([ん]1-5)明日町こんぺいとう商店街2 (ポプラ文庫 ん 1-5)
- ポプラ社 (2014年4月4日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591139738
感想・レビュー・書評
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こんぺいとう商店街2弾目は、前作よりも胸の奥がチクリとしたり、ひりひりしたり、しんみりしたりするお話が多かった。
けれどやっぱり、この商店街のお店はどこも居心地が良いのです。
おまち堂のひじきにはちょっと泣けた。
栄養と思いやりたっぷりの料理には体だけでなく心も満たしてくれる力がある、はず。
水沢文具店もいいなぁ。
落ち込んだ時に元気の出るお話を書いてもらいたい。
欲しい言葉をくれる、といえば鳥吉のキヨちゃん。
こういう優しさ・友情に弱いのです。
人生の迷い道。行き止まりに見える時には益のあるアドヴァイスよりも、一緒に怒ったり泣いたり笑ったりしてくれる、ただそれだけのほうがいい。
そして一番気になるのは、カフェ・スルスのりゅんちゃんを巡る恋模様(笑)
第三弾が待ち遠しい♪詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
下町商店街を舞台にした待望のアンソロジー第二弾。
今回も心があったまる、人情に満ち溢れた一冊となっております。
藤谷治流落語な「古書卯月」。今作でベストグルメと勝手に思っている、色鮮やかなひじきの煮物が物語のキーとなる、あさのますみ「あったか弁当・おまち堂」。ペンとノートを買えば要望の話を書いてくれるという“オーダーメイドストーリー”が素敵だなと思った、安澄加奈「水沢文具店」。思いがけない再会の理由がちくりと切なかった、加藤千恵らしいほろ苦さの「台湾茶『淡月』」。
そして、今回の個人的なお気に入りワン・ツーは吉川トリコ「カサブランカ洋装店」、大沼紀子「やきとり鳥吉」。
シリーズ再登場の吉川さん、彼女らしい詰め込まれた小ネタの使い方がうまいね!今回もコミカル路線かと思いきや、独身老女の悲哀を感じさせ、寂しさが胸に沁みてくる。ラストはちょっと涙ぐんじゃいました。吉川さんの作品は色々読んでるけど、今までで一番好きかもしれない。
お初の大沼さん、脚本家として活躍していたというのも頷ける、物語の起伏のうまさ。今回はたまたまか、生き方に悩む女性主人公の作品が多かったけど、その中でも一番共感できました。焼き鳥にもいろんな部位があるのね、ソリレス食べてみたいです。
作品の枠を超えて、商店街のお店やキャラクターがゲスト的に登場するのが楽しみで♪第一弾のお店も勿論登場で、特に伊藤米店のおにぎりが大人気でしたね。
ああ、この商店街であれこれ飲み食いして買い物してまったり過ごしてみたい…という妄想が、ふくらむ一方です。 -
スカイツリーを見上げる下町の片隅にある、架空の商店街の物語、第2弾。
ファッションビルにテナントが入っている、とか、お菓子の箱にケーキのアソートが入ってる、とか、アンソロジーによってイメージはそれぞれだが、やはり、これはまぎれも無く商店街なアンソロジーだ。
家族や親戚のような、血の繋がりでもあるような不思議な統一感。
他のお店の話題が出たり、人物が出たり、ひとつの世界を作り上げている。
中でも伊藤米店のおにぎりの人気ときたら、スカイツリーもうらやむくらい?
幽霊が出たり、逃亡者が立ち寄ったり、商店街の人々に見守られて幕が下りたり、小さな事件を繰り返しながらも生活は続いていく。
どれも良かったけれど、「おまち堂」と「カサブランカ洋装店」が特に好き。
一軒目『古書卯月』 藤谷治
店を開いて10年。ある日、せどりのサイトウさんから押し付けられた、いわくつきの重たい辞書。
怖いはずなのにユーモラス!
オチも極めつけ。
二軒目『あったか弁当・おまち堂』 あさのますみ
スナックでバイトをする売れない漫画家。
お弁当に入っていた料理に、アシスタントを務めてくれた人を思い出す。
三軒目『水沢文具店』 安澄加奈
都心の小学校の先生をする水沢栞は、落ち着かない学級に自信をなくしかけていた。
ふと入った文具店では、ペンとノートを買うと、そこに主がお話を書いてくれるという。
四軒目『台湾茶「淡月」』 加藤千恵
女性週刊誌の編集をやめて台湾茶の店を出した沼野。
ある日、同じ編集部の学生バイトだった、10歳年下の女性が訪ねてくる。
五軒目『カサブランカ洋装店』 吉川トリコ
父の洋装店を引き継いで、姉妹で続けてきた、節子と妹の治子。
節子は独身、治子は出戻りで、二人きりの家族。
もう70を過ぎた。
六軒目『やきとり鳥吉』 大沼紀子
果穂と高校からの友人、キヨこと有吉希世子。
キヨは男に金を持ち逃げされ、一人で焼き鳥屋を営む。
果穂は、夫に年下の愛人ができて…
人生の苦さと、無条件で受け入れてくれる友の温かさをしみじみ感じる。 -
シリーズ第2弾。
スカイツリーを見上げる下町の片隅に、ひっそりと息づく商店街。
それが「明日町こんぺいとう商店街」
明日町こんぺいとう商店街を舞台にした6人の作家さんのアンソロジー。
『古書卯月』 藤谷治
『あったか弁当・おまち堂』 あさのますみ
『水沢文具店』 安澄加奈
『台湾茶「淡月」』 加藤千恵
『カサブランカ洋装店』 吉川トリコ
『やきとり鳥吉』 大沼紀子
大沼紀子さん以外は初読みの作家さんでした。 -
うっかりハマってしまったアンソロジー2作目。今さら気づいたけど、ヤングコーナーにあった割にターゲットは大人なライトノベルな気がする。違うのかな、高校生とかが「大人ってこんな感じなのか~」って読む本なんだろうか。最後の一作品なんてラストシーンに近い明け方の公園を思い浮かべてそれだけで泣いてしまいそうだった。
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1の方が好きですが、「あったか弁当•おまち堂」と「水沢文具店」はほっこりしました。
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こういう作品集もいいものですね。
今回も、どれもごく自然に寄り添ってくれるような優しさに満ちた作品でした。 -
ほっこりとして、それでいていくらかほろ苦い話。そうそう、生きていれば、そんなこともあるさ。
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未読の作家さんもいましたが楽しめました♪藤谷治さんだけちょっと違ったような…どれもほっこりするお話ばかりで大好きです☆なかでも台湾茶のお話は好きでした。原ちゃんの変貌っぷりに続きが読みたくなりました。水沢文具店は、わたしも物語を書いてもらいたいと思いました。平凡な主婦だけどどんなお話がいいかな☆吉川トリコさんはいつも女性がイキイキしていて元気印☆大沼紀子さんはいつもちょっと切ないお話。いやーこれはオススメです♪
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「あったか弁当、おまち堂」,「水沢文具店」が良かった。
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ちょっとさびれた商店街?
第1集から続けて、いやこんな商店街あったら人が溢れそうじゃやない?と思ってしまう素敵なアンソロジー。
今集も、初読み▶もっと読んでみようと思える作家さんにであえました。第3集も楽しみー! -
リレーのように他のお店の話題が出てきたりするのが嬉しいですね。もちろん前作のお店も健在です。2では視点がお店の主人や関係者ではないものが多かったからか、商店街の人々の繋がりは前作の方が感じられましたがこちらもとても良かったです。また、2の方が前向きな終わり方でもちょっと寂しい思いを運んでくる物が多かった気がします。でも自分がいっぱいいっぱいのときなどこの商店街に行けば絶対に癒されそうで、文具屋さんも台湾茶のお店ももちろんお弁当やさんにも行ってみたいです。残りのお店のお話も是非お願いします。
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アンソロジーで2巻(も3巻目も)出るのって、やはり人気があるからでしょうね。
今巻も、1巻や他のお話で出たお店や人がちらりと登場していて、それぞれの著者さん同士のリスペクトを感じました。
近所に、こんぺいとう商店街が本当にあればいいのになぁ。 -
一巻より若干暗め。好みでいうと一巻のほうが好き。きっと、自分の人生や考え方に近いものが多かったからかなぁ。これはこれで、たぶん共感する人もおおいと思う。
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ちょっと古びた商店街を舞台にした、複数作家による連作短編集。舞台を共通にして、色々な作家さんが色々な物語を作り上げているというのが面白い作品。店側が多かった1冊目とは異なり、利用する側が多かったのが2冊目でした。でも店やる人の話の方がなんか面白かった。台湾茶の話や文具店の話が。
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作家の個性がそれぞれの店の個性として出ていて、アンソロジーだからこその作品になってます。
店の数も増えて、魅力的な商店街だなぁと思います。 -
お弁当屋さんの「おまち堂」がいいなー。同じ商店街なので当然ながら前作に登場したお米屋さんのおにぎりやカフェの話題も出てきて嬉しい。
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アンソロジー数あれど、朝日町こんぺいとう商店街シリーズが大好き。
それぞれに素敵なお話だけど、この企画を立てた人にまず拍手。
ちょっとさびれた商店街を舞台にした、いろんな作者さんの手による連作・競作は、遠い昔のこんぺいとうのような味わい。
単に甘いだけでなく、いろいろ、いろいろあって、そして出会うなつかしい甘さの物語。
第3弾まで刊行されるってことは、好評なのかな。