうと思ってきたけれど、一ついい予習になったかもしれない。
金坂清則の作品





