立原道造 (花と言葉の詩画集 2)

著者 : 立原道造

• ポプラ社 (2004年3月1日発売)

感想・レビュー・書評

[ちえさんの感想 · 2007年8月11日]

道造さんと高校の教科書以来で再会。人に薦めてもらって読んでみたら、とても良かった。優しくて繊細な景色と、満たされる心。読んでいると、心がゆったりくつろいでいく。そして、ときめく。最期の病床で友人に「５月の風をゼリーにして持ってきて下さい」と言ったそう。生まれて死ぬまで、ずっと詩人だったんだろうな。

著者プロフィール

1914年、東京生まれ。先祖には水戸藩で『大日本史』を編纂した儒家の立原翠軒がいる。旧制一高から東京帝国大学建築科に進んだ。13歳ころから短歌や詩を書きはじめ、高校では手製の詩集「さふらん」を作成。大学では同人雑誌を創刊し、小説や短歌を発表した。学業でも在学中に辰野金吾賞を3回受賞するなど将来を嘱望された。37年に卒業し、建築士として建築事務所で働きながら詩作に打ち込む。堀辰雄、室生犀星に師事し、音楽的に構成された繊細な十四行詩型（ソネット）を作り出した。37年に第一詩集『萱草に寄す』、『暁と夕の詩』を刊行するが、同年秋から体調をこわし、39年3月に結核性肋膜炎のため24歳で死去。入院中に第1回の中原中也賞を受賞している。34年に訪れた信濃追分の風景を愛し、多くの詩の背景としている。作品は前期のほか、没後に堀辰雄が編纂した『優しき歌』が47年に刊行、全集は戦後、数回出されており、筑摩書房が全5巻の全集を刊行。

「2023年 『無伴奏混声合唱組曲　春が来たなら』 で使われていた紹介文から引用しています。」