子どもの心はどう育つのか (ポプラ新書 さ 15-1)

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (155ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591164389

作品紹介・あらすじ

その子らしさを愛してあげて――

誰よりも、子どもに寄り添った名医が、「生きづらさ」の本質を語った。

親、保育者、子どもを見守る大人たちにどうしても伝えたかったこと。


不登校、ひきこもり、うつ、摂食障害……生きづらさは、心の発達課題が鍵となる。


子どもは、0~2歳は信頼、2~4歳は自律、4~7歳は積極性など、その年齢に適した発達課題がある。その課題を果たせないと、心が未熟で、ひきこもりやうつなどの原因になることもある。子どもの心の成長を正しく理解すること、そして、大人になっても、未成熟である部分を自覚することが人間として豊かに生きることにつながる。
※本書はエリック・H・エリクソンのライフサイクル論をもとに、発達・成熟段階の考え方を佐々木正美氏が展開したものになります。


佐々木正美(ささき・まさみ)
児童精神科医。1935年、群馬県生まれ。2017年没。新潟大学医学部卒業。ブリティッシュ・コロンビア大学児童精神科、東京大学精神科、東京女子医科大学小児科、小児療育相談センターなどを経て、川崎医療福祉大学特任教授。臨床医としての活動のみならず、地域の親子との学び合いにも力を注いだ。専門は児童青年精神医学、ライフサイクル精神保健、自閉症治療教育プログラム「TEACCH」研究。糸賀一雄記念賞、保健文化賞、朝日社会福祉賞、エリック・ショプラ―生涯業績賞などを受賞。『子どもへのまなざし』(福音館書店)、『子どもの心の育てかた』(河出書房新社)、『子育てのきほん』(ポプラ社)など育児、障害児教育に関する著書多数。

感想・レビュー・書評

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  • 著者の方の、うまく言葉に表せないのですが、自然と好感を持つような人格や人柄、尊敬できる感じ、品の良さや生活の感じが1番に読んで伝わってきました。

    本当に自分の勝手な解釈になりますが、
    適切に育つ機会がなかったとさみしく悲しく思う気持ちがある中で、
    人生最後の1日を思春期、青年、老年期としてもいい
    (自分で決めてもいいことだ)
    その期を大切にしてあげてほしい、
    そんな風に中盤のページの言葉から勝手に感じて、
    少し救われました。

  •  乳児期から老年期に至るまでの、発達・成熟段階について、簡潔に書かれている。

     乳幼児期は親からの、近くにいる人からの愛情が特に大切、というのは当然のこと。それ以降については、友達の大切さを特に強調しているように思う。自分自身を知るためにも。
     そのことは分かるのだけど、我が子達のことを思うと、「友達」を強調されすぎると、辛いものがある。発達障害の子たちは、友達関係を作ることに難しさを覚える面があるから。

     その他の部分については、すとんと腑に落ちた。

    「こうしてはいけないんだ、こうしなければいけないんだということを根気よく伝えることがしつけの重要な部分。決して早くからできなければならないということを、強く望むのではなく、いつからできるかは子どもにまかせにしてあげるというところに子どもの自立性が育つ理由がある」

    「それぞれの期において、それぞれの発達課題がある。その段階を抜かして先に進むとか、人を信じる力がないのに、自発性の豊かな子どもになるということはない。」

     老年期については、近づいているだけに、なるほどと思った。佐々木先生はエリクソンの記述から老年期を「統合」と定義しているけど、その内容を読むと、私には「納得感」というほうが分かりやすい。

     「この自分の人生は他にかけがえのない人生だった、たった一つのまさに唯一の有意義な人生であった、そして、あるべき人生だった、十分に生きて満足すべき生涯であった、こう思えたらいいですね」

     こういった佐々木先生の言葉を読むと、生まれた時から、この一点に向かって人は生きて行くのであり、終わりの時にそう思えるように、人生のスタート時期には親がその土台作りをする責務があるのだと思う。

  • エリクソンの発達段階に基づき書かれた本。友達の重要性、人と関わることの発達における意味についての箇所だけちょっとつらかった。私自身人間関係が下手なので。友達ができない人はどうしたら良いのか?著者の他の本も読んでみたら答えがあるのだろうか。

  • 子どもの心だけではなく、今の自分・これからの自分のあり方のヒントを得られる。

  • 前半は参考になる

  • 生まれてからシニアになるまでに心の変化が書かれてて一人の人生を見ているようです

  • 0〜2歳、2〜4歳、4〜7歳、7〜12歳、13〜22歳…と発達・成熟段階を8つに分けて書かれている

    自分は学生期(7〜12歳)に
    大人からだけでなく、子ども同士、友達から何かを学ぶ、友達に何かを教える機会が少なかった
    結果:劣等感・優越感を抱えやすくなる

    子ども同士に教え合う経験が多い
    →健全な誇り・自信、勤勉性に繋がる


    最近“天狗になる”“偉そうな態度”について考えていたので、こういう考え方があったのか!と勉強になりました。
    子どもには、友達同士で教え合えるよう
    好きなこと、些細なことでも“博士”になってもらいたい。
    そのために子どもの興味が何に向いているか、知ることを大切にしたいです◎

  • この評価は正当ではない。

    ただの主観・・・全部そうなんだけど
    今回特に主観。

    自分と重ねすぎてつらくなった。

    本来子育てする人や、教育機関でお仕事してる人向けに書かれたものであって、
    自分と重ねて読むものじゃない。

    と思う。多分。

    エリクソンの8つの課題とともに歩んだ人の言葉が書かれている本。

    言葉自体はほんとにあの、素晴らしいもので。

    つらくなったのは、課題の途中でつまづいて、
    生きづらさをかかえている人が、

    孤独にあえいで、
    まさに現在ジタバタしてる人が、
    どうすればいいかってのは全く書かれていないから。

    これはこれからの人のための本。

    まるで失敗した見本のように自分のことを感じてしまった。

  • 人が各世代において乗り越えなければならない発達課題

    乳児期 人を信頼すること・自分を信じること
    幼児期 自律性
    児童期 自発性
    学童期 勤勉さ
    思春期 アイデンティティーを持つこと
    成人期 親密性
    壮年期 世代性
    老年期 統合

    エリクソンの「ライフサイクル・モデル」=年齢に応じた発達課題について語った2つの講演をもとに編まれた『生き方の道標 エリクソンとの散歩』(子育て協会/1996年刊)を加筆修整し新書化

    ふだん思春期のころまでしか話すチャンスがない著者が、成人期以降について、人間の生涯、ライフサイクルについて語った貴重なエッセイ

  • エリクソンの理論が、平易かつ実際的に説明されています。

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著者プロフィール

児童精神科医。1935年生まれ。新潟大学医学部卒業。ブリティッシュ・コロンビア大学留学後、国立秩父学園、東京大学、東京女子医科大学、ノースカロライナ大学等にて、子どもたちの精神医療に従事する。現在、川崎医療福祉大学特任教授。
日本で初めてTEACCHを紹介し、普及に努める、TEACCH及び自閉症医療の第一人者である。
近著に『子どもへのまなざし』『続 子どもへのまなざし』『完 子どもへのまなざし』(以上 福音館)『「育てにくい子」と感じたときに読む本』(主婦の主社) 『アスペルガーを生きる子どもたちへ』(日本評論社)ほか多数

「2011年 『出会いでつむぐ私の仕事』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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