晴れたら空に骨まいて

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591152423

作品紹介・あらすじ

どう生きて、どう愛し、愛されたのか。散骨で浮かび上がる「生」が鮮やか。――宮下奈都(作家)

大切な人への想いをのせて、白い粉はふわりと舞いあがり、青い空へと吸い込まれた――セーヌ川にかかる橋、南国の「珊瑚の海」、ヒマラヤの麓など、思い出の地での散骨をはじめ、愛する故人を想いながら、軽やかに生き続ける5組の家族や友人たち。新田次郎文学賞受賞の注目作家が、深いまなざしで「生と死」をユーモラスに綴る、傑作ノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • この作品では、5組の家族(著者である川内有緒さんもですが)の、家族としての生き方と大切な人の看取りを経て、遺された家族がその後の人生をどう生きているのか…を、散骨を通して描く…。

    「目の見えない白鳥さんとアートを見にいく」がすごくよかったので、こちらの作品も読んでみました。タイトルにはびっくりさせられますが、心温まる内容です。また、この装丁がすごくいいですよね!この作品の装丁は作中に登場する矢萩多聞さんのものです。

    散骨ってそんなに構えなくてもできるものなんだなぁ…なら、私も家族にそう言っておけばどうか、ちょっと考えちゃいました。大切な人だから、最期の想いを叶えてあげたいって家族に思われるような自分になりたいなぁ…そう感じました。

    • つくねさん
      かなさん、こんにちはw

      パウダー状にした遺骨は散骨しても問題ないみたいですよ。
      いまは墓仕舞いされる遺族も多いようです。
      業者に加...
      かなさん、こんにちはw

      パウダー状にした遺骨は散骨しても問題ないみたいですよ。
      いまは墓仕舞いされる遺族も多いようです。
      業者に加工して貰い、父親の遺骨を故郷が一望できる山に散骨したことあります。
      千の風になって唄いながら撒きました。
      2023/04/02
    • かなさん
      しじみさん、こんばんは!
      そうなんですってね…!
      遺骨をパウダー状にして散骨することは
      法に触れることもないんですってね…
      私この作...
      しじみさん、こんばんは!
      そうなんですってね…!
      遺骨をパウダー状にして散骨することは
      法に触れることもないんですってね…
      私この作品を読むまで知りませんでした(汗)
      この作品では、異国の地にゆかりのあった方の
      散骨について描かれているので
      散骨も異国の地でされてます。
      でも、著者の川内さんは、
      日本海にお父様を散骨したようです。

      しじみさんもお父様をゆかりのある山に散骨されたんですね!
      お父様をいつも近くに感じられますよね。
      家族を想う気持ちは、
      どこにいても、もう逢えなくとも尊いものですよね!!
      散骨を機に、遺された家族もその後の人生を
      前向きに生きることができる…そんな風に思いましたよ。

      しじみさん、ありがとうございます。
      2023/04/02
  • 身近な人の死があったらどうするか。考えなければいけないけれど、不吉とかタブーな気がして話しにくい。でもそれは自分の思いであって、故人の思いではない。故人が笑ってくれるよう前向きな明るい送り方もあっていいんだ、と思えた。

  • 大切な相手 家族や友人や動物 など、を失ったとき、気丈にしなきゃいけないとか、その後も悲しみや後悔を引きずってはいけないと考えていた。
    でも、そんなことしたら心が悲鳴をあげそうで、怖いと思う自分もいた。

    がむしゃらに前向きになるんじゃなくて、自分が納得するまで何年でも振り返ること、思いつづけることが附落ちした。
    わたしも死んだら、たまには家族に思い出してもらいたい。
    今回は見送る立場で読んだが、自分がどう生きるかということも、このかっこいい行き方亡くなり方をされた方々から、刺激を受けた。もっともっと自分なりに濃く生きたい。

  • 医者ガチャ

    手術、人工呼吸器、断る。

    医者に勝手に入れられた呼吸器は外してもらう。

    死の恐怖を前に、何の書類にもサインはしない。

    今あることに感謝。

  • ちょうど分骨について考えている時に出会った本。散骨とは違うけれど、どちらにしても残された人が考え抜いてだしたやり方で送るのでいいと背中を押してくれた本でした。胸が熱くなりました。

  • 明るく表現されているけれど
    実は重い本でした。
    亡くなったどの方も実はもっと生きたかった。 
    生きてもっと成し遂げたかったことを
    ご家族や近しい方がその意をくんで
    次の世でもお続けなさいと空に骨をまく。
    それは今生きている人の心の区切りにもなって
    死者と共に生きていく新しい道が見えてくる。

    限られた命をどんな風に生きて
    死をむかえた後は
    ただの無になるのか
    生きてる人と共に生きるのか
    ただただ自由なのか
    答えは難しい。

  • 川内有緒さんのコトバはいつも瑞々しい。「今」を感じつつ一気読みし読了。

  • 大爆笑しながら読んだ。

    散骨は法律違反じゃないんだ。
    散骨という選択肢ができた。

    わたしもわたしの骨を持って短い旅をしてもらいたい。

  • 散骨を選んだ5人の遺族・近しい人への
    インタビュー。
    私も散骨とつもりで、葬儀社から情報ももらっているので、同志のような気持ちで読み始めた。

    散骨に至るまでの人生がすごい。
    型にはまる人はいない。
    2016初版ながら、インタビューは00初頭から
    はじめられたそうなので、
    散骨は特別なものだったのかもしれない。

    それが今や、私のような平々凡々な人間も選択する。

    生死についての意識も変わってきているのだろう。

  • 故人の骨を撒いた人たちの話。
    私は死んだら骨を撒いてほしくて、この本を読んだ。
    でてくる人たちはみんな違う人生だけど、好きなことやって、生きぬいた人たちだなって思った。

    1.世界中を旅した夫の骨を、世界の様々な場所へ
    (パリのポンデザール、大連の海、アメリカの友人の墓etc)
    2.妻の骨を、20年共に過ごした南の島(ロタ島)の珊瑚の海へ
    3.旅先のチェコで客死した父の骨を、チェコへ
    4.山に行きた夫(本職は医者、原真さん)の骨を、ヒマラヤへ
    5.インドで共に暮らした人を、インドのチトラヴァティー川へ

    悔いのないように、好きなことをして生きようと改めて思った。
    死者は、自分の重なっていくという考え方は、大事な人を失うことへの恐怖を少し和らげてくれた。たくさん向き合ったから、重なっていくんだと思うから、大事な人とたくさん向き合いたい。
    ヒマラヤの民族の子を養子にしたり、友人の子供を養子にしたり、知り合いを介護したりといったエピソードは、血の繋がりより心の繋がりだよなぁ...と思った。

  • 人の死と散骨に至るまで。死の悼み方の多様性を知った。

  • 楽しい本はすぐ読み終えてしまうー

  • 生き方、見送り方、見送られ方、様々
    常識にとらわれず自分らしくいきたい
    素敵な本だった

  • 死について

  • 川内有緒さんのあたたかい文体で、それぞれ5人の方の物語と死への向き合い方が書いてあった。2組の夫婦の出会い方がまるで小説みたいで、こんな風に出会ってみたいと思った。

  • 914

  • 死に方は生き方でもあるし、生きることは死に一歩一歩向かうことだなと。自分や近しい人の生き方死に方を含めた人生を考えさせられる。そして最後の死んだ人が重なるという感覚はわかるような気がする。ふとした瞬間に自分の中に死んだ人が入ってくるような感覚。
    後悔しない死に方はないかもしれないけど、そういう死に方したいし送り方をしたい。

  • 川内有緒さんの文章って、ほんとにいいなあと思う。力みがなく、いつも爽やかな風が吹いているような感じだ。本書は、大切な家族や友人を失い、その見送り方として「散骨」を選んだ人たちに取材したもの。著者自身もお父さんをそういう形で送っている。自由に生きた(生きる)人たちは、見送ったり見送られたりするのも軽やかだなあ。

  • 家族ってなんだろ。大切な人、事って、なんだろ。
    今、自分が抱えている問題なだけに、心に響きました。

  • 肉親を散骨で弔った5人の物語を川内有緒氏が綴る。それぞれが感動的な物語であり、素敵な人たちの人生である。特に「マカルーで眠りたい」に記載してある、医師登山家である原真に嫁いだ仏人エリザベスの人生には、その率直な生き方に心を打たれる。二人の養子を引き取って育てるのもおおらか。真摯で優しく、こういう人たちが世にいることを知るだけでも有難い。また、社会的な葬送システムが希薄になった今、散骨という葬送もいいものであり、決して命のつながりを軽視したやり方ではないのだと感じた。

  • ノンフィクション。
    愛する人の死+世界各国での客死や散骨 というテーマ。 決して暗くなく旅行記ような雰囲気で読める、愛する人の死を受け入れていく人たちのお話。旅に出たくなった。

  • 何回か涙腺が崩壊して大変だった。

    その涙は悲しいからじゃなくて
    故人がこんなにも愛されてたんだと
    知った時に胸がギューと締め付けられる感情。

    タイトルの『晴れたら空に骨まいて』を
    残された相手に言えるのか?
    言われた側はそれを受け止められるかを
    問われている気がした。

    散骨という埋葬方法の話じゃなくて
    亡くなった人と生きてる人が心の中で
    どうコミュニケーションしていくかだ。

  • メディア予約
    うーん、涙腺崩壊、という人もいるみたいなのに、私は…
    あまり響かなかった。
    すでに散骨も、無宗教葬も、いろいろしたからかなあ。

  • 題名と表紙に惹かれて読んだ。

    5人の方の生と死。
    その家族や友人の故人を見送るエピソード。
    涙したり「ふふふ」と笑ったりしながら一気に読めた。

    以前に読んだ何かの小説で、夫が「墓はいらない。葬式も年忌もやらなくていい」というのに対して妻が「お墓は故人の為でなく、残された者のため。お墓がなくてはあなたに会いに行けないし、年忌がなければばらばらな土地に嫁いだ娘たちが全員揃う機会がない」と答える会話があったことを思い出した。
    弔うというのは、故人のためではなく故人の周りの人間たちのためなのかなぁ、と。
    この本に登場する故人たちは、旅が大好きだったり、世界の山に登ったりといった自由に生きていた方々なので、その家族・友人たちは弔う方法として散骨を選んで自分の気持ちに整理をつけたのかもしれない。

    死や散骨にまつわる話だが、読後感は明るく爽やか。
    作中にも登場する矢萩多聞さんの装丁・装画が素敵で、手元に置いてまた読み返したいと思った。

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著者プロフィール

川内 有緒/ノンフィクション作家。1972年、東京都生まれ。日本大学藝術学部卒業後、米国ジョージタウン大学で修士号を取得。米国企業、日本のシンクタンク、仏の国連機関などに勤務後、ライターに転身。『空をゆく巨人』(集英社)で第16回開高健ノンフィクション賞を受賞。著書に『パリでメシを食う。』(幻冬舎)、『パリの国連で夢を食う。』(同)、『晴れたら空に骨まいて』(ポプラ社/講談社文庫)など。https://www.ariokawauchi.com

「2020年 『バウルを探して〈完全版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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