- Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
- / ISBN・EAN: 9784589040367
作品紹介・あらすじ
ベーシックインカム(BI)は現代社会の救世主たりうるか!? 社会運動や政策提言の最前線にたつ論者や研究者が、BI の意義と限界をさまざまな角度から検討。
感想・レビュー・書評
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ベーシックインカムを問いなおす:その現実と可能性
著作者:佐々木隆治
発行者:法律文化社
タイムライン
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全部で11章からなるのですが、最初の3章(とくに最初の2章)は「アンチベーシックインカム」色が強く、ベーシックインカムを目の敵にするような論調で感情的な印象でした。
しかし、4章以降は、それも落ち着き、冷静で客観的になっていった印象です。
「ベーシックインカムはダメ」という主張は、現在の延長線上で考えているのが、大きな原因のような気がします。
「現状の社会保障の代替にはならない」とか「現在の貧困問題の解決にはならない」といった主張が展開されているのですが、ベーシックインカムは、そういうものではないように思います。
ベーシックインカムについては、まずは、「我々の社会はどうあるべきか」をデザインし、そこにベーシックインカムを導入することの意味を考え、その結果、ベーシックインカムが、あるべき社会の構築に資するならば、導入を前提にして、バックキャスティングで検討すべき事項ではないかと思っています。
現代の社会に導入する、という視点で考えると、いろんなところで矛盾が起こるのは当然ですが、本書の最初の3章は、その視点がとくに強く、読んでいて残念な気持ちになりました。
ただ、全体を読んで感じたのは、「ベーシックインカムについては、どういう形での導入を考えるとしても、その考えを捨てるのはもったい」ということです。
ベーシックインカムに反対するような意見を表明している人も、なんだかんだいって、ベーシックインカムには魅力を感じているように思います。 -
■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
【書籍】
https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1001174141
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東2法経図・6F開架:364A/Sa75b//K
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書籍名 ベーシックインカムを問いなおす
副題 その現実と可能性
著者:
佐々木 隆治(立教大学経済学部准教授) 編著
志賀 信夫(広島県立大学保健福祉学部講師) 編著
今野 晴貴 (NPO法人POSSE 代表)
藤田 孝典(聖学院大学人間福祉学部客員准教授、NPO法人ほっとプラス代表理事)
竹信 三恵子(ジャーナリスト、和光大学現代人間学部教授)
井手 英策(慶応義塾大学経済学部教授)
森 周子(高崎経済大学地域政策学部教授)
小澤 裕香(金沢大学経済学経済学系准教授)
小谷 英生(群馬大学教育学部准教授)
孔 栄錘(佛教大学大学院社会福祉学研究科博士後期課程)
判型 A5判
頁数 218頁
発行年月 2019年10月
定価 本体2,700円+税
ISBN 978-4-589-04036-7
ジャンル 社会政策
ベーシックインカム(BI)は現代社会の救世主たりうるか!? 社会運動や政策提言の最前線にたつ論者や研究者がBI の意義と限界を様々な角度から検討。
〈https://www.hou-bun.com/cgi-bin/search/detail.cgi?c=ISBN978-4-589-04036-7〉
【簡易目次】
第I部 日本の現状とベーシックインカム
第1章 労働の視点からみたベーシックインカム論―なぜ「AI+BI論」が危険なのか(今野晴貴)
第2章 貧困問題とベーシックインカム(藤田孝典)
第3章 ベーシックインカムはジェンダー平等の切り札か―「癒しの道具」にさせないために(竹信三恵子)
第4章 財政とベーシックインカム(井手英策)
第II部 世界のベーシックインカム
第5章 ドイツにおけるベーシックインカム(森 周子)
第6章 フランスにおけるベーシックインカム(小澤裕香)
第7章 スイスにおけるベーシックインカム(小谷英生)
第8章 韓国におけるベーシックインカム(孔 栄鍾)
第III部 ベーシックインカム論再考
第9章 ベーシックインカムと制度・政策(森 周子)
第10章 ベーシックインカムと自由―貧困問題との関連から考える(志賀信夫)
第11章 ベーシックインカムと資本主義(佐々木隆治)