崖の国物語 9 (ポプラ・ウイング・ブックス 36)

  • ポプラ社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (533ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591104798

作品紹介・あらすじ

憎い敵、母と兄たちを殺したタルボット・スミールが生きていた!飛空騎士見習いクウィントは、父である空賊船長・風のジャッカルとともに、空賊船ゲイルライダー号で、つぎつぎと卑劣な罠をしかけてくるスミールを追う。恐ろしい断崖で、水門の塔で、奴隷市場で、危険な難破船で…。憎しみのあまり冷静さを失っていく父のようすに不安をつのらせるクウィントは、はげしい嵐のため、大切な友人マリスと二人きりで深森に取りのこされてしまう。一方、地上町では、商人連合議長の恐ろしい陰謀が進んでいた-!のちに空賊船長・雲のオオカミと呼ばれるクウィントとマリスの若き日の冒険譚。

感想・レビュー・書評

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  • 復讐の鬼と化してしまった
    風のジャッカルが息子すら信用できずに
    悲しい運命に遭うまでの悲しい作品です。

    そう、きちんと読んでいれば
    ある人物が糸を引いているのではないか?
    という疑惑は容易に浮かび上がってくるのです。

    そして、それは仲間たちが見せる
    その人物への悪印象で
    確信へと変化していくのです。

    確実にフラグを引いていく展開が
    悲しいものに写ることでしょう。
    でもね、復讐にこころが向きすぎると
    人は狂ってしまうのです。
    成し遂げても暗黒面に堕ちない人は
    いることはいますが。

    そして、その陰に隠れる形で
    空賊を排除しようとする
    商人連合が暗躍していきます。
    よりでかい浮遊石を求めていたのは
    この排除をなすためだったわけで。

    次の作品はこの作品の1.5倍の内容に
    なります。
    楽しみだな。

  • 父のジャッカルが迎えにきたので、マリスとともに空賊船ゲイルライダー号に乗りこんだクウィント。ゲイルライダー号の元補給長で、ジャッカルを逆恨みして妻と息子たちを殺したタルボット・スミールが生きていたという情報を知り、スミールを追う。
    激しい嵐にあい、嵐が去るまで船を降りてやりすごそうと、まずクウィントとマリスが下船したら、稲妻が落ちゲイルライダー号は風にまかれて嵐の中へ流されていってしまった。深森に取り残されたふたり。朝になるのを待ちテツノキを探して深森をさまよう。

    久々に深森に棲む生き物たちが登場します。毎回クリス・リデルの絵がいい。4巻8巻9巻となるクウィントの物語3部作の完結です。

  • 図書館で借りました。

     児童書。ファンタジー。異世界。
     トウィッグ(1-3巻主人公)の父、雲の狼と呼ばれたクウィント(外伝では主人公)の青年時代の物語。
     浮遊石は健在でありし頃の物語。

     表紙は不気味。キィになる人物。

     タルボット・スミール。それは、クウィントの母と兄たちを焼き殺した、憎い仇の名前。
     そいつが生きていたことを知った、クウィントの父は憎しみに駆られて、冷静さを失ってしまう。
     しかし、それは巧妙な罠だった。

     空賊がどんな仕事をしていたのかがわかる。
     ほとんど、輸送屋ですね。
     
     不気味な生物たち。チスイガシに、アブラヅタ。恵みおおき、巨大なテツノキ。

     過酷な物語。児童書にくくってよいのかなー、これは。
     父が船長を勤める船、ゲイルライダー号の乗組員達は一癖あるが、みんな気持ちがいい。
     なのに、一人、また一人と死んでいく。
     そうして父親まで。
      
     地上町の商人は、空賊を根絶やしにしようと、巨大な飛空船を作り上げる。
     だが、あんまりにも威張り散らしたので、浮遊石に致命的な細工をされて、船は沈む。

     冒険活劇であり、クウィントとマリスははらはらさせられながら、なんとか平穏な生活を取り戻す。
     一応、これで終わりなのかな?
     クウィントが息子を捨てたいきさつまで、まだ描かれていないけれど。 

  • 原題 / The Edge Chronicles : CLASH OF THE SKY GALLEONS (2006)
    装丁 / 鳥井 和昌

  • シリーズ全体としては7冊目になるのかな〜友・マリスと共に乗った父・風のジャッカルの船・ゲイルライダー号は石切場であった崖の地に向かったが,そこには母や兄たちの仇であるタルボット・スミールが仕掛けた罠があった。損傷した宙駆船は地上町に戻って修理されるが,持ち掛けられた商談は貴重なチスイカシを深森から持ち帰ることだった。それとは別に補給長がもたらした儲け話はオオモズの奴隷市場に蝋燭を持っていくことであった。父は何故,仇を持つことになったかを語り,罠だと知っていても乗らざるをえないことを聞かせる。オオハグレクマ一人を手下に持つ若き空賊・ソウ・ダガースラッシュが一行に加わるが,陽気な空賊は船長殺害に成功するが,船長としては認められず,執念深く商人連合と空賊との一大決戦に連合側として加わり,雲のオオカミことクウィントから飛空船を奪おうと謀る。それを阻止したのは虐待され,大怪我を負っていたオオハグレグマのハグルであった〜クウィントとマリスの物語が終わらないと,その子が何故,深森のトロルの一家に遺されたかが解らないので,神聖都市に戻った二人が如何に居られなくなったかが語られないといけない。それが大団円の次巻の課題だ。・・・まだ整理ができないんだよね,読んだのが随分前過ぎてね

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