- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784585291947
作品紹介・あらすじ
カブリエル・ガルシア=マルケス(『百年の孤独』)、マリオ・バルガス・リョサ(『緑の家』)、ホルヘ・ルイス・ボルヘス(『伝奇集』)、レイナルド・アレナス(『襲撃』)、ロベルト・ボラーニョ(『2666』)…。
ラテンアメリカ出身の作家は数多く日本で紹介され、作品も多く邦訳されている。
しかし、その一方でそうした作家や作品をまとめて紹介した媒体はほとんど存在していない。
19~21世紀の代表的な作家100人と、作家の代表作を紹介し、ラテンアメリカ文学を読む人への指針となるハンドブック!
感想・レビュー・書評
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●本書については、2名の学生がレビューしています。(それぞれ、2022年12月14日と2022年7月13日に公開。)
【2022/12/14公開のレビュー▼ここから】
本屋さんの棚を見ていれば、「その他」の海外文学としてまとめられてしまうこともあるラテンアメリカ文学ですが、その世界は豊饒で多様、「ラテンアメリカ文学」の一語でくくることができない広がりを湛えています。『100人の作家で知るラテンアメリカ文学ガイドブック』は、19世紀から最近までのラテンアメリカの作家100人について、伝記的事実や文学的評価、おすすめの作品などをまとめた一冊。
むやみに作家たちを褒めない辛口で詳細な紹介の一方で、くすっと笑えるエピソードなども多数扱われています。文学賞や新聞・雑誌、1960年代の「ラテンアメリカ文学ブーム」についてなど、作家論のみならず多角的な観点から論じているので、読むだけでラテンアメリカ文学世界の解像度が飛躍的に上がることはまちがいありません。
全くラテンアメリカ文学を知らない人でも楽しめるとは思いますが、すでに多少興味があり、どの作品から/作家から読んでいこうかな、と考えている人にぴったりの本でしょう。
(文科三類・2年)(4)
【2022/12/14公開のレビュー▲ここまで】
【2022/07/13公開のレビュー▼ここから】
本書は、作家名と作品名・概要のみをまとめたガイドブックとは一線を画している。著者は、各作家の出自や家庭環境、当時の政治状況、出版事情といった、彼ら彼女らを取り巻いていたあらゆる環境を丁寧に見ながら、作品が生まれた背景を考察する。紹介文を読むと、実に多くの作品が、貧困や政権による弾圧などといった過酷な状況下で生み出されてきたこと、時には命懸けの執筆活動も行われていたことがわかる。筆者の分析は、さまざまな困難に直面してもなおペンを執り続ける作家たちの強い情熱、一つひとつの作品に込められた魂を生き生きと描き出す。
本書では、全ての作品が手放しで賛美されているわけではない。まえがきで宣言しているとおり、著者は優れた作品に賛辞を送るとともに、物足りない点は躊躇なく指摘する。著者の徹底した分析からわかるのは、作品への評価は、その作品の質そのものだけでなくそれを取り巻く社会によっても決まるということだ。本書では、文学として優れているとはいえないにもかかわらず大流行を巻き起こした作品も挙げられている。文学界は置かれた環境の中でうねり、動いていくのだということを改めて実感させられる。本書はブックガイドであると同時に、各作家の生き様を鮮やかに描いた伝記であり、流転するラテンアメリカ文学界の記録でもあるのだ。
(文科三類・2年)(3)
【2022/07/13公開のレビュー▲ここまで】
【学内URL】
https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000089006
【学外からの利用方法】
https://www.lib.u-tokyo.ac.jp/ja/library/literacy/user-guide/campus/offcampus -
摂南大学図書館OPACへ⇒
https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50206051