(055)貧困の中の子ども (ポプラ新書 し 3-1)

  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591144589

感想・レビュー・書評

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  • 読んでほしい。どんな思想、考え方の人にも。

  • 日本の貧困問題について改めて考えさせられる本だった。制度面でも私たちの意識の面でも、もっと「子どもの貧困」に目を向けなければならないと思った。日本は財源が少なく、それぞれの世代の施策からお金を取り合いがちだが、日本の未来を考えると、子どもの支援に対して、もう少し財源を使っていくべきではないだろうか。
    また、本では様々な民間支援についても記載があり、私も自分にできることをやってみようと思った。

  • この本は下野新聞で連載された大型企画を書籍化したものです。栃木県で育った私にとって、作中に出てくるエピソードは身近な地域なものであったため、より身近なものとして考えられました。日本のおよそ6人に1人の子供が貧困状態で、その現状は目に見えにくく、社会の理解も乏しいということがわかりました。私は1人親ではありましたが、比較的豊かな家庭で育ったため、一つ一つのエピソードを読むうちに今までどれだけ私が恵まれていたのか自覚的になりました。現代の日本における貧困は命を繋ぐことは出来ても、困窮した生活を強いられていて、本来受けられるはずの教育や成長の機会、進学や就職の選択が損なわれています。自分が普通ではないと思うのは子供にとって本当に辛いことで、友達の当たり前が自分にはハードルの高いものだと思うと、友達と自分を比べてしまって、苦しくなってしまいます。本の中には、父親替わりの中学生や、昼夜働く女子高生、学費の取り立てに怯え、卒業間近に中退してしまう高校生など、正直同じ国とは思えないぐらい驚きました。具体的に何をすればいいのかは分からないけど、どうにかしたい、何か力になりたいという気持ちが自然と湧きました。貧困の中に置かれる子どもに罪がないのは当然ですが、親の責任だと断じることもできないということが、なかなか理解されないところだと思いました。副題の「希望って何ですか」は悲しい言葉だけれど、この言葉が子どもから言われたら、きっと私は言葉を濁してしまうと思います。子供が希望をもてる社会を作るためにどうしたらいいのでしょうか。私にはそんな大きな問いに答えられるほど知恵も知識もなくて、もっと勉強して色んなことを知るべきだと思いました。この本を読むことによって、私が今まで見えていなかった現実を知れて、大変勉強になりました。

  • この本に出てくる話がどれもノンフィクションであることに改めて思うところがあった。
    行き場のない「善意」がある。地域にあるこの力を生かさなけばならない。
    貧困の中にいる子に寄り添い続けることは難しい。でも寄り添う心を持つことは、きっとできる。
    2017.03

  • 絶対的ではなく、相対的な貧困が、子供から様々なものを奪っている現実について書かれています。生活することが精一杯で、勉強などその他のことに頭を回すことができない家庭。進学という道を断たれ、貧困の連鎖が発生する現実を、具体的に実際の家族を取り上げることで書かれています。問題があるのですと訴えられています。死ななければ良いのか。甘えなのか。読者にも訴えてくる内容になっています。
    一人一人に何ができるのか。それについても具体的に書かれています。少しずつでも動いて欲しいという訴えの現れている内容でした、

  • 新聞連載をまとめたもの。
    様々な事例と行政・NPO法人などの連携プレーが紹介される。

  • 社会が子どもの貧困に目を向けることから始まる。社会全体で子どもを育てるという視点が大切ということ。

    虐待されていないか、と考えるのはもちろん大切だと思うけど、それだけでは対応しきれないことがたくさんある。
    虐待の状況までいかなくても、貧困で苦しんでいるお母さんたち、子どもたちはたくさんいる。
    貧困の状態にないか、という視点でみれば、支援が必要な家庭は本当にたくさんあるのだろう。

    行政が出来ることは限られているからこそ、自治体と民間が協力して情報共有や支援ができる体制を可能にしなくてはいけない。

    社会から孤立する家庭が増えてしまわざるを得ない作りの世の中だからこそ、家庭により近い立場からの支援が必要となる。時には家庭に入り込むことも必要なのかもしれない。

    子どもは、社会にとって未来への財産なのだから、社会全体で守って育てていかなければならない。

  • 369.4

  • 子どもの貧困というのがようやく「可視化」されてきたのか、あるいは賃金稼得者生活モデルが崩壊するなかで貧困問題が増大してきたのか、原因は分からない。

    ただ比較政治が明らかにしてきたように、日本は企業に福祉を代替してきたために構造的に社会問題に対応しきれていない。

    対処療法でできることで何とかしている現場の奮闘を描いているのが本作。

  • 369

  • 子どもの置かれた環境や、それに伴う発達上の課題などが注目されるようになってきました。当書にはその事例が悲劇的なものから、明るさが見いだせるものまで様々な切り口から描かれています。これからたくさんの幅広い善意は、有機的なアクションにつながり得るのか、見て考えて動いていきたいなぁ。

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