新書860遺伝か、能力か、環境か、努力か、運ナノカ (平凡社新書 860)

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  • 平凡社
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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582858600

感想・レビュー・書評

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  • 橘木氏による書だが、橘玲氏と似たようなポイントが論点となっており、名前といい非常に被るところを感じた。
    知能、気質、身体的特徴など遺伝の占める部分が大きく成功者は、それにプラスして練習や努力が必要である事を説いている。何処かの論文で、美人とブスの生涯年収の差額は4000万円程度有ると有ったが、本書の%表示よりも金額表示の方がインパクトが有るのではないかと思う。人種と知能、学力差の問題は、タブー視されている部分が多いが、包み隠さず表現している部分は素晴らしいと思う。今後も著者の作品に是非触れて見たいと思う。

  • 【図書館の電子書籍はこちらから→】  https://kinoden.kinokuniya.co.jp/tit.library/bookdetail/p/KP00014725

  • ●遺伝 遺伝子が経験かと言う論争。前者はコンラート・ローレンツによる「遺伝子決定論」最近ではスティーブ・ピンカーが有名である。反対の声は、スティーブン・グールドで代表される「人間の測り間違い」優生思想や人種主義への反対論にまで発展している。
    ○公平な社会では、遺伝による才能が強調され、不公平な社会では環境が強調される。
    ○人種間の違いより、個人間の遺伝子の違いの方が圧倒的に大きな影響がある。だから白人と黒人の間に才能に差があると言う通念に警鐘を鳴らす。

    ●能力 「知能」の定義。極めて一般的な能力であって、「推論する、計画を立てる、問題を解く、抽象的に考える、複雑な考えを理解する、素早く学ぶ、経験から学ぶ」といった能力を含んでいる。学問、学力とは異なることに注意されたい。
    ○ IQは約50%が遺伝、25%が共通の環境、残り25%が個人の独自の環境
    ●環境 おおざっぱに言うと、数学の能力は生まれながらの素質で決まる確率が高く、話し方や文章を書く能力は、育った環境や学校教育によって向上させれる確率は高い。
    ●努力 通塾と得点の関係。国語より数学の方が顕著に点数の差が現れる。
    ●運 容貌も運の1つ。美貌が得である。美人は男性を口通ってくるので、相手の選択肢が多くある。恋愛や結婚を無視しても、美しい容貌は経済的な成功を生む原動力になり得る。

  • 格差についての一般教養・概論的な本。
    巻末に大量の参考文献が掲載されているので、関心があるものをこの本から深めていく感じ。

  • 【電子ブックへのリンク先】

    https://kinoden.kinokuniya.co.jp/muroran-it/bookdetail/p/KP00014725

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  • 人生

  • 遺伝か、能力か、環境か、努力か、運なのか。本書を読んでたどり着いた個人的な結論は、人生は遺伝と環境で決まるのではということ。学力や身体能力、容姿、性格は遺伝と環境次第。実際、政治家の子は政治家、医者の子は医者、著者の橘木先生のような学者や研究者、教師の子は学者や研究者、教師になることが多いのは明白。そう思うとやるせない気持ちになる人も多いかもしれないけれど、不都合な真実でも受け入れることが全ての始まりになると思うから。たとえ努力してどうにかなる部分は限られていたとしても、努力すること自体に価値があるし、人生を豊かにしてくれるはず。

  • 結論が出る訳ではないが,現状を5つの切り口からデータ分析を通して眺め,そこから分かる対策を明文化する.パラメータが5つあるだけで,それらの相関が複雑怪奇で対策を講じようにも如何ともし難い.

  • 格差社会に入った日本において、人の境遇と成功の原因について「遺伝」「能力」「環境」「努力」「運」の視点から検討する。ベースは学術的研究成果や知見。自分の能力と特性に合致した合理的な努力をするための基礎知識。

    人間皆平等、として差を無視するより、きちんと考慮した方がよい時代になったってことですね。

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著者プロフィール

京都女子大学客員教授,京都大学名誉教授
1943年兵庫県生まれ。
小樽商科大学,大阪大学大学院を経て,ジョンズ・ホプキンス大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。京都大学教授,同志社大学教授を歴任。元日本経済学会会長。
専門は経済学,特に労働経済学。フランス,アメリカ,イギリス,ドイツで研究職・教育職に従事するとともに,日本銀行,経済産業省などで客員研究員を経験。
和文,英文,仏文の著書・論文が多数ある。
〔主要近著〕
『日本の構造:50の統計データで読む国のかたち』(講談社,2021年)
『教育格差の経済学:何が子どもの将来を決めるのか』(NHK出版,2020年)
『“フランスかぶれ”ニッポン』(藤原書店,2019年)
『日本の経済学史』(法律文化社,2019年)
『21世紀日本の格差』(岩波書店,2016年)
『フランス産エリートはなぜ凄いのか』(中央公論新社,2015年)

「2021年 『フランス経済学史教養講義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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