- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784585234081
作品紹介・あらすじ
なぜ「卑弥呼」も「邪馬台国」も『魏志倭人伝』にしか登場しないのか?
作者・陳寿はどのようにして『魏志倭人伝』を書いたのか?
なぜ「卑弥呼神社」は存在しないのか?
戦後最大の未解決問題に決着をつける!
感想・レビュー・書評
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タイトルに惹かれて手に取りました。
言われてみればなるほど、卑弥呼の伝説や、邪馬台国の遺跡、日本の歴史書への記載は、聞いたことがないですね。
それに、漢字もあまり良くない漢字だし…。
歴史はいろいろな見方があっておもしろいです。 -
「邪馬台国論争は,日本の歴史における戦後最大の未解決の問題」(本文より)を,「最初から間違っている」視点から卑弥呼も邪馬台国も全くの虚像であるという結論を導いています.八幡和郎氏の考えをもっと先鋭化させたような内容です.確かに中華帝国にはより多くより遠くの地方政権の朝貢を記録したいという動機があるにせよ,卑弥呼の存在が全くのファンタジーとも言い難いのではないでしょうか.邪馬台国がどこにあったのか,卑弥呼が誰だったのかという問題は結局魏志倭人伝の記録をどうにかして日本側の資料と整合させる過程で生じているようです.まるで全くあいようがないパズルのピースのようです.魏志倭人伝がほぼ全て伝聞に基く記述で信頼性は低いという論には同意できます.また興味深く賛同できるのは,戦後の歴史観が共産主義の影響を強く受けているという点です.ただ最後に,未読ではありますが「高天原は関東にあった」という著者独自の説は,一般的にはちと微妙かなと思いました.上記のように,部分的にはとてもうなずける点も多いのですが.