日本SF誕生―空想と科学の作家たち

著者 :
  • 勉誠出版
3.20
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本棚登録 : 94
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784585291848
#SF

作品紹介・あらすじ

日本SFが、かつての空想科学小説というジャンルからアウフヘーベンして、あらたに確立したのは、1960年代の初頭からである。当時、日本の出版界では、ひとつのジンクスが語られていた。西部小説とSF小説を出版すると、その出版社は倒産するというものである。SF小説は、いわば未知の文学ジャンルだった。
多くの同志とともに、日本にSFを広めていく過程は、いわば一種の文学運動だった。これは、ひとつの文学ジャンルを確立するまでの、SF作家たちの苦闘と、哀愁と、歓喜の交友の物語である。
今、日本SFが根を下ろすまでの事情を、いわば遺言として書き残すことが、馬齢を重ねた同志としての使命かもしれないと考え、あえて語ることとした。もともと書誌学のようなものには疎いほうだから、年譜的な記録を残すつもりはない。いわばSF作家交遊録と言った体裁になるが、これまで書かれていない破天荒なエピソードなども紹介しながら、筆を進めていきたいと思う。筆を進めると、書いてしまった。今ならキーボードを叩くと書くべきだろうが、あれから半世紀以上、科学の進歩は、われわれSF作家の想像を超えるテンポで進行した。

感想・レビュー・書評

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  • 個々のエピソードの内容は薄いけど、貴重な証言ではあるなあ。

  • 豊田有恒さんが、日本SF界の黎明期の思い出を語っている本でした。内容は軽めですが、日本SFの先駆者たちの仲の良さが伝わってきて、ほっこりしました。

  • 大好きな日本SF黎明期のあれこれ。
    いろんなところで読んだエピソードがまた読めるのも、野田昌宏の名前が登場するのも嬉しい。

  • 電子ブックへのリンク:https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000078465(学外からのアクセス方法:1.画面に表示される[学認アカウントをお持ちの方はこちら]をクリック→2.[所属機関の選択]で 神戸大学 を選んで、[選択]をクリック→3.情報基盤センターのID/PWでログイン)【推薦コメント:日本SF文学の誕生と浸透を知る上で有益な書物です。】

  • 面白みに欠ける。

    聞き書きなら、もうちょっと違ったのかな、聞き手大森さんとかで。
    まぁ、小松御大のような座談の名手という訳でもないのだろうし、大して違わないかもしれませんが。

    さて、アトム、ヤマト、黎明期日本SFときて、あと売り物にできるのはパラクリぐらいですか、先生…

  • 著者豊田有恒さんの個人的な体験を中心にした日本SF界の歴史なので、必ずしも全体像が客観的に語られているかわかりません(私にはそんな知識がありません)。とはいえ、個々の作家達のエピソードは大変面白いものが満載です。星新一が夜に豊田へ電話を掛けてきて、「豊田くん、世界三大Q
    というものを発見した。」というジョークは絶品です!

  • SF界の大御所がゴロゴロ出てくる。
    何もないところから手探りで日本にSFという分野を定着させたリジェンドたちの裏側。

    子供の頃ジュブナイルで読んだ人たちが後から後から。

    SFに興味のない人には、なんのことだか判るまい。

  • 【新着図書ピックアップ!】日本のSFは、1960年代から始まった。そして、日本人を宇宙の果てまで、ロボットや人工知能のある未来社会まで、超能力や異世界次元まで、時には、仏教やキリスト教の世界まで、つれていってくれた。輝かしい胸躍る時代であった。
    まさに、空想と科学 サイエンス フィクションの世界に、無限の世界を我々を導いてくれた。素晴らしい時代だった。その誕生の出来事が、ちりばめられている。日本SFの誕生の瞬間である。

  • 過去のエッセイでも取り上げられている話が多い。感情を抑えた筆致になっている。

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著者プロフィール

1938年、群馬県生まれ。島根県立大学名誉教授。若くしてSF小説界にデビュー。歴史小説や社会評論など幅広い分野で執筆活動を続ける一方、古代日本史を東アジアの流れのなかに位置づける言説を展開して活躍。著作には数多くの小説作品の他、ノンフィクション作品として『たのしく老後もはたらく生き方』(ビジネス社)、『ヤマトタケルの謎-英雄神話に隠された真実』『「宇宙戦艦ヤマト」の真実 いかに誕生し、進化したか』(いずれも祥伝社新書)などがある。

「2023年 『不思議の国 ニッポン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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