- Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591173282
作品紹介・あらすじ
<内容紹介>
24歳、ブラック企業勤務。身も心も疲れ果てていた紀久子が深夜のファミレスで出会ったのは、外島李多と名乗る女性だった。彼女は「川原崎花店」という花屋さんを駅前で営んでいるらしく、酔っぱらった勢いで働くことに。
やたらカレー作りがうまい青年や、おしゃべり好きの元教師、全体的に適当な李多。バラエティに富んだ従業員と色とりどりのお花に囲まれながら、徐々に花屋さんの仕事に慣れていく。
花を求めるお客さんの事情はそれぞれ。誰かを祝う花もあれば、少し切ない花もある。いろんな想いが詰まったお花を届けているうちに、紀久子は自分の心にもう一度向き合いはじめ――
感想・レビュー・書評
-
美大卒業後、職がなくブラック企業で働いていた君名紀久子25歳が偶然駅前の川原崎花店の店主外島季多(まりた)38歳と出会いそこで、アルバイトをすることになります。
紀久子は運転手として電気三輪自動車のラヴィアンローズを運転し、売り上げを伸ばすための定期便サービスを始めたり、駅をでたらすぐに目につくように店頭の花を同色のものにしたり、重陽の節句やミモザの日、スズランの日のようにメジャーではない花の日に力を入れたり経営努力を惜しまずに奮闘します。
花屋さんって素敵な仕事で憧れるけどかなり大変なんだと思う場面もありました。
まだまだ若くて、グラフィックデザイナーとしてもやり直しできる紀久子も羨ましく思いました。
各章は花の名前で、花言葉も書き添えられているので、メモします。
花言葉は色々あってうっとりしてしまい、もっと知りたいと思いました。
Ⅰ泰山木
泰山木 ・前途洋々
Ⅱ向日葵
マティスのヒマワリ3本 ・3本は愛の告白
Ⅲ菊
菊白 ・真実
赤 ・あなたを愛してます
黄色・破れた恋
Ⅳクリスマスローズ
クリスマスローズ ・私の不安を和らげて
Ⅴミモザ
ミモザ ・優雅・友情・秘密の恋
Ⅵ桜
桜 ・精神美
優雅な女性
純潔
Ne m'oubliezpus.
(私を忘れないで フランス語)
Ⅶスズラン
スズラン ・ふたたび幸せが訪れる
Ⅷカーネーション
カーネーション白 ・私の愛情は生きている
ピンク ・感謝・気品
オレンジ ・熱烈な愛
黄色 ・軽蔑・嫉妬
青 ・永遠の幸福
赤 ・母への愛・真実の愛
菊 ・高貴・高尚・高潔
ユア・ア・ワンダフル・フレンド
花言葉もストーリーの重要なキーポイントになっています。素敵でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
店頭によく置かれている、私もよく購入するミニブーケを作る場面が出てきた。
売れ残りの寄せ集めなのかなとずっと気になっていたのだが、特に否定的な表現はなく、普段の仕事の一つとして書かれており少しホッとした。
花言葉もたくさん出てきて、おしゃれで興味深かった。
でもストーリーは至って平和。主人公が立ち直っていく過程も順調すぎて、物足りなく感じてしまった。 -
24歳の紀久子が、ブラック企業を辞め心身共に疲れていた時、出会ったのが、駅前のお花屋さんの店主・李多。
アルバイトとしてお花屋で働く紀久子は、個性豊かな仲間とともに、さまざまな花に囲まれてお客さんとも繋がっていく。
珍しい花や由来、花言葉なども知れて為になる。
元高校の国語教師だった光代さんが、店頭の黒板に書く、花に纏わる短歌や俳句、詩、小説の一文なども素敵である。
花は、みんなを幸せにするんだなぁとつくづく感じた。
Ⅰ 泰山木〜前途洋々
Ⅱ 向日葵〜3本 愛の告白
Ⅲ 菊〜あなたはとても素晴らしい友達
Ⅳ クリスマスローズ〜私の不安を和らげて
Ⅴ ミモザ〜秘密の恋
Ⅵ 桜〜私を忘れないで
Ⅶ スズラン〜ふたたび幸せが訪れる
Ⅷ カーネーション〜真実の愛
癒されて、ほっこりする温かな話。
これを読んだあとは、花屋さんに行ってみたくなる。
今の時期は、何がメインなんだろうか…⁇と考えるだけでもワクワクしてしまう。
-
俄然 花より団子の自分ですが、読みやすく「花っていいな〜」と思わせてくれる本でした。
キクちゃんがお花屋さんに馴染んでいくのも見ていて優しい気持ちになれるし、
ふっと出てくる不思議な現象(ネタバレになるので詳しくは伏せておきます 笑)も、非現実的なのにすんなり受け入れてしまえますね。
花屋さんに行ってみよう〜♪ -
どこかで似たような作品を読んだ気がしながら読了しました笑
24歳になる紀久子はデザインの道に進みたいのに意に反してブラック企業の営業で2年間耐えてきた。しかし我慢の限界で一方的に辞めたけど付き纏われ、ひょんなことから駅前の女性店長に救われてその花屋さんでバイトすることに♪
店長や2人の従業員や商店街の人々やお客さんたちとの出会いが知らず知らずに紀久子の道を拓いていく展開がほんわか安らぎをもたらしてくれる。
悪人がほとんど出てこないので安心して優しいラストを一緒に受け取ってください!
思い出しました、数ヶ月前に読んだ夏川草介さんの安曇野診療記「勿忘草の咲く町で」でした。内容は両者ガラッと異なるけれど、花の蘊蓄などトーンがよく似ている気がしています。 -
主人公はグラフィックデザイナーを夢見て美大へ進学するもブラック企業に就職を余儀なくされ、心身ともに疲れ果て仕事を辞めることを決意した君名紀久子24歳、偶然出会った川原崎花店の店主外島季多のすすめで花屋でバイトすることになっ…仕事仲間やお客さんとの出逢いを通して、もう一度前向きに夢を追いかけてみようと奮起する…そんなお話でした。読んでみて、お花好きにはたまらない作品でした!知らないお花はちょっと調べてみて、あぁ~このお花だったのねって、花言葉にもいろいろあって興味深かったです。内容もすごくよくてお花に癒され主人公を応援しながら、読んでいて元気をもらえた作品でした。リアルにお花に囲まれて過ごしたくなりました!
-
ハッ!
ここ何年も自分のために花を買ってないし、長らく花屋さんから足が遠ざかっていることに気づく。
花のある生活...なんて優雅なんでしょう!
我が家なんて、息子が捕まえたセミを時々放し飼いにしているのでセミのいる生活ですよ。
私はあまりセミさんが得意じゃないので別室に隠れてるけど、ミンミンゼミは室内だとものすごくやかましく、夜には放してます。
母の日やクリスマスではない普通の日に、花屋さんに足を踏み入れてみようかな。
都会のせわしないお店ではなくゆったりした田舎のお店で、気に入る花を見つけたり、香りを吸い込んだり、花言葉を聞いたりしてみたい。
本の中に出てくる花の詞や俳句がどれも素敵だった。
登場する花も、もっと知りたくなるものばかりで検索しつつ読んだけど、よいきっかけなので本物を見なければ! -
花屋さんの仕事が、現実的に描かれているところが、好感がもてる。読んでいて、なんだか安心感のある物語だった。花言葉、古典、花に関する知識も散りばめられている -
花は全く詳しくないけれども、読み終わったあとには花屋さんを覗いてみたいなと思いました。
花言葉にちなんだそれぞれのお話しはどれも温かく、出会えて良かったと思える一冊でした。 -
ブラック会社から、花屋さんへ。
社員から、アルバイトだけど、毎日が楽しく、人との繋がりが広がっていった。
色々な花や、花言葉も出てきて、推しすぎずよかった。
その後も読んでみたくなる。