なぜ闘う男は少年が好きなのか

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  • ベストセラーズ
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784584137857

作品紹介・あらすじ

歴史を変えた男と少年の秘密の恋。webメディア『cakes』で累計100万PVを誇る連載コラムがついに書籍化!

感想・レビュー・書評

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  • Twitterのフォロワー様から頂いたものです。
    以前からおにショタ好きとして、この本が気になっていました。読んでみた感想ですが、元々おにショタ視点から気になっていたので大変満足です。
    歴史に存在した大人の男と少年の関係性がびっしりと書かれていて、また男色の起源やおにショタ以外の青年×青年同士の関係性も濃く描かれており、根っからの腐女子の私からすれば満足以外の言葉はありません。
    ですが客観的な文章ではなく、作者視点から描かれている感想的な文章も多いです。
    私のようなおにショタ好き・単純に実在した男同士の関係を知りたいといった方にはおすすめの本かもしれませんが、これをなにかの参考にしたい・歴史書としての目的で買った場合は物足りないか、がっかりするかもしれません。
    おにショタ好き・好奇心や興味から買うのを迷っているという方は、買っても損はないと思います。
    最後に私はハドリアヌス×アンティノウス、ソクラテス×アルキビアデスが好きです。儚い美少年(美青年?)や耽美な美少年はいいですね。なんのことか気になった方は、この本を読んで頂ければ分かると思います。

  • ライトな雑学本として、なかなか面白い。

    Q:なぜ同性愛は悪いこととされてきたのか?
    A:離婚禁止のカトリックで宗教を変えてまで嫁さんを取っ替え引っ替えしたヘンリー8世の作った法律が、政敵を引きずり下ろすのにちょうどよかったので使われた結果。
    とか。

    イエス「快楽?主が全部なんとかするからセーフセーフ」
    仏陀「快楽は男女問わずアウトっつってんだろうがよおおお!!」
    とか。

    舞台への掛け声が「しにまする!」つまり墓、で、オタクの語彙力が江戸から進化していない。
    とか。

    仙台に真田がいる縁。
    とか。

    東海道中膝栗毛がやじ×きたの駆け落ちだとか。


  • タイトルの疑問の回収は早くも序章にて、

    古今東西、マッチョな男というのは女を嫌い、さげすみ、馬鹿にするようになります。「知恵より筋力!」だったかつての戦場で女性は役に立ちませんし、昔の武士は、女には血の障りがあるといって、戦闘前に女性が近づいてくるのすら、嫌がりました。
     でも、男性ホルモンはドバドバなわけですから、戦場でも欲求はつのるのですね。しかし、戦場は、神聖な男だけの領域。女なんか近づけてなるものか。でも、我慢できない。うーん、どうしよう……おや、あの源太の子供、よく見ると……。

    というわけだそうです。なぜ廃れたかは、江戸においては武より知を重んずる武家社会の官僚化、早婚化、明治の違式詿違条例、若い兵隊が必要、のためとか。

    その間の章で、日本や世界の少年愛や同性愛などを紹介しています。
    お釈迦様があらゆる性愛をアウトしていく章笑いました。
    基本的にそんな感じで歴史書をおもしろおかしく紹介している、テンションの高い文で、ワイルドの裁判のところは痛々しく伝えるように力が入っています。
    興味がわいたら最後の参考文献を読むといいかもしれない、そんな少年愛の歴史のライトな紹介本かな。

    254頁
    イスラムにおける現在のホモフォビアの種子が、実は近代キリスト教にあったというお話も前述した通り。
     あまりに話を単純化してしまうのも危険ですが、こうして見ていくと、近代になるにつれ世界中で男色が衰え、アングラなものになっていく要因のひとつにキリスト教があったということは否めないようです。
     もちろんそれは現代のキリスト教徒の人たちに責任があることではありませんが、同性愛の問題に関して今、後進的であることを非難されている国々や地域の多くが、実はフォビア的な風土をもともと持っていたわけではなく、むしろそれは「持ち込まれたものなのだ」ということは周知されてもよいのではないかと思います。

  • 文明が成長する過程で、どんな土地柄や気候の国も女性を排除し男色が盛んになる時期があるのだなぁ。
    人間特有のことかと思いきや、ゴリラにも同じようなオスのみのコミニティが生まれるというのがとても興味深い。

  • 「アブラギッシュ」は死語だと思う。

  •  男性は孤独なんだなぁ……と思い知らされる。
     いや、男性が、と言うよりは、権力を持つTOPと言うべきか。

     男性が頂点に立つとき、隣に置いて安心出来るのは男性、というのが分かるような分からないような。
     たぶん、女性が頂点に立ったとしても、隣に女性は置かないだろうなぁ……と思う。男性ほど同性を信用出来ない気がする。ふしぎだ。

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著者プロフィール

宮崎県出身。九州大学卒業。九州奥地の谷間の村で、神話と民話、怪談を子守歌に育つ。小説教室『玄月の窟』での二年の修行の後、『劉邦の宦官』でデビュー。

「2015年 『九度山秘録 信玄、昌幸、そして稚児』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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