きれいな絵なんかなかった: こどもの日々、戦争の日々 (ポプラ・ウイング・ブックス 11)
- ポプラ社 (2002年12月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591074237
作品紹介・あらすじ
第二次世界大戦中、ナチ占領下のポーランドで、ばあやに守られ弟とともに逃亡生活を続けたこどもの日々-。強制収容所で生きのび、戦後、スウェーデンで送った多感な少女の日々-。世界中で愛されている絵本作家アニタ・ローベルが、驚異的な記憶力で、自らのこどもの日々を鮮やかによみがえらせて綴った心の記録。ナショナルブックアワード・ファイナリスト、全米図書館協会YA部門最優秀賞受賞。
感想・レビュー・書評
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アニタ・ローベル | いわさきちひろ記念事業団 公式サイト
https://chihiro.jp/foundation/collection/anita-lobel/
きれいな絵なんかなかった|YA|本を探す|ポプラ社
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幼い子どもの目線で書かれた手記も少ないのでは。しかも家族全員ホロコーストを生存しているため、ドイツ敗戦後の歩みも興味深い。
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絵本画家アニタ・ローベルの自伝。
裕福なユダヤ系ポーランド家庭に生まれた「わたし」が5歳のときに第二次世界大戦が開戦。父さんはロシアへ逃亡、母さんは非ユダヤであるという偽造書類をもっており、「わたし」と弟はばあやにかくまわれポーランド各地を点々とします。敬虔なカトリック信者であるばあやは、キリストを殺めたとユダヤ人を嫌悪しているにもかかわらず2人を見捨てずに献身的にかばい続けますが、5年目にとうとう捕まって姉弟は強制収容所へ。飢えと病気に苦しみながら終戦を迎え、スウェーデンへ送られ、療養をし、父母と再会します。
祖国ポーランドではカトリックが主流でユダヤ人差別が歴然とあり、ずっと自分が「汚らしいユダヤ人である」と思いこんで成長した主人公が、スウェーデンでの生活でその呪縛から解放された様子が哀しく切なくなりました。
最善の方法だったのかもしれませんが、両親がばあやに子供を託しっきりで、それでいいのか?と思いました。
少女時代の写真にあるリボンをつけたローベルが彼女の描いた絵本『アンナの赤いオーバー』の少女とそっくりだと思います。