(006)本当は怖い小学一年生 (ポプラ新書)

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591136355

感想・レビュー・書評

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  • タイトルとは少し異なる内容でしたが、とても良い著書でした。
    小学生になったとたん、授業に集中できずふらふらしたり先生のお話を聞けなかったり。
    それは、家庭の問題として扱われてきたが、それは、学びのスタイルが古いからではといっている。そのスタイルへの抵抗がそういうサインとして表れていると。

    幼稚園や保育園ではたくさん遊んで興味好奇心を追求した遊びをしている。
    しかし1年生になると急に違うスタイルとなり、楽しく感じなくなる
    本当に怖いというのは、日本の教育の在り方だと。

    確かに授業がたのしければ、そんな問題起きないだろう。
    幼稚園や保育園の学びの方がよほど自発的で楽しい学びである。
    学びとは
    意味を覚えるだけでなく。体験を通して語義を一人称化して意味を体得していくもの。その体験により、感情や価値判断をしていく。
    潜在的な可能性は、私はこれが好きというこだわりがあるか、無垢である時間が大切。教育現場も無垢な環境が必要と言っている。

    また親の前ではいい子、過保護、経済格差、遊べない父親、おせっかいもまた問題。

    早期教育より、疑問を調べて何かを見つける力=知的体力が大切だと

    これからの情報化社会で必要なものは、
    知識た記憶、計算力は
    脳を活性化させるに習慣化すればよいこと
    でもこれが一生必要ではない。
    AIにできることはPCにお任せする。
    人間にしかできないのは感じること。
    面白いという気持ちを育てること。
    疑問を持つこと。
    絵の描き方、表現の仕方はみな違っていい。
    褒められること受けがいいことを基準にしなくていい。
    良い悪いでなく、自分で考え、工夫する姿が一番素敵。
    子供を肯定に自分で自主性を育て、考えられる子供にすることや親には必要。
    不思議、きれい、ほっとする
    そんな人間にしかもてない感情や感性を、体験を重ねながら豊かにする
    学校はそんな学びの場にしなくてはならない
    。覚える、表現しなさいという一方的な指示ではなく
    何か素敵なもの、感動するものを見つけよう。それを自分で個性的に表現しようという
    教育が望ましい
    学ぶことは、遊ぶことと同じ面白いと気付ける
    ドイツの学びの工房が有名」

  • 賛同できない部分もあるがとても勉強になった。タイトルからいくと小一プロブレムで小学校の先生たちが大変…という視点だが,実際は違う。教育のシステムの問題,幼稚園での教育と小学校での教育のギャップなど,制度上の問題があると指摘している。
    家庭や子供のせいにしないのはもちろんだが,授業に関わる部分と教育のしくみに関することも勉強しなければならないと思った。

著者プロフィール

1947年生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。東京大学大学院教授を経て、現在白梅学園大学学長。東京大学名誉教授。こども環境学会副会長。専門は教育人間学。臨床育児・保育研究会を主宰。著書に『これがボクらの新・子どもの遊び論だ』(加用文男、加藤繁美氏と共著、童心社、2001年)、『「教育」からの脱皮』(ひとなる書房、2000年)、『はじめて出会う育児の百科』(小学館、2003年)、『世界の幼児教育・保育改革と学力』(共編著、明石書店、2008年)など。

「2009年 『子どもの遊び・自立と公共空間』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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