とりかえっこ (絵本のせかい 21)

  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (35ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591005187

感想・レビュー・書評

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  • 2024.4.10市立図書館
    さとうわきこさんの訃報を聞いて、ばばばあちゃんやせんたくかあちゃん以外の作品も少し読んでみたくなって、追悼読書用に借りてきた。これは文章だけで、絵は昔話などでもおなじみの二俣英五郎。1978年にでたロングセラーだけれど、わたしも子らも御縁がないまま今日まできてしまった。
    ひよこが出かけた先々でであった相手と鳴き声をとりかえっこしていくだけのシンプルな展開で、絵を読むのが楽しい作品。最後もとくにめでたしめでたしというオチはなく、このあとどうなるのだろう、と気になる感じで終わる。絵はほのぼのかわいいのに、けっこうシュール。

  •  ゴールデンウィークに入ってから、いつもの図書館では絵本のイベントが盛んに行われている影響か、絵本の特設コーナーでは、いつまでも読み継がれるであろう名作特集(と、私は勝手に解釈している)を展開しており、本書(1978年)もそこで初めて知りました。

     「とりかえっこ」というタイトルを聞いて、果たして何をとりかえっこするのか、想像するのも楽しそうだが、さとうわきこさんの発想には、子どもたちも思わず真似したくなるような面白さがある上に、しかもそれをすればするほど、更にのめり込んでしまう魅力もある、シンプルだからこそ、より実感できるアイデアの素晴らしさがいい。


     ある日、ひよこが遊びに出掛けた先で会った、ねずみさんに、「なきごえ とりかえっこ しようよ」と呼びかけると、入れ替わるのは、「ぴよ」と「ちゅう」の鳴き声で、以後、ねずみは「ぴよぴよ」と、ひよこは「ちゅうちゅう」と鳴きながら先を行っては、また出会った動物ととりかえっこするので、この動物は、普段こういう鳴き声するのが当たり前だと思えば思うほど、そのずれた感覚が面白く、時にはそれが大きな力に変わることもある。

     そうした点から、動物の鳴き声というのは、それ自体の存在を強くアピールする名詞的な役割を持つ上に、言葉自体の持つ、見えない力の存在まで実感させられるように思われた、そんな不思議な神秘的効力は、まさに言霊そのものである。

     また、二俣英五郎さんの絵には、のどかで懐かしい和の雰囲気と、横長の絵本のサイズから、絵巻物のような印象を抱き(所々、二本足になっているのが鳥獣人物戯画のカラー版といった感じで)、その中で動物たちや自然の風景が、ほのかに光を纏ったように見える描写に、絵本全体にほんわかとした温かみが宿っているようにも思われた親しみやすさは、ページを捲る度に増えていく、右下の、コマ送りされたようなひよこの絵も同様で、本編と共についつい見てしまう。

     そして、本編は本編で、ひよこをメインに展開しながらも、他のとりかえっこした動物たちのその後も気になってしまう、そんなサブストーリーを想像してみるのも楽しそうな本書は、『第1回絵本にっぽん賞』受賞と、記念すべき絵本でもあり、その鳴き声だけに着目したシンプルさで、読み聞かせというよりは必要最小限の言葉だけで、後は絵が状況を語りながら、更に想像力次第で楽しみ方は如何ようにも変わる、そんな絵本を、今の子どもたちはどのように感じ取るのか、気になるところ。

     ちなみに、「絵本にっぽん賞」は、日本国内で出版された絵本を対象として、1978年から92年まで続き、一度途切れたものの、1995年からは、「日本絵本賞」がそれを引き継ぐ形で、公益社団法人全国学校図書館協議会が実施しており、今年も(第29回)発表されると思われます。

  • 小学生の頃、滅多に笑わない友達とこの絵本を一緒に読んで、その友達がすごく楽しそうに笑いながら読んでいるのを見て「絵本って人を笑顔にする力があるんだ!」と気付かせてくれた1冊。

    散歩に出掛けたひよこちゃんが行く先々で出会う動物たちと鳴き声を交換していくという内容。
    とってもシンプルな内容だけど、私にとっては大切な事を教えてくれた1冊です。

  •  ひよこがあそびにでかけ、出会った動物たちと次々となきごえをとりかえっこしていきます。大きなねこもしっぽをまいて逃げていきますが、その理由は・・・。
     ひよこがなきごえをとりかえるという意外性が楽しく、なきごえの繰り返しが小さい子から楽しめる本です。

  • ひよこが色んな動物達と鳴き声を取り替えていく、とてもシンプルな作品だけど可愛い。
    二俣英五さんの絵がその優しい世界観を広げている。
    最後には亀の鳴き声になったひよこ。亀の鳴き声?それがとても良い。

  • 発想が面白い本でした。
    不思議な世界観で3歳の娘も理解するのに少しだけ時間がありましたが、笑って見てました。
    紙の質感も他にはなかなか無いので、感触とともに楽しみました。

  • 2歳4ヶ月
    レトロな雰囲気。読んでいる最中はさほど反応なかったものの立て続けに5回くらい読まされた。

    食いつきの良い絵本はいくつかパターンがあるように考えてます。その中でもこの絵本は①ことばの繰り返し②絵本の端々にストーリーとは関係ない小道具がある(主に虫)が該当していて、満足なのかも。

  • 鳥が歩く所が可愛い

  • 次女が貸出しで借りてきた。ひよこ好きだからね。小さいものが好きなんだよね。小動物とか。表紙のかわいいひよこが、遊びに行ってくるよと出かけ、行く先々でとりかえっこ。何をとりかえっこするのかなと思っていたら、鳴き声なんだね。ひよこの声が、けろけろとか、わんわんに変わっていく。後ろでびっくりしている動物たちの様子も楽しい。最後はかめととりかえっこするんだけど、その後どうなっちゃうんだろう。お母さん不思議がってたけど、はたして…

  • 知人がこの絵本が好きだと言っていたので、図書館で借りた

    ひよこが、あそびに行く道で出会う動物たちと、鳴き声のとりかえっこをしていくおはなし
    そのままとりかえっこをしてどうするのかな?と思った頃に、おもしろい展開がある
    とりかえっこした動物たちが、二足歩行になるところや、まわりの動物たちがきょとんとした表情をするところが、おもしろい
    鳴き声をよく真似して読み聞かせると、楽しいと思う
    最後とそれからがちょっと不安だ

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著者プロフィール

さとうわきこ 東京に生まれる。児童出版美術家連盟所属。絵本『とりかえっこ』(ポプラ社)で第1回絵本にっぽん賞受賞。現在は長野県の岡谷市と八ヶ岳で「小さな絵本美術館」を主宰しながら、絵本の創作に従事している。「ばばばあちゃんの絵本」シリーズ以外の主な絵本には、『ちいさいねずみ』(借成社)、『おつかい』『るすばん』『せんたくかあちゃん』『くもりのちはれせんたくかあちゃん』(以上福音館香店)、『わっこおばちゃんのしりとりあそび』(童心社)などがある。長野県在住。

「2019年 『ばばばあちゃんのおはなしセット(10冊)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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