学校のセンセイ

著者 :
  • ポプラ社
3.66
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本棚登録 : 378
感想 : 87
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591097670

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で借りたもの。

    淡々と。
    「先生」って名の付く人はどうしても特別な人だって、私は思ってしまうんだけど、実際はそんなことないんだな。

  • 主人公の一人称で話が進んでいって、たいていの人間ってそうだよなあ、と読んでて思った。先生だって生徒に好き嫌いはあるし、それを出さなきゃいいんじゃないのって思うよねえ。坪井君とか優花ちゃんとか、実際そこらへんに居そう。先生の話に焦点を置きつつも、高校生の内情みたいなのも出てて面白かった。好きな先生にやたら質問するのは分かるけど、気を引きたくて手首切る、っていうのはさすがに驚いた。本人もそんな大事になると思ってなかったんだろうな。リスカの一種のファッション化、みたいなものを思った。主人公はいい意味でキャラ立ちしてないというか、個性がないことが個性、みたいな?フツーにどこにでもいそうな教師で、生活の中にありふれた困難があって、なんとなくそれらに対応していくうちに、ちょっとずつ心情の変化が起こるという。突然熱血教師になる訳でもなく、傍目からは分からない程度に変わっていく過程がリアルで、心情ダダ漏れ系一人称の上手いところが存分に生かされている、と感じました。だらだらした文章なのに、引き込まれると言うほどではないにしろあっさり読み終えました。那由多のキャラクターが良かった。'16,4,6 図書館

  • 全てにおいて面倒臭がりな高校教師桐原。

    学校の先生、生徒、女友達・中川や近所のカップルとの関わり合いを持つ通じて、ただの面倒臭がりから一歩も二歩も踏み出していく様子を描いている作品。

    小枝との今後の関係はどうなるのか…

  • 桐原一哉(きりはやいちや)は、名古屋の私立高校の二年目の社会科教師。今年度は、年下だけど先輩の永野先生(女性)と一緒に副担任を務める。
    特に先生になりたくてなったわけではなく、たまたま家から離れて地方の先生となった一哉はなにごとも面倒だと考え、冷静にこなす。一方まわりのすべてを受けとめ、気を遣う永野先生。
    クラスには、一哉に恋する若竹優花、先生に対して品のない言葉でからかう佐藤那由多とその仲間たちなど目立つ生徒もいて、彼らへの対応の仕方で先生としての力が試されていく。

    そして私生活ではスウィンギングロンドンスタイルを通す月森小枝(つきもりさえ)とその高校生の彼氏大沢涼(おおさわりょう)とのかかわり、名古屋唯一の知り合いでのみ友達の中川亜由美とのつきあいが、一哉を支えている。
    さえないジャージ姿の理科教師溝口先生につっこまれて落ち込んだり、ハンドボール部の坪井とはなんとなくつきあいやすかったり、「先生」も普通の人だというのがよくわかる。
    「センセイ」が「先生」になっていく様子が描かれている、という感じかな。

  • ★3.5

  • この歳になるとわかる。先生って本当に普通の人。教職についている友人が何人かいるけど、いたって普通の人。丁度主人公と同じ世代だからこそ余計にそう感じるのかも。人間関係の奇妙なグダグタさもリアリティーがあって良い感じ。主人公が若者男子ってことで感情移入はしにくかったかな。2012/236

  • なんとなく高校教師になった桐原は、本音でぶつかり合うことをせず無難にその場しのぎでやり過ごしていた。

    近所で知り合ったど派手なファッションの小枝と高校性の涼。
    飲み仲間の中川。
    生真面目な永野先生に子供っぽい吉田先生。
    桐原が手を抜いていることを見抜いた溝口先生。
    扱いやすい生徒と、扱いにくい生徒の対応。

    子供に対する大人の対応。
    子供だからといってまともに相手にしないのはよくない。

    若竹という生徒が自分の気持ちに気づいてくれない桐原に腹いせで手首を切ってしまうとか
    安易すぎるだろ萎える)^o^(

    瀬尾まいこみたいな雰囲気だったかも〜)^o^(

  •  自分が生徒だった時には思い至らない、先生も普通の人なんだ・・・と改めて気付く。あんまり熱血だと確かにうっとうしかったかも・・・ほどほどに距離を取りつつ、でもラストには先生らしさも見れました。先生もいろんな生徒に出会い、経験を積むことによって、良い先生になっていくのかな

  • 特に熱意もなく名古屋の高校の社会科教師になった桐原は,
    恋も仕事もそつなくこなすだけだったが,
    向かいのアパートに住む派手な色の服を着た小枝と会ったのをきっかけに,
    少し変わる。

    あまりリアリティはないが,読みやすく,心地よい。

著者プロフィール

1979年生まれ、愛知県出身。2005年 『はるがいったら』 で第18回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。11年に上梓した 『タイニー・タイニー・ハッピー』 がベストセラーとなり注目を集めた。他の著書に 『君は素知らぬ顔で』(祥伝社文庫) 『女の子は、明日も。』 『砂に泳ぐ彼女』 など多数。

「2021年 『そのバケツでは水がくめない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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