([ん]1-14)明日町こんぺいとう商店街 心においしい七つの物語 (ポプラ文庫 ん 1-14)
- ポプラ社 (2020年3月5日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591166352
作品紹介・あらすじ
ようこそ! すこし不思議で、どこかなつかしい「明日町こんぺいとう商店街」の世界へ――。マスコットの「招きうさぎ」が目印の商店街を舞台に、七名の人気作家が描く、ほっこりおいしい物語。お気に入りのお店がきっと見つかりますよ。
≪文庫オリジナル≫
感想・レビュー・書評
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シリーズ第四弾、久しぶり!待ってました!相変わらずの下町ならではの、ちょっとお節介気味だけど何だか和める空気が大好きです。
「サクマ手芸店」「ツルマキ履物店」、ちょっと切ない展開がツボでした。本作ではお気に入り作品ワン・ツー。
「川平金物店」、さすがの彩瀬まるさん、手堅くまとめました。心があったまる人情もの。
「~中古楽器・中古レコードの買取・販売~しゑなん堂」、飄々とした店主がユニーク。ジュディ・シル、聴いてみたい。
「インドカレーママレード」この作品もちょっと切ない。フード描写が最高、カレーが食べたくなる!
シリーズ三度目の登場「カフェスルス」、このカフェは「こんぺいとう商店街」の核店舗だな。緩やかな雰囲気に癒される。
ラスト「おもちゃ屋うさぎや」、シリーズに登場した色々なキャラが次々現れ、賑やか!何だかカーテンコール感がありました。これでシリーズ終了?寂しいなぁ。たくさんの作家さんで同じ世界観を共有しつつ、でも作家の個性も感じさせる短編が集まり、本当に楽しいアンソロジーでした。シリーズ全ての店が載ったマップを見たかった!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
明日町のこんぺいとう商店街を舞台にした群像劇。商店街の7つの店舗の人々を7人の作家が描くアソート短編集。シリーズ4作目。
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寺地はるなさんと山本幸久さんが決め手となって読むことにしました。
自分のペースで楽しみながら読めたのは前川ほまれさんの「インドカレーママレード」。タイトルの伏線回収も含めて好きな作りでした。
大島真寿美さんの「カフェスルス」もいつもの(?)にぎやかな関西弁によく合った世界でおもしろかった。
そして山本幸久さんの「おもちゃ屋『うさぎや』」。本巻の7店舗の人たちを見事に巻き込み、ほっこりするハーモニーを聴いているようなまとめ方。こういうゆるやかな連帯を描かせたら右に出る人はいないのではと思う出来栄えでした。
寺地さんの「サクマ手芸店」は終盤こそ読ませるものの、それまでがダイジェストのような端折り方で、いつもの心にじわじわと浸透する感じがしませんでした。超短編は寺地さんには合わないのでしょうか。少し残念でした。 -
スカイツリーを見上げる下町の片隅にある商店街の物語、第4弾。
戦後の焼跡に24軒集まって始まった商店街ということだったけれど、今では80軒近くの店があるという。
毎回、冒頭に地図が載っているけれど、その本に載っている短編のタイトルのお店だけなので、これは・・・あの物語のお店の場所なのだが・・・と迷ってしまう。
今回の桜さんのように、お店を出て歩きながら紹介してくれると、ふむふむ、川平金物店は、水沢文具店の向かって左隣なのだな?とわかって嬉しい。
今までに登場した、全部のお店が載った大きな地図が見たいなあ〜
老朽化した二階建てで、一階がお店で二階が住居という作りが多い。
看板も古い言葉で、若い子には読めないようなものもある。
かといえば、おしゃれで新しいお店もあり。
ずらりと並ぶ入り口の奥には、それぞれの深い物語があるのである。
今までも、老いと若きの交流のお話が多く描かれてきた。
今ではおばあちゃんたちも商店街のグループLINEで連絡を取り合っているという。
20代30代の若者たちで作る青年会の活動も活発になりそうだ。
デパートがオワコンになった今、商店街って、逆に新しいのでは?と思い始めた。
一軒目『サクマ手芸店』寺地はるな
糸子と康恵はアラ還の従姉妹同志で、康恵の母から受け継いだ手芸店を二人で営む。
見た目と名前がまるで逆の、二人の「女の人生」は・・・
二軒目『ツルマキ履物店』蛭田亜沙子
23歳の小嶌以都(こじま いと)は、店主の鶴巻勲(つるまき いさお)に靴の修理を習っている。
老靴職人と以都の交流。
赤い靴にまつわる数奇な物語も。
三軒目『川平金物店』彩瀬まる
狭い小屋の中では一番弱い者がつつかれる。
命の恩人・茂さんを慕うチャボの桜さん。
四軒目『〜中古楽器・中古レコードの買取・販売〜しゑなん堂』芦原すなお
ロック好きの女子大生と、ロック好き中年の店主・レノンさんの交流。
名曲は色褪せない。
五軒目『インドカレーマーマレード』
絵美と岳(がく)の若夫婦で営む、本格スパイスのカレー店。
仲良し夫婦に危機が。
六軒目『カフェ スルス〜コアラちゃんの巻〜』大島真寿美
昔の演劇仲間のアラ還女子たちで始めたお店も、三年持った。
そして、彼女たち自身も驚くような変貌と成長を遂げるのであった。
お店は生き物。
七軒目『おもちゃ屋「うさぎや」』山本幸久
一冊の締めくくりのお話。
ほぼ全てのお店の名前と女性たちの名前が登場すると言っても過言ではない。
女性が元気な商店街、男子も頑張らなくっちゃ!
商店街に未来はある。 -
商店街を舞台にした、さらっと読める短編集。
このシリーズは何人もの好きな作家さん達のお話が読めるし、心温まるので好きです。
さすがに前作までの話はどんどん忘れていくんだけど、少し名前が出てきたりもして「あ〜、そうだったな!」と思い出したり。
こんな商店街があったらしょっちゅう行ってみたい。疲れてる時なんか癒されそうです。 -
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ようこそ!すこし不思議で、どこかなつかしい「明日町こんぺいとう商店街」の世界へ―。マスコットの「招きうさぎ」が目印の商店街を舞台に、七名の人気作家が描く、ほっこりおいしい物語。人気アンソロジー、待望の第4弾!
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一軒目――「サクマ手芸店」 寺地はるな
二軒目――「ツルマキ履物店」 蛭田亜紗子
三軒目――「川平金物店」 綾瀬まる
四軒目――「~中古レコードの買取・販売~しゑなん堂」 芦原すなお
五軒目――「インドカレー ママレード」 前川ほまれ
六軒目――「カフェ スルス」 大島真寿美
七軒目――「おもちゃ屋「うさぎ屋」」 山本幸久
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シリーズ一冊目の後、二作目三作目が出ているのに気づかず、読まないままで四作目である。でも、まったく違和感なく、すんなりとこんぺいとう商店街を散策している気分に浸れる。一作目でも書いたが、アンソロジーとは思えないような統一感のある物語集なので、どのお店にも入ってみたい気持ちになりながら愉しむことができる。若い人たちがどんどん新しいことを始めていきそうな気配もあり、これからも愉しみなシリーズである。 -
前半はとてもとても良かったのに、四軒目からダメだった。
がっかり。
彩瀬まる、久しぶりにとても良かったなぁ。
蛭田さんも、寺地さんもとても好みだった。
でもやっぱり彩瀬まるの川平金物店が、1番良かった。 -
スカイツリーを見上げる下町にある商店街を舞台に、人気作家たちがお店を開店し短編を紡ぐアンソロジーの第4弾。それぞれの作家の持ち味を楽しめる心温まる物語が並ぶ。ひとつのお店について書かれた独立したお話でそれだけでも楽しめるが、これまでのシリーズを読んできた人ならば、他のお話の登場人物が時々姿を見せてくれるのも嬉しいはずだ。
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シリーズ4冊め。
気になるお店のみお邪魔する。
寺地はるなさんの『サクマ手芸店』が良かった。
どんなに仲良くてもどこか相手が妬ましかったり、隣の芝生は青い…あるよね…と頷く。
大島真寿美さんの『カフェスイス』。
話が思わぬ方向に。店貸し切りで好きなように厨房まで使えるのか?現実的にありえるのか?とちょっと疑問。 -
寺地さん目当てで購入。
こういうのって、難しいですね。
芦原さんのが、するするっと読めて良かった。読めてっていうより、読ませるって感じで、もう終わり?もう少し続きほしー
山本さんのは、バラバラな物語に一体感がでたし、未来に向かう展開がよかった。