- Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
- / ISBN・EAN: 9784584133262
作品紹介・あらすじ
苦難の歴史から日本人は何を教訓とし、何を置き去りにしてきたのか。見識とユーモアあふれる珠玉の人生訓。
感想・レビュー・書評
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金子兜太氏と半藤一利氏との対談と言うことで,これは,興味深いはずだ…と思って読み進めていきました。予想通り,今までにないような対談内容でした。半藤氏によると「合計百七十二歳の対話は,自分のいうのもおかしいのですが,天衣無縫というか天空開豁というか,あっちへいったりこっちへいったりの行運流水的な,いくらかとりとめのないもの」だそうです。
兜太氏は1919年生まれ。半藤氏は10歳ほど年下になります。
日本人のクセとして「起きて困ることは起きないのではないか」→「起きないに違いない」→「絶対に起きない」という結論になると,二人は同意。
これは,敗戦直前のソ連満州侵攻にしても,トラック島への攻撃にしても…そして,今回の大津波とそれによる原発事故にしても…。これらのことは,いずれもちゃんと予想していた人はいたわけですが,いずれも起きてもらっては,たいへん困ることなのです。そして,日本人は,その困ることに対する対策そのものよりも,「起こらないことにしてしまうこと」を選択するのだと。これらのことは,日本人だけではなく,人間一般に言えることなのかもしれないと思いますが,少なくとも,日本の現代史をふり返っただけでも,あてはまることは確かですね。
自分たちのルーツを語る場面では,それこそ,天衣無縫の話になってきて,放送禁止用語がたくさん…(^^;; それだけ,子どもに対しても開けっぴろげな社会だったからこそ,感覚の豊かな兜太氏が育ったのかもしれないとも感じました。
私たちが本書の内容を知って,さあ,その後どうするのかーそれは,読者に任されています。 -
今、日本人に知ってもらいたいこと ☆ 最初は3.11の地震や戦争のことを語っていたが、途中から自分のかみさんのことや尿瓶の事などスケールの小さいというかどうでも良さそうなことが語られる。 #dokusyo
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二人の有名な作家さん(私は存じ上げなかったがタイトルに惹かれて図書館で借りた)による対談
戦時中の体験や随想を交えながら、東日本大震災後の日本を考える。
精神論的な部分が大きい。
戦時中の前線の様子なども書かれていて興味深く読んだ。