子育てのきほん

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591161210

作品紹介・あらすじ

悩めるお母さん、お父さんへ
子どもをぎゅっと抱きしめたくなる!

没後も愛され続ける児童精神科医・佐々木正美があたたかなまなざしでつづる、
子どもの心とからだの発達のために本当に大切にしたいこと。

「お母さんは、子どもが喜ぶことをしてあげるだけでいいのです」
「いくら抱いても、いくら甘やかしてもかまいません」
「願いをたくさんきいてもらって育った子は、社会のルールも自然に学びます」
「子どものためと思いながら、親の生きがいや希望を子どもに負わせていないでしょうか」
・子どもとのかかわり方
・母親と父親の役割
・祖父母との良好な関係の築き方
・ほめ方・しかり方
・社会の中でどうあるべきか
・仕事と子育ての両立について etc.

【佐々木正美先生について】
児童精神科医。1935年、群馬県生まれ。2017年没。新潟大学医学部卒業。ブリティッシュ・コロンビア大学児童精神科医、東京大学精神科医、東京女子医科大学小児科、小児療育相談センターなどを経て、川崎医療福祉大学特任教授。臨床医としての活動のみならず、地域の親子との学び合いにも力を注いだ。専門は児童青年精神医学、ライフサイクル精神保健、自閉症治療教育プログラム「TEACCH」研究。糸賀一雄記念賞、保健文化賞、朝日社会福祉賞、エリック・ショプラ―生涯業績賞などを受賞。『子どもへのまなざし』、『子どもの心の育て方』など育児、障害児療育に関する著書多数。

※本書は『どうか忘ないでください、子どものことを。』に未発表原稿を加え、デザイン、版型、定価などを変更した新装版になります。

感想・レビュー・書評

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  • 本当に素晴らしいと思った。家に置いておきたい。毎日でも読みたい!!と思った。
    私は精神科医が書いた本が好きみたい。昔から、人がどうしてそのようなことを言うのか、するのかということにとても興味があって。このような本を読むと、探していた答えが見つかった!という様な気持ちになる。

    “叱ることはとても簡単で待つことはとても難しい”その通りだと思った。日々待つ様に意識はしてるけれどこれが本当に難しい。

    “必ずある子供の良い面を発見するのが親の義務”という所では、その良い面が親の好みとは違うかもしれないという話も書いてあった。

    親は、子供にこうなって欲しいと理想と期待を押し付けがちだけど、子供にとって理想的な親で居続けようとすることを疎かにしがちになる、という所にもハッとさせられた。

    子供にとってどのような親が理想的なのか、と考えてみると私がなれそうなのは、私が思うこういう親に育てられたかったという像なのかな。
    そういう事を心で思う度に、育ってきた環境の嫌だった事辛かった事苦しかった事が身体中をぐるぐるするけど、それをバネにして一生懸命子育てしたい。本当に忍耐だなって思うけど、余裕は大事。無理はしないけど努力はするそれが大事なのだと思う。

  • 本当に、大切な大切な基本が網羅されているので、大事に大事に読むことで、理解し、反省しながら読み進めました。昔から言われている不変なことも含めて、本当に大事なことばかりです。

    P30 お母さんは、子供が喜ぶことをしてあげる。
       喜ぶことばかりでOK。

    P42 店頭で泣く子供

     お母さんは、「泣けば買ってもらえると思って泣くのだ」
     と、思うかもしれないけれど、それよりも
     「泣かなくても買ってもらえた」経験が少ない
     
     その子が泣くのは、
     「このおもちゃがどうしても欲しい」
     のではなく
     「お母さんに、自分のいう事を、もっと聞いてほしい」

    P45 ★★★いじめっ子
      友達をいじめるこは、
      友達と悲しみを分かち合う力が無い子。

      うんと小さい時に、親と喜びを分かち合う
      ことが無かったか、少なかったか。

      いじめられた場面では、
      いじめられた子をなぐさめるのではなく、
      いじめた子を抱きしめる。

    P49 他者を思いながら生きる大切さ。

    p160 利己主義
     「ただ子供を喜ばせてあげたい」
     「子どもが喜ぶのがなによりも嬉しい」
     という原始的な感情が薄れ、
     若い世代の自己主張が強くなり、
     個人主義と言うよりも利己主義に近くなってきている

    p171 家と外の評価のギャップ
     「家ではちっともいう事を聞かない、
       散らかし放題」の子が不思議なことに
     「保育園ではきちんという事を聞き、
       片付けも進んでする」のは、心配無用。

     その子は家に居る時に安心し放題に安心し
     外に出ると「社会人」として家よりは
     ちょっと緊張して、きちんと役割を果たしている。

     家に帰ったら、くつろぎきって気を許し
     両親に甘えている。
     これが、健全な姿。

    P175 希望
     黙って好きなものを出すのではなく、
     「なにが食べたい?」と、希望を聞いてあげる

    p180 聞く
     自分から話すよりも、聞き上手になる事、
     聞くことに一生懸命になる。

    p183 ★★★いじめられていると気づいたら?
     「いじめられているの?」とは聞かない。
     こどもは、いじめられていることで傷つき、
     それを恥だと思っている。

     いじめられている、と、親に言ったら
     親に弱い子と思われる、軽蔑されるかもしれない、
     とさえ思っている。
     親が悲しむ、心配をさせたくない、と、思う子も。

     親がすべきことは、「話しやすい環境づくり」

     「いつもお母さんは自分のいう事を聞いてくれた」
     「希望をかなえてくれた」

     弱い自分でも、親は自分を見放したりしない
     と確信持てるようにしたい。

    P194 叱る
     叱るのは簡単、待つのは難しい。
     親は待つことが仕事。
     「何度でも言ってあげる」
     「できなかったら何度でも教えてあげる」のが親。

     叱ったり、叩いたりしてその場だけ従わせても
     こどもは怖がり、委縮するだけで
     決して自立心は育たない。

     厳しくしても自立性は育たない。
     「すべて自分でやりなさい」
     「すぐやりなさい」
     と強く叱ると、要領がいい子供ならば
     親に叱られないように禁じられたことを
     しなくなるだけで自立性では無い。

     じっと親が待ちながら穏やかに
     何度も何度も言い聞かせて、
     こどもが「できた」ときに褒めることで
     自立性が育つ。

    P204 母性と父性

     母性:子供をできるだけありのまま
        受け入れてやろうとする力のこと、
        受容する、容認するということ
     
     父性:しつけに当たる部分
        「こうしてはいけない」
        「こうしなくてはならない」
        社会的な規律や規範を教える力

    P232 ★★★まず与えられるべきは、
       母性的な「受容」

    P240 お母さんに望むこと
       やさしさ。
       プライドを持ってやさしくあげる。

    P244 こどもをありのままに認める

  • 子供を育てていくための「基本的な当たり前な大事なこと」が書いてあります。
    その「基本的な当たり前なこと」は今子供への教育熱が高まる中、後回しになっていないか自問自答できました。
    親は教育者ではなく絶対的な保護者であってほしい。という言葉が印象に残りました。

  • 子供への接し方から主人とのコミュニケーションまで広範囲に及んでいた。まさに主人には育児への参加について不満が募る毎日だったから崩壊するまでに読めて良かった‼︎笑

    親から「肺が強くなるから泣かせた方がいい」とか「抱っこ癖が付くからすぐ抱かない方がいい」などの昭和助言をスルーして、この本から学んだひたすら抱っこの毎日‼︎がんばれ、私!

  • 子どもたちのできてないことに、しつけをしないといけない、叱るとか、諭すとか、色々と大変だなぁと思ってましたが、この本を読んで、また違う感覚でしつけはできるんだっと思うと、すごく気持ちが楽になりました。目の前の我が子をあたたかく見守る、話を聞く、もっともっと我が子の子育ての今を大切にしたいと考えさせられる機会になりました。

  • 1人目が生まれてすぐに読んだ本だけど、2人目が最近生まれて、自分に余裕がなくなりイライラしたり上の子にあたったりすることが増えたので、子育ての原点に立ち返りたいと思い再読。

    ・乳幼児期のお母さんはただやさしいだけでいい、あとの大切なことはみんなほかの人にまかせたらいい
    ・家庭とは、ほかのどこにもないほどに居心地のいい場所だ、ということだけを子どもに伝えてやれたら、それでいい

    この考え方が自分の子育てのベースになっているとは思う。いつもそうやって子どもに接したいとは思っている。
    だけど、どうしても自分ひとりの時間をいかに確保するかに終着してしまっていて、子どもが旦那ではなく私ばかりにかまってほしがると旦那に対してイライラもするし子どもにも「お父さんのところに行ったら?」と邪険にしてしまって...悪循環。
    自分がこれだけしたから、旦那もこれだけするべきだって意識も常にあるので、均等な分担を求めない方がいいみたいな章を読んで納得はするんだけど、男性にこれを言われると少しモヤモヤする自分もいる。

    旦那のことに話が逸れたけど、子育てで悩んだら何度でも開きたい一冊です。

  • 【キーメッセージ】
    子育てで大切なことは「子どもが喜ぶこと」そしてそのことを「自分自身の喜び」とすること

    【子育てで大切なこと】
    ・振り返れば必ずママがいるという安心感があると、「見捨てられ不安」「見捨てられ抑鬱」といった感情を残さずに成長でき、それが将来の安定した心につながる。
    ・母親は子どもの喜ぶことをしてあげる、そしてそれを親自身の喜びとする。それが喜びを分かち合う力を育てることに繋がる。喜びを分かち合える力は、悲しみを分かち合える力であり、すなわち思いやり。人と生き生きと交わりながら生きていく力。つまりそれこそが社会性である。
    ・お互いに喜びあうことが、人間の最大の喜びであり、これこそが人間的なコミュニケーションの根源である。この力は乳児期後半から育ち始める。
    ・泣いて訴えることに応えてもらうことで、人との交わりに喜びを感じる感情の基盤ができていく。
    ・願いをたくさん聞いてもらった子は、社会のルールも自然に学ぶ。
    ・ゆるやかに地域とのお付き合いを複数持って、親戚、仕事、趣味など複合的に持つべし。
    ・人間は自分が存在する意味と生きる価値を、人間関係のなかに見いだす。いや、人間関係の中にしかそれを見いだすことはできない。
    ・最高の人間関係とは、誰と誰の関係であっても、相手に与えているものと与えられているものが、同じ価値を持っていることを実感できていれば、それが最高の人間関係。
    ・男の子、女の子の違いを意識して子どもに接することはしない。
    ・健全な人間関係を築く力を育ててあげる。見守るべきはその子の個性で、性別の違いではない。
    ・子どもをありのままに認める。

  • 「お母さんとふたりだけ」という時間をつくってあげるといいと思いますよ。そうした時間があれば、子どもはきょうだいがたくさんいても「ひとりひとり、全員がそれぞれ大切にされているのだ」ということを理解するでしょう。

    私がお母さんたちに、何を望むかといったら、ただひとつ、やさしさです。「私にしかできない」というプライドを持って、やさしくしてあげてほしいと思います。

    いい子だからかわいがる、言うことをきくからやさしくするのではありません。子どもというのは、かわいがるから、言うことをきいてやるから、いい子に育つのです。

    前回読んだ
    子どもが喜ぶことだけすればいい
    がすごく良かったからまた
    佐々木正美 さんの本を手に取った。
    今回もなるほどーと気付きばかり。
    3つに絞るのが大変だった。

    子どもが喜ぶことは何か考えて、一緒になって喜んだり楽しんだりしてたくさんの幸福を分かち合いたい。
    それができると悲しみも分かち合えるようになるということも印象に残った。子どもが話しやすい環境づくりや、大切にされていると思えるような愛情のかけ方をみつけていきたい。

    兄弟ができたら一人目の子にはさみしい思いをさせちゃうのかなと心配だったけど、私と二人きりの時間をとることも大事にしたい。

    子どもの長所を見つけることを大切にしてたくさん子どもをかわいがっていきたい。やさしくしたい。

  • まずはすべて認めよう、というのはその通りだなと思う一方で、男性が女性に「夫にはこうしてあげてほしい」と言い始めると変な感じになってしまうなと。(これは逆も然り)

  • かつて子どもだった人間としても共感できるポイントが多く、子どもへの向き合い方のヒントが詰まった分かりやすい良書だと思う。これから親になるにあたっての心構えをするのに役立ちそうで読んで良かった。
    ありのままの子どもを認めることで、思いっきり甘えられる環境を作ってあげたい。

    終盤の、母親は家庭を父親も喜ぶ場所にしましょう!みたいなのは時代錯誤だなと思ってイラッときたけど、、笑

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著者プロフィール

児童精神科医。1935年生まれ。新潟大学医学部卒業。ブリティッシュ・コロンビア大学留学後、国立秩父学園、東京大学、東京女子医科大学、ノースカロライナ大学等にて、子どもたちの精神医療に従事する。現在、川崎医療福祉大学特任教授。
日本で初めてTEACCHを紹介し、普及に努める、TEACCH及び自閉症医療の第一人者である。
近著に『子どもへのまなざし』『続 子どもへのまなざし』『完 子どもへのまなざし』(以上 福音館)『「育てにくい子」と感じたときに読む本』(主婦の主社) 『アスペルガーを生きる子どもたちへ』(日本評論社)ほか多数

「2011年 『出会いでつむぐ私の仕事』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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