土着語の政治:ナショナリズム・多文化主義・シティズンシップ (サピエンティア)

  • 法政大学出版局
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  • Amazon.co.jp ・本 (540ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784588603280

作品紹介・あらすじ

国家によるネイション形成にはマイノリティの同化や排除、周縁化がつきものである。その際マイノリティの権利をいかに擁護し、リベラリズム理論の枠内に位置づけるのか。キムリッカは、個人の自律的選択の基盤としてネイションの言語や文化をとらえ、「土着語の政治」を支持する。独自の教育を行う権利や広範な自治権、既存の国家から分離独立する権利まで認められるべきと主張する。

感想・レビュー・書評

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  • 「自治」というものの在り方について大変示唆を与える内容であったように思う。
    著者の出身国であるカナダにおける事例が中心ではあるが、たとえば、ケベックでの取り組みは国や県もしくは市町村単位での、先住民地域での議論はともすれば各部落・村落ごとの自治を考える上で一つの視座となり得るものではなかろうか。

    いずれも10年以上前に書かれた学術論文群を章立て再編したものだそうだが、今現在の世界的な動向――とりわけ米国における件の「現象」に関して、同国の抱える問題の背景や歴史的事情を知るのにも良い本だと思う。

  • 富山県立図書館316.8/708/

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著者プロフィール

(Will Kymlicka)
カナダの政治哲学者。クイーンズ大学で哲学と政治学を学び、1987年、G. A. コーエンの指導の下、哲学博士号を取得。1998年からは母校であるクイーンズ大学哲学学部で教鞭をとるとともに、ハンガリーの中央ヨーロッパ大学のナショナリズム研究プログラムの客員教授も務める。英米圏を代表する政治理論家であり、日本でも『多文化時代の市民権――マイノリティの権利と自由主義』(晃洋書房、1998年)、『現代政治理論』(日本経済評論社、2002年)、『新版 現代政治理論』(日本経済評論社、2005年)、『土着語の政治――ナショナリズム・多文化主義、シティズンシップ』(法政大学出版局、2012年)、『人と動物の政治共同体――「動物の権利」の政治理論』(尚学社、2016年)が翻訳されている。

「2018年 『多文化主義のゆくえ 国際化をめぐる苦闘』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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