遊戯: その歴史と研究の歩み (ものと人間の文化史 134)

著者 :
  • 法政大学出版局
3.29
  • (1)
  • (0)
  • (6)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 31
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784588213410

作品紹介・あらすじ

古代から現代まで,日本と世界の遊戯の歴史を概説し,内外の研究者との交流の中で得られた最新の知見をもとに,研究の出発点と目的を論じ,現状と未来を展望する。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784588213410

  • 世界各国から、遊びの具体的な資料を集めてくれているというだけで本書の価値は担保されている。さすがに個別個別で深いところにまではいっていないし、現代の遊びに関してまではカヴァーされていないが、遊び研究を行う人なら手に取る価値は十分にある。

    本を楽しむために読む層にどこまでこの本の求心力があるかはわからないが、遊びに関する理論研究についてもさらりとまとめられているため、全体像を把握するためには悪くないかもしれない。個人的には遊びの理論研究の邦訳されていない書籍に関してどの程度乗っているのかが関心ごとだったが、ホイジンガ、カイヨワ、アンリオといった邦訳されている書籍にしか言及がなかったので、その点では残念であった。また、理論研究では『遊びの現象学』を書いた西村への言及ももっとなされてよいと思うが、そのあたりもされていない。

    筆者の関心は形而上的な理論ではなく、あくまで実態を研究するということが示されているので、遊びを限定的な意味合いで捉える度合いの強いアンリオや西村に対してあまり関心が強くないというのは推察できるところではあるが、少々その点が残念であった。

    一方、よい、と思ったのは、これからの研究の目指すべき方向性がさまざまに示されているところ。特にこれは学部生や新しく研究を始める院生にとってはありがたいのではないだろうか。

  • [ 内容 ]
    遊戯史研究の目的と方法を語り、現在の水準を明らかにしつつ未来を展望する。

    [ 目次 ]
    序章 遊びをせんとて生れけむ―遊戯史研究の出発点と目的
    第1章 遊戯の世界史―文明の曙から近世ヨーロッパまで
    第2章 遊戯の日本史― 古代貴族から軍国主義下の庶民まで
    第3章 遊戯の法則―遊戯の主体としての人間の変容
    第4章 遊戯・賭博に対する見解―平和をもたらす行為か悪魔の技か
    第5章 遊戯の研究史―ホイジンガから宮武外骨、酒井欣まで
    終章 “遊ぶ人間(ホモ・ルーデンス)”が平和をつくる―遊戯史研究の現状と展望

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1930年長崎市に生まれる。旧制甲南高等学校卒業。以来、将棋史および盤上遊戯史を研究。
大英博物館リーディングルーム・メンバー、国際チェス史研究グループ会員、チェス史研究支援財団名誉会員、チェス・コレクターズ・インターナショナル会員、遊戯史学会会長、日本将棋連盟将棋歴史文化アドバイザー。第17回将棋ペンクラブ大賞特別賞、第21回大山康晴賞受賞。
著書に、『賭博の日本史』『碁打ち・将棋指しの江戸』『碁打ち・将棋指しの誕生』『将棋の起源』『盤上遊戯の世界史』『日本遊戯史』『日本遊戯思想史』『将棋の歴史』『遊戯の起源』『江戸の目明かし』(以上、平凡社)、『将棋I・II』『盤上遊戯』『賭博I・II・III』『碁』『さいころ』『すごろくI・II』『合わせもの』『チェス』『遊戯I・II』(以上、法政大学出版局)、『将棋の駒はなぜ40枚か』(集英社)、『ゲームの博物誌』(JICC出版局)、『将軍家「将棋指南役」』(洋泉社)、『小さな藩の奇跡』(KADOKAWA)など。

「2021年 『〈大橋家文書〉の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

増川宏一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×