うつ病新時代: 双極2型障害という病 (精神科医からのメッセージ)

著者 :
  • 勉誠社(勉誠出版)
3.85
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本棚登録 : 110
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784585052845

作品紹介・あらすじ

わが国のうつ病患者数はいまや100万人を超え、『国民的病』となりつつある。その病因は、過労、ストレス、対人関係などで変幻自在にあらわれかつ治りにくい。こうした新しい傾向に対処するため、精神医学のしなやかな感性ときめ細かい実践の重要性を訴える。

感想・レビュー・書評

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  • BPⅡについて、より深く知りたくて手にとった本。

    「同調性」というキーワードが印象に残りました。

    本から学べるのは、視点や考え方。
    それぞれの特性の捉え方について、もっともっと知識を蓄えていこうと思います。

  • 双極性?型の症例は豊富だが、対処方法などもう少しページを割いてほしいところ。,同調性的性格が病前性格としているところは、新発見だが。

  • 精神科関係の本は研究が進んでおり、内容の更新が早いが、双極性Ⅱ型の比較的マイナーなことについて、Ⅰ型とは異なる難しさについても上手に説明している。

    特に、部分性(出てくる場所)や混合状態(思考、気分、意思)についてや、症例なども多く載せている。複雑怪奇なだけ、それを理論化するのは難しいとは思うが、研究をうまくまとめているのではないかと思う。

    語句の表現はやや医療関係向けかなと思ったが、基礎的な言葉さえ分かれば、一般の人でも読めると思う。

  • 本に出てくる症例があまりにも自分に当てはまるので笑ってしまうほどです。双極性障害を客観的に理解するのに非常に役立ちました。常に手元において、ちょいちょい読んでいます。

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  • 臨床医師ならではの経験に裏打ちされた詳細な観点は、患者にとって信頼できる内容になっている。単に素人への分かり易さではなく、専門的な内容を分かり易く書いている点も評価できる。うつ病の判断基準であるDSMのデメリットまで踏み込む視点は臨床家としての自信の表れであろう。

  • demoralizationと混合状態の病態のとらえかたが本当に素晴らしいなあ。
    今までのもやもやがかなりすっきり。

  • BPⅡの特性,病前性格論など,新しい知見が多かった。BPⅡに関しては近年にわかに注目を集めている様相だが,まさにこれからのの領域なのだなと感じた。気分安定剤をベースにするのは良いとして,うつへの対処は未だ決定打無しというところか。ミルタザピンは効果があるように感じるが,半数は眠気の副作用がでるようなので,一般的には使いにくいのだろう。

  • 患者がどのような人生を送ってきたのか、生活史を聞くこと。
    喪失はうつ病患者の精神病理の根幹をなす問題である。

  • 自分自身、双極性障害Ⅱ型の可能性があると知ってから見つけて読んだ本です。
    著者は精神病理学者で、主に統合失調症を扱ってきた方ですが、この本の切り口は実に斬新に感じました。
    精神病理学の歴史から書き始まっているので、流れがわかって面白く、また、読み進めるにつれて自分自身の病態が明らかになっていく感じがして非常に興奮させられましたが、著者も書いているように、一般向けではなく医師向けと勘違いして書かれた本なので、正直精神医学に触れたことのない方が読むには内容が難解であると思います。
    ただ、精神科医や精神科コメディカルの方にとっては非常に有用な知識の詰まった啓蒙書であり、まちがいなく良書であると思います。
    先日の精神神経学会でも、残念ながら自分は参加できませんでしたが双極性障害の治療についての教育セッションで座長を務められ、また自ら演者として発表もなさったようです。これからもこの分野で積極的提言を続けていただきたいと願っています。
    おすすめです。

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著者プロフィール

東京藝術大学名誉教授。精神科医。1955年東京都生まれ。1979年東京大学医学部卒業。東大分院神経科、帝京大学精神神経科学教室、東京藝術大学保健管理センターを経て現職。

「2023年 『発達障害の精神病理 IV-ADHD編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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