- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591123928
作品紹介・あらすじ
祭の島、竹富島では、女は踊り男は狂言を舞う。最南端の波照間島では、さらに南にあるという、伝説の楽園を目指す娘がいた。八重山諸島の八つの島々にはそれぞれ異なる色、唄、物語がある。そしてすべてはひとつに織り上げられていく。
感想・レビュー・書評
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トロイメライの続きが読みたいなー。と思って、本屋に行くと本書を発見。何も考えずに購入しました(笑)
最近、池上作品は琉球王朝時代が続いていたのですが今回は一気に現代へ。八重山諸島の島々伝わる話を、現代版に置き換えファンタジックであり、八重山のリアルでもあるような。日常にあるファンタジーというような作品です。
沖縄の人なら知っている元ネタがたくさんあり、読んでいて楽しかったです。
もちろん、そういう事を知らずに読んでも楽しい作品。
各島々がタイトルになったオムニバス形式の小説。
気に入った小説は何度も読み返す方なので、一度目は一気に。二度目は寝る前に、一つ一つ読んでいました。
三回目に読み終える事には、石垣島への旅行を考えていました(笑)
特に好きなのが与那国島編。池上さんのレビューを合わせて読むと、またこの物語の面白さが深まるかも。
『ナツコ 沖縄密貿易の女王』http://www.bunshun.co.jp/yonda/onnakaizoku/onnakaizoku.htm
それにしても、自分の地元をこんな風に書き上げる池上さんに感謝。詳細をみるコメント2件をすべて表示-
tetsu555さんこんにちはhikaru0326さん、花丸ありがとうございます。池上永一氏の本って島への愛情たっぷりでとても心地い楽しさがありますよね♪私も大...こんにちはhikaru0326さん、花丸ありがとうございます。池上永一氏の本って島への愛情たっぷりでとても心地い楽しさがありますよね♪私も大好きです。2011/07/01
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hikaru0326さんtetsu555さん、コメントありがとうございます。池上作品は、癖はありますが読んでいて景色が浮かんでくる作品が多くて、好きなんです。最近は...tetsu555さん、コメントありがとうございます。池上作品は、癖はありますが読んでいて景色が浮かんでくる作品が多くて、好きなんです。最近は、ますますまとまりが上手くなってきて、これからも楽しみな作家さんですね2011/07/22
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八重山諸島は石垣島の分影・・・石垣島(イシャナギゥ)を親島に紡がれていく八重山諸島八島のお話です。池上永一氏の手にかかると八重山の神々はお茶目で人間臭い、そして八重山の風土と魅力がワハハと綴られている、それぞれの子島のお話は八重山人の土地柄や性格が素朴に書かれていて読む側にも八重山方言の ”だからよ~” と言う感覚がよくわかります。竹富島(タキドゥン)波照間島(パティローマ)小浜島(クモー)新城島(パナリ)西表島(イリウムティ)黒島(フスマ)与那国島(ドゥナン)、島々の神と信仰には八重山のシャーマン文化そしてシャーマニズムが島歌の歌詞と相まって、なんともいえない南島の独自の雰囲気を楽しむことができました。中身はタイトルの ”統ばる島” そのものでした 。
読後感=ムムッ・・本作には謎の人物 ”北崎倫子”が出てない・・”ダカラヨ~” ・・・・ -
八重山列島で巻き起こる出来事を描いた物語。
それぞれの島で、様々な出来事があたかもそれぞれ独立して起きているように見えますが、最後に「あ!」という事になりますw
今の出来事、昔の出来事、いつの出来事かわからない出来事、いろいろ置きますが、最後にはまとまるんですね。 -
八重山諸島の島々を舞台にした連作短編集。昔の話から現代の話まで、いずれも島の神の神威や人魚などの異族との交流が日常生活とシームレスのように描かれます。島での祭事の描写もふんだんにあり、神様との距離感が本当に近い。軽いタッチですが、八重山諸島のただならない聖域感が伝わります。本土では味わえない雰囲気がこの小説の魅力です。
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図書館で。
八重山諸島それぞれのお話。ちょっと不思議な、でも懐かしい感じがおとぎ話に似てもいるけれどもその雰囲気がいまだに存在しそう。石垣島と竹富島には行ったことがありますが海が綺麗だったな。
最初の芝居が人生、というのも中々衝撃的でしたが最後の人と人を繋ぐ石垣のユタの話が面白かったです。知らない所で繋がっているのは人の世界も、霊的な世界も一緒なのかもしれない。骨を洗う、というのは壮絶なものを想像しますがこんな風に穏やかなのかなぁ。そういえば台湾の方も洗骨の風習があると聞きましたが確かにあちらにしてみたら日本列島よりも台湾や大陸の方が近いのかもしれないですね。
ジュゴンの話は寂しい話でしたが中々面白いお話揃いでした。やっぱり沖縄が舞台のお話は際立っていますね。今度またエッセイを借りてこようかな~ -
八重山の島の話なので、思い出せて面白かった。
現代ものなので、こんな感じかぁ。 -
八重山の各島々をカテゴリー別にわけ、その島々に伝わる言い伝えや民謡、文化的背景を物語に織り交ぜながら、島々の特徴を上手く描き出し、池上氏独特の世界観で八重山の島々を見せてくれる。
良い作品でした。 -
面白かったー(*^^*)
果報も悲報もすべて繋がってる。
この世にある。
歴史物でちょっと空回ってた池上節が、戻ってきてると思う。
これからも、こんな良作待ってます♪ -
知っている身近な島。最後の章は素晴らしかった。
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今日は寒かったのでこんな常夏の物語なんて読むのに適してますね。沖縄の色んな島で出会うちょっと不思議な短編集。最後はすべての物語が一つに繋がります。池上さんらしい、人によっては「軽い」と思わせてしまうかもしれない、くすっと笑える文体が私には心地よかったです。沖縄いいな~。いつか行ってみたいな~。でも現地の言葉は何言ってるんだか分かんないんだろうな。そこがまた好し。
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竹富島、波照間島、西表島、黒島、新城島、そして石垣島。
八重山諸島の島を舞台に、一島、一つの話で構成された短編集ですが、最後の石垣島で全ての話が繋がる、見事な構成の本です。
どの島の話も、その島の特長があり、その島の歴史をベースに書かれていて、読んでいる間、島を旅している気分でした。
話の時代は、現在もあれば、琉球王朝のものもあります。
でも、最後に違和感なく繋がるのは、観光地化されても、まだ昔の風習を色濃く残している八重山が舞台だからでしょうか。
全てがハッピーエンドな話ではないけれど、それもまた、八重山らしい話です。 -
八重山諸島の8つの島のそれぞれを舞台に紡ぎだされる連作長編。いずれも、その島の置かれた位置や自然環境、歴史や文化を背景に物語が語られてゆく。そこに共通するのは神々と人との共生であり、島の持つ独特の暖かみのある風土感だ。1話1話に籠められた作者の、島々とそこに暮らす人々とを慈しむ心が読者にもしみじみと伝わってくるようだ。もちろんガイドブックではないのだが、実に最高の八重山案内たりえているだろう。物語としては、出来過ぎの感もあるが、小浜島や黒島はとりわけ感動的だ。また、最後に石垣島を配した構成も成功している。
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八重山諸島の八つの島々を舞台にした伝説のような物語たち。知っている島も知らない島も、新たな面を見せてくれる。
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八重山諸島に伝わる伝説と現在の話。
池上永一らしい話の展開で目新しさはないのだが、
自然豊かな諸島とそこに住まう人々が羨ましい。
小話集で、それぞれの話で1つの島を取り上げている。
何だかんだあってもほんのり涙してしまうのもやっぱり池上永一らしい。 -
八重山諸島の八つの島を舞台にした連作短編集。不思議な話だったり普通の話だったり、出来はバラバラ。小浜島の話が一番好き。
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沖縄は異文化を感じることができて大好き。テンペストのような読後感はないが、八重山諸島のそれぞれの特徴も分かって気軽に楽しめる。