- Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582857771
感想・レビュー・書評
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誠実な複数愛というポリアモリーの日本語による初の書籍(たぶん)。
とてもありがたい。アメリカでのフィールドワークをまとめている。
男性は19%がバイ、女性は46%
感情は本能だけでなく、社会規範によって生まれることも多い。
嫉妬。トルコではいい意味、それだけ気持ちがあるということ。日本では昔からネガティブ
嫉妬の分類
・独占欲
・疎外感
・ライバル意識
・エゴ
・不安
嫉妬を軽減させるイメージカウンセリング系統脱感作法。具体的なケースを想像させ、どこで嫉妬するか、どこまで大丈夫か、リラックスした手をつないだ状態で。だめならその理由を分析。
タントラ。自己中心でない宇宙を自覚する
メタモア。愛する人が愛する自分以外の人。
密度は様々、親戚のように。
仲が悪いのこともある、基本はリスペクト
BDSMなどマイナー性癖のひとは、ライフパートナーと性的パートナーが異なっていきポリアモリーになる傾向が一般よりは高い。
子育てでポリアモリー同士助け合う。互いに恋人のポリアモリー家族同士ならより。
子供にもオープンにするが、うち以外のポリアモリー家族を知って交流することは子供にもよい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本、出るの楽しみにしてたんで早速読んだんだがね。
うーん。。ポリアモリーって「実践」するものなんだろうか。まぁわたしは自分自身セクマイとして、説明するときに「望ましい表象」みたいなのはあって、例えば同性愛は「生まれつきのもので変えることはできないんですよ-」みたいな説明をどうしても好ましいと思ってしまう。そうとも言い切れないこともあるってことを知っていても(ただ、変わるとしても劇的に変わることはそんなにはないとは思ってるけども)。
だとするならば、人を複数愛せる人ってのも、生まれつき、何人かはいる、彼らにとってそれは当たり前のことでそんなに不思議なことではないという説明が、わたしにとっては「好ましく」感じる。けど、この本はポリアモリーをそういう風には説明してなくて、なんか誰でもポリアモリーになれそうな感じなんだよね。なんてったって「実践」なんだから。
ちなみにわたしは自分自身のことを言うと、レズビアンだとは思ってるけども、実は自分のことを考えていたとき「アセクシャル(無性愛)」って言葉を知っていたら、もしかしたらそっちの方を引き受けてたかも知れないと思っている。というのは、わたしは性愛者と言っても、人を好きになるのが極めて「少ない」からだ(と言っても、一方で「ああ、この人いいな」って思うことは結構多く、でも、これは果たして愛だの恋だのという言葉では言い表せないんじゃないかと思うことがあるのだが、それは長くなるので端折る)。なので複数の人を同時に好きになることはまずない。で、それプラスわたしは完全にモノガミーだと思うのだけどね(ただし、この部分は教育されて後天的にそうなったと考えられないことももちろんない)。
この本は主にアメリカで、ポリアモリーを実践している人たちから話を聞いたりしたものだ。最後の方に一部、日本のポリアモリーの話があるし、あとポリアモリーの交流会、ポリーラウンジ(ポリラン)も紹介されている。でも、アメリカのポリアモリーの状況と日本のポリアモリーの状況(これはわたしが人から聞いただけだけど)って随分違いがあるような気がする。なんてったって、アメリカのポリアモリーってなんかSFから来てるらしいし、タントラの思想とか、なんかとても精神世界と繋がってるみたいなのだが、日本のはそう言うんじゃ全然ないし。
というわけで、正直、これを読むと「どこか遠いアメリカの都会でポリアモリーって人たちがなんだかよく分からない複雑な生活を送っているらしいよ」って印象が強かった。それに「なんでこの人たち、ここまでしてポリアモリーを実践したいの?」って気もした。「嫉妬心」を克服してまでも「自由な愛」に価値を置いてる人たちがポリアモリーなんだろうけど、なんでそこまでして?って。それよりも「自分は複数の人を好きになるから」という理由でこういうことをしてますって方が、わたしにとっては説得力があるのだけど、この本はそういう風には書いてないような気がするんだよね。それもやっぱり「実践」って言葉の印象がそうしてしまった感じがする。だって「同性愛を実践」とかって言わないもん。「同性愛者になった理由」とか書かれると怒るもん、わたし。「なった」んじゃない、「気が付いた」だけって。でも、この本はそういう書き方はしてないんだよね。
ただし、アメリカのポリアモリーの人たちはこんな感じなのかも知れないとは思う。だって、ポリアモリーを実践している人たちは、圧倒的に白人で、高学歴、高所得の人たちで、なんか頭のいい人たちの「ゲーム」って感じもするからだ。そういう感覚があるのなら、やっぱりこれは「実践」なのかな、と。
日本はそんなに良くは知らないけど、あんまりそんな感じはしない。セクマイの人たちと密接な関係があるからか、ポリアモリーって完全にセクマイの中に入り込んでると思う(本の中にも書いてあるけども)。ポリアモリーって実践ってより「複数の人が同時に好きになる人」という感じだ。なので、日本は日本でまた独自の世界を築いていくのかなーと少し思った。もちろん契約はあるけど、マニュアルとかはあんまり関係ない感じもするし(単にそういう感じというだけですけど)。なんでね、私は逆にアメリカではポリアモリーってこんな感じなんだーって思った本でした。 -
ポリアモリーについて全く知らなかったが、綿密なフィールドワークに基づいた非常に読みやすい本。論文とかだと読む気がしないし、、素人にも噛み砕けるように構成がありがたい。
確かに、なんで1人を愛さなくてはいけないと思い込んでいるんだ?と自分の常識を覆されたし、複数人とオープンに交際するポリアモリーという存在が、一つの生き方、として腑に落ちた。
自分と違う思考を持つ人を、趣味趣向で落とし込んでいた自分に気づかされた気がする。生き方の選択なのだろう。
短絡的な思考だけどそういう意味では、LGBTとは感覚的に違うのか?同じなのか?選択できるもの?そうしなければ自分が成り立たないもの? -
図書館で借りて読みました。
ポリアモリー紹介本です。著者はポリアモリーを実践している人ではありません。あくまで人類学的に研究をしている人で、研究者としてアメリカに渡りポリアモリーについて調査、インタビューしてみたという内容。
「一夫一婦制(モノガミー)にとらわれない」「決められた家族の形にとらわれない」愛のすがた・愛のかたちがあると信じている点では大多数のカップルや家族のそれとは違うでしょう。しかし、姿勢としては非常にストイックかつ誠実であることが伝わってきます。何より、ポリアモリーは「思想的実践」と呼ぶのが相応しいくらい、「愛とは何か?」「結婚とは何か?」「家族とは何か?」について考えている人たちだということが分かります。
社会制度の抑圧に屈せず、自分らしい愛のすがた・愛のかたちを探求する姿勢にはすごく心を打たれました。
というか、出てくる登場人物に妙に共感したり、読んでて気が合うなと思える部分が沢山あったりしましたね。
私もポリアモリスト名乗ろうかしら。
とりあえず、「誰とでもヤレればいい」「浮気・不倫は悪じゃない」的なマインドとは無縁な人たちであることを正しく理解するだけでも、社会の偏見は無くなるように思います。
「あ、こんなのもあるんだぁ」くらいでもいいから、日本でももっと浸透するといいなぁ。 -
一夫一妻制度だけでなく、愛と理性、嫉妬や所有欲について深く考えさせられる。
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多様な価値観を認めるために、知ることから。
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僕の思想やスタンスが言語化されている。
特に
•自己ルールを設けてジレンマと葛藤すること
•誠実、率直であり理性、知性、コミュニケーションを用いて関係性を醸成させること
•一般的という概念がないこと
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ポリアモリーというのは不倫とは違う、ということは知っていましたが、どうにも嫌悪感が拭えなくてこの本を手にとりました。
ポリアモリーの人々が予想以上に苦労を重ねて自分と向き合い、誠実さを求めていく様子は、ある種の修行のようだとも感じました。
正直、最後までピンとは来ませんでした。
何より大変そうだと思いました。
でもこういう生き方もあるんだな、となんだか視野が広がった気持ちです。
不倫をしたいという人は、いっそポリアモリーを実践することを考えてみてはいいのではないか?と思います。
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愛について。
ポリアモリーという、複数の人をオープンに愛する思想。
LGBTと親和性が高そう。
LGBTやフェチと同じく人によっていろいろあるということを認識できた。
ロバート・A・ハインラインがポリアモリーの観点でいろいろ先進的っぽい。 -
面白かった。
ポリアモリーについてよく理解できたし、これも自然で誠実な愛の形だなと思った。