- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591120934
作品紹介・あらすじ
多額の借金を背負ってしまった学生の緑朗は、多額の報酬を謳った求人に応募する。依頼人は緑朗を見て「君ならば私を愉しませてくれそうだ」と笑う(「遊郭の少年」より)。
短篇にエッセイ、特製「豆蔵辞典」、読み違え少年詩歌集……長野まゆみワールド満載の名著が、待望の初文庫化!
感想・レビュー・書評
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再読。長野まゆみさんの少年観がよく分かります。
少年観、美少年観が至極真っ当です。ヴィスコンティの映画…って書かれてるからビョルン・アンドレセンさんのことでもあると思う「まつりあげられたほうは、さぞ困惑したことだろう」って記述で、長野さんはやっぱり信頼できると思いました。単行本で出版されたの2001年っぽいのにその頃からこれか…さすが。先日、ビョルンさんのドキュメンタリー観たのですが『ヴェニスに死す』から『ミッドサマー』に至る現在までずっと困惑してるし「自分を俳優だと思ったことはない」って仰っててつらい……脱線しました。
葛原妙子さんと塚本邦雄さん、北園克衛さんの作品をもっと読みたくなりました。
長野さんの描く少年はひとつの美だけれど、確かに物語の中にしかいない。他の作品にも、長野作品と同じ世界に生きてるな…という少年はいるけれど、現実には居ない。そりゃそう、傲慢と紙一重で気高く、友人はいるけど気質は孤高で、粗野だけど下品ではないという振る舞いが自然と身に付いているのはかなり難しいです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ところどころに入っている長野さんの絵が素敵。
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少年、という響きは何か良い。長野まゆみさんの描く少年は皆美しい。あの感性が凄くツボだ。
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長野先生ワールド全開で面白い!のだけれど、自分にもっと本書で語られるものに造詣があればと思わずにはいられないので星4つにしておく。
もう一回出直したいと思う。 -
つまり、どーゆーこと?
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短歌の「BL読み」があるとのことで、ツイッターで勧められ購入。
初めて読んだ長野作品であり、これがきっかけで彼女の作品と、彼女の少年ワールドにどっぷり嵌まってしまった。
少年の自作辞典、という名目で彼女の世界を構成する要素が集められた一章が印象的で、「こういうのがあるんだなあ」と、夢中になって読んだ。 -
ふわふわとした浮遊感漂う浮世話。
それに耐えられるかどうかで評価で変わるのではなかろうか。 -
特製《豆蔵辞典》の3兄弟が面白い。
特に愚かな方の兄が好きでした。
「日交ぜ」一日置きに、という意。
消してしまわぬよう、おおいに使いましょう。 -
エッセイが一番面白かったです。
濃密な一冊。 -
長野さんのいろいろが入った一冊。なかなかのボリューム。
一番おもしろかったのは最後の方のエッセイで、美少年について語ってるもの。長野さんにとっての美少年がどういう存在であるのか書かれていて、うんうんと頷いてみたりへええええと感動してみたり。
美少年なんてそうそう実在するもんじゃない、美少年は完璧なんだ、だから書くんだ、と。やっぱり少年いいわと再確認。