- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591124819
作品紹介・あらすじ
「万寿子さんの庭」が大ヒットした黒野伸一さんの、文庫書き下ろし!
グルメと温泉を楽しみながら、遺言を書いてみませんか?
川内美月はイベント会社の新人社員。温泉旅館に宿泊して遺言書を書き上げるという思いつき企画が、なぜか通ってしまい、湯河原の温泉で「2泊3日遺言ツアー」を立ち上げる。
でも、参加者はたった4名。しかもツアー当日、トラブルが続発、美月は一人で初めてのツアーを仕切る羽目に。
個性豊かな客たちに振り回されながらも、それぞれの人生の物語を少しずつ理解し、「遺言書」を書くことの本当の意味にも気づいていくのだが、事件が次々に勃発して、ツアーは大混乱!
遺言書へのそれぞれの思いを描きながら、家族や人生のことを、しみじみ考えさせる物語。
黒野伸一【くろの・しんいち】1959年、神奈川県生まれ。2005年、「ア・ハッピーファミリー」(文庫化の際『坂本ミキ、14歳』に改題)で、第1回きらら文学賞を受賞し、デビュー。著書に、『万寿子さんの庭』『幸せまねき』『ジョシカク!』『かもめ幼稚園』などがある。
感想・レビュー・書評
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主人公の美月は2泊3日のツアーのうちに何が何でも参加者全員の遺言を完成させようと焦っていましたが、途中から傾聴に重きを置くようになります。
そうすると一癖も二癖もある参加者から、遺言作成の手掛かりになりそうなことを徐々に聞き出すことができるようになりました。
何でも押しつけではなく、ゆったりと構えて聴く姿勢で臨めば、相手も自然と胸の内を打ち明け、頭の中を整理していく方向で事が運ぶのだと感じました。
2泊3日で遺言を書き上げるのはさすがに難しいと思いますが、非日常の温泉に入って、リラックスして大切なことに思いを巡らせるのは、なかなか有効なことなのではないかと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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テレ東とかの2時間ドラマには丁度よいかなと思った。入浴シーンあるし。この人誰だっけみたいな役者さんたちでやってそうな感じがした。
なんだか軽い本が読みたい気分だったので、とても満足できた。面白く読めた。 -
イベント会社の思いつきによる遺言ツアーの小説。
少人数の個性ある参加者が物語を面白くさせる。
遺言書の勉強にはならないが、遺言書を残そうとする心情について、学ばされるものがある。
旅気分を味わいつつ、各個人の心情がとても面白かった。 -
タイトルにびっくりして読みました。中身はあっさりで頭の中をするっと通り抜けていきました。遺言ツアーはないかもしれないけど、面白いツアーは実際にいろいろありそう。温泉旅行に行きたいなぁ。
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本当は重たいテーマであるはずだけど,こんな軽いノリで遺言ツアーに参加してみるのも面白いかもしれない,と思わせるような話.
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いい話だった!
が、黒野伸一の中ではギャグとスカッと爽快感が薄い。 -
なかなか良かった。
★3.5ってとこかな。
就職活動に苦労して、やっと辿り着いた小さな会社で働く美月。
やる気は失っていないが、あまり仕事はうまくいってはいない。
そんなある日に、やけっぱちで出した企画案の「遺言ツアー」にgoサイン。トラブルの続出だが、壁にぶち当たっても、その度にどうすればいいかを考える美月。
これまでの仕事に対する自分の姿勢を反省して、成長を遂げる。
美月の成長もそうだけど、参加者の心の推移も興味深い。
そして人はみかけによらず、それぞれの痛みを抱えている。これは私も肝に銘じて、人に思いやりを持って接したいと思った。 -
先の読める、あまり深くない作品ですが、遺言ツアーという発想が面白かったです
萩原浩さんが書きそうな。。。
新人気分の抜けない川内美月さんが企画した遺言ツアー
参加者は4名
アクシデント続きで、一人で取り仕切ることになってしまう
難しい本を読んだ後にオススメですね! -
ツアー参加者と同じように?なんとなく怖気づきながら読み始めたはずがなんの!一気読みしてしまうくらい魅力的な話。あれこれ考えさせてくれたしホンワカさせてもらったし、ベンキョーにもなった。イイことづくめw