さみしい夜にはペンを持て (一般書)

著者 :
  • ポプラ社
4.27
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本棚登録 : 7017
感想 : 383
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591178546

作品紹介・あらすじ

一生、自分の頭で考えて生きたいあなたへ他者より先に、自分との人間関係を築くための本『嫌われる勇気』古賀史健が、はじめて13歳に向けて書き下ろした「自分を好きになる」書き方の寓話ブレイディみかこ氏 推薦!「書くことは苦手だとか、嫌いだとか、言葉なんて面倒くさいし本当の気持ちは伝えられないとか思っている人。そんな人たちにこそこの本を読んでほしいと思いました。あなたは誰よりも書きたくなる人かもしれないから」内沼晋太郎氏(日記屋月日 店主) 推薦!「日記を書くと、どんな毎日も文章の形をして立ち上がる。読めばたしかに生きてきたと確認できるし、書けばこれからも生きていくという実感がもてる。それは存在しないはずの〈人生の意味〉のようなものに、届きそうな手を伸ばすことだ。この本がきっかけで、日記をつけはじめ、続けることで救われる人が、きっとたくさんいる」SNSで常時だれかとつながっている時代。本当の意味で「ひとり」になるのは難しい。だからこそ、積極的に「ひとり」の時間をつくろう。すると自分との関係が、もっと良好になっていく。うみのなか中学校に通うタコジローは、学校にも居場所がなく、自分のことが大嫌い。ある日、不思議なヤドカリおじさんと出会ったタコジローはおじさんから「書くことは、自分と対話すること」だと教わりその日から、どんどん変わっていく… ・「書く」と「話す」はどこが違う?・考えるとは「答え」を出そうとすること・その作文、嘘が混じってない?・どうして「ことばの暴力」が生まれるのか・みんなと一緒にいると、自分ではいられなくなる・考えないのって、そんなに悪いこと?*こんな方におすすめ□与えられた正解に違和感がある□自分の考えをうまく言葉にできない□SNSに疲れてきた□子どもが「孤独」「さみしさ」を抱えていそう□悩んでいる子どもに何と言葉をかけていいかわからない著者、古賀史健さんより「作文や読書感想文を上手に書く必要はありません。それよりも大切なのは、書くことを通じて自分と対話を重ね、知らなかった自分を発見し、自分を好きになっていくことです。ぜひ、本書を入口に『書くこと』のおもしろさに触れてください」

感想・レビュー・書評

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  • 「可能性のなかに生きているかぎり、ぼくたちはものごとを真剣に考えなくなるんだ」

    「思う」と「考える」はなにが違う?
    「書く」と「話す」はどこが違う?

    その答えが、この本の中にありました。


    悩み多き 中3が、ナゾのおじさんと出会う。
    おじさんは彼に「日記を書いてみないか」という。
    ただ、それはみんなが思う「ふつうの日記」ではなかった…

    とてもやさしく分かりやすく書かれている。会話が多いのでテンポが良く、読者を飽きさせない。そして、イラストがとてもかわいい。

    「さみしい夜」って?そんな夜はペンを持つことで乗り越えられる?

    頭の中に浮かんでは消える、たくさんの「思い」(『コトバミマンの泡』)を、書くことで「考え」にまで高める。

    考えるとは「答えを出そうとする」こと。悩みの解決に向かうこと。答えを出そうとしないまま保留しているのは、何も考えないのと一緒なのだ。

    言葉にすることは「現実にする」ということ。見なくても済んだはずの現実を、直視しなければいけなくなる。だからこそ、大きな意義がある。


    自分と向き合うことの大切さとその方法を、やさしい物語とともに教えてくれる本でした。
    今日から日記を書きたくなる!なによりも自分のために。

  • 突然ですが、今朝からスマホが故障していて、スマホが使えません。PCからいいね!してみようとしたら2時間前まででタイムラインが切れてしまい、皆さまのレビューにいいね!できませんでした。明日docomoショップに行ってくるのでしばし、お待ちください。<(_ _)>




    この本はひと月ほど前に図書館にリクエストした本ですが、いつの間にかブクログのランキングの1位になっていて期待値が大きくなりすぎました。

    これは、子ども向けの日記を書くことの勧めだと思います。小中学生向けの本だと思います。(もちろん大人だって日記を書いても構わないのですが)本としては星5なのですが、子ども向けなので星4にしました。



    タコジローという海の国に住む海の中中学校に通う少年の日記を書くことになるまでと、十日間日記をつける間の話です。

    タコジローはある日学校で仲間外れになり、ヤドカリのおじさんと公園で出会い、日記を書くことを勧められます。期限は十日間です。

    その中から大事だと思ったことを以下にメモします。



    「思う」と「考える」はなにが違う?
    誰かに話すとすっきりする→頭の中を大掃除するような気持ちよさ

    「思う」と「言う」には距離がある「だれにも言えないこと」はだれに言う?
    相談する相手がいないときは、自分に相談する→書く

    書いて自分と対話する。
    自分との対話がいちばん深まるのは、文章を書くとき。
    不確かだった『ことばにならない思い』はかたちを持った『考え』に変わる。

    『考え』のともなわないおしゃべりはいくらでもありえる。一方『考え』のともなわない文章はありえない。
    考えるのは、なんとかして『答え』を出すため。

    どうして『ことばの暴力』が生まれるのか→面倒くさい
    日記は『その日になにかあったのか』を書くのではなく、『その日になにを思ったのか』や『その日になにを考えたのか』を書いていくもの。

    『ひとりになりたい』のは『みんなと一緒にいる』と自分ではいられなくなるから→『書くこと』によってひとりになる

    自分のために書く日記でも未来の自分という読者がいる。

    ボキャブラリーというのは『使える』ものでないといけない。たとえ一箇所でもいいから、どこかの場面をスローもしょんで描く。そうすれば表現は豊かになる。

    ひとつの文では『ひとつのメッセージ』だけを書く。

    日記を書き始めたとき、かなりの確率で持っている罠。
    ぼくたちはみんな日記に『悩みごと』を書きやすい。
    そして悩み事を詳しく書こうとすると、どうしても自分を苦しめる『あいつ』や『こいつ』の悪口になっていく。
    逆にひたすら自分を責める日記もある→過去形にすれば、気持ちは切り替わる。一人称を三人称に書き換える。

    なにかを継続させようとするとき、ぼくたちの心を支えてくれるのは『成長している実感』。

    • まことさん
      アールグレイさん、こんばんは♪

      コメントありがとうございます。
      今、PCから拝見しています。
      PCはもう、古くなってきたせいか、ス...
      アールグレイさん、こんばんは♪

      コメントありがとうございます。
      今、PCから拝見しています。
      PCはもう、古くなってきたせいか、スピードが遅くいらいらします。
      ページからページへとんだりするのが遅くてしょうがないです。
      明日、dokomoに行ってきます。
      スマホで、ブクログやTwitterが見られないと、不便だし、淋しいです。
      今日は午前中は家事をやって、午後からはパソコンでメールや何かを見ていたら一日終わってしまいました。本を読む時間がなかったです。
      PCだけだと、肩もこるし、疲れます。
      スマホ早く直って欲しいです。
      2023/08/27
    • アールグレイさん
      まことさん★
      docomoに予約はしてありますか?
      予約をしておくとスムーズで待ち時間も少なくていいと思います。
      機種変なんて大変ですものね...
      まことさん★
      docomoに予約はしてありますか?
      予約をしておくとスムーズで待ち時間も少なくていいと思います。
      機種変なんて大変ですものね!
      2023/08/27
    • まことさん
      アールグレイさん♪

      ありがとうございます!
      昨日、今日の11時に予約しておきました。
      でも、たった今、スマホに一応充電して画面をみ...
      アールグレイさん♪

      ありがとうございます!
      昨日、今日の11時に予約しておきました。
      でも、たった今、スマホに一応充電して画面をみたら、元通りに直っていました!嬉しい!よかった!
      10時になったら開店時間なので、docomoに予約キャンセル入れます(^^♪。
      ご心配ありがとうございました!
      2023/08/28
  • 「おとなのさみしさ」を知った全ての中高生にプレゼントしたい!
    そして、そんなさみしさをたっぷり知っている大人たちにもぜひ読んでほしい。
    この本では日記を書くことを勧めています。
    「思う」と「考える」は違う。「考える」とは答えを出すこと。
    自分の頭の中のモヤモヤをはっきりさせて答えを導き出すために「書く」。読者は自分。誰の評価も気にすることのない、本当の気持ちを書く。
    「誰にも言えないことは、自分にも言えないこと」というのにはドキリとしたなぁ。自分でも薄々勘づいているけど、見て見ぬふりして無かったことにしていることは……ある。
    無かったことにしても見えないだけで、悩みはそこにある。そういう自分、そういう現実はそこにある。
    それに向き合って、考えて書くことで解決に向かう。
    そして、何より大切なのは読者に分かってもらおうと思って書くこと。読者とは、自分。分かってもらおうとする自分。分かりたいと思う自分。
    自分を一番分かってもらいたい相手は自分自身。自分を一番好きになってもらいたい相手も自分自身。
    中高生にぜひ手に取ってもらいたい良書です。



  • ◇◆━━━━━━━━━━━━
    1.感想 
    ━━━━━━━━━━━━◆
    ほんと、10代の人に読んでほしい本ですね。
    なにか、この年齢になると、考え方とか、バイアスが邪魔して、素直に話の内容が落ちてこない感じがしました。

    頭の中で考えるだけでなく、書きながら答えを出す方が、容易であるというのは、とても分かりやすかった。まぁ、そうだよね。

    まぁ、そうだよね、という、言葉はたくさんあって、いいな〜とは、感じました。
    ぜひ、若い方たちに読んでほしいです(^^)

    ・考えのともなわないおしゃべりは、いくらでもありえる。一方、考えのともなわない文章はありえない。
    ・考えると思うの違いは、答えを出そうとすることにある。
    ・算数でも難しい問題は、暗算で解くことは難しい。算数じゃない問題を考えるときも、これと同じ。書きながら考えることで問題を解くことが簡単になる。
    ・日記には出来事ではなく、「その日なにを思ったのか」「その日に何を考えたのか」を書く
    ・「ぼくたちにとって最大の謎は自分。日記を書くことで、自分という名のダンジョンを冒険することができる。


    ◇◆━━━━━━━━━━━━
    2.あらすじ 
    ━━━━━━━━━━━━◆
    いじめられっこのタコジローの閉ざされた心を、ヤドカリのおじさんが解放していきます。

    その方法は、書くことを通して、心の内側を見つめていき、心の声を吐き出していくことでした。

    日記を書くという手段によって、自身の心と向き合うことができるように、おじさんがタコジローの成長をサポートしていきます。


    ◇◆━━━━━━━━━━━━
    3.主な登場人物 
    ━━━━━━━━━━━━◆
    タコジロー

    トビオ
    イカリ
    ウツボリ 帰宅部
    アナゴウ 帰宅部

    おじさん

  • 挿し絵が沢山で、漢字も少なめなので、
    対象年齢は低めなのかなと思ったけど、
    内容はしっかりしていて色々と考えさせられました。
    日記を読むために書くというのは自分にはなかった視点でした!
    何回でも読み返したくなる本です。

    ただ何で海の世界をモチーフにしたのかは謎でした。笑
    そのせいで引用する文献が「泳げメロス」や「吾輩はウニである」などに変更されてて内容も分かりづらくなってる気がしました。

  • もうずいぶん長い期間、日記をつけている。
    一行しか書かない日もあれば、2週間くらい空白のときもあるけど、それなりに長い習慣となっている。

    どちらかというと、事実の列挙、愚痴や文句を吐き出す場となり下がってしまっており、本書を読んで自分がいかに日記下手だったかを思い知らされた。

    海の中中学校に通うタコジローはクラスの目立たないグループの一人で、リーダーグループからは、からかいや笑いの対象にされてしまっている。
    あるとき、運動会の選手宣誓を誰がするか決める場面で、普通なら自分なんて出番があるはずもないのに面白半分でリーダーグループから押し付けられるはめになる。
    そんな自分への扱いにうんざりしたタコジローは、翌日学校へ通うバスから降りられず、辿り着いた公園でヤドカリのおじさんに出会い、「日記をつける」という行為にいざなわれる。

    と、ストーリー的には、場は中学校だし、扱われる題材と展開は比較的平板なものでYA向け全開ではあるのだが、そこで語られる日記の意義、日記との向き合い方は極めて的を得ていて、武器としてのペンに磨きを掛けてくれるもの。

    他の人と一緒に居るときに感じる大人のさみしさから自分の心を救ってくれるのが日記。
    思うだけではコトバミマンで、考え、書くことによってその思いが整理される。
    愚痴や悪口は過去形で書くことで、あくまでもその時点の感情として切り離し、客観的なものとして扱える。

    もやもやとした感情に言葉の形を与え、清々しく生きていくために必要なものが日記であることが改めて理解できる良書だった。


    今年になって、中1の娘が急に日記をつけ始めた。
    昨年末に出かけた買い物で、思い立ったように3年日記を購入し、正月から毎日つけているようだ。

    本書はブクログでレビューを拝見した際に図書館に予約を入れ、最近ようやく届いたもの。
    もともとは自分の習慣から興味が湧いたものだったが、その間に娘の上記の行動が入るというミラクルが起きたため速攻で読み、そんな君にオススメの一冊がある、とバトンパスしておいた。

    周囲との軋轢を感じ、ときに孤独を感じる年頃にはなんとも勇気づけられるタイトル。
    是非ともその意義をものにし、続けていって欲しいものだ。

  • もう2年近く、毎朝日記のようなものを書き続けています。この本はタコとヤドカリがひたすら日記について語り合った本ですが、それなりに長く続けてきた自分にも気づけなかった視点や気づきがあり、終始興奮して読みました。適当にノートを開いて、そのページを見返してみようかなと思います。そこまでがきっと、この本を読む事に繋がる。

  • 文章に綴ることの意味。
    未来の自分という読み手の為に、今の思いを書き続けることとは…。

    海の中の世界、いじめられっ子の中学生タコジローへ、公園で出会ったヤドカリのおじさんが書くことの楽しさ、 その大切さを丁寧に教えてくれる。

    ここに書かれていることは、今生徒たちに伝えたいなぁ...と思うことばかりだ。
    この本を読んでくれたら!と思うのだが、書くのが苦手な子はこのページ数の本を読むのもきっと難しいだろう。
    国語科や担任の先生に是非読んでいただき、かみ砕いて生徒に伝えてほしいと思う。
    が、先生方はとても忙しく、読む時間を作るのも難しい...ならば学校司書が図書館だよりなどで伝えるしかないのだろう。
    映像化されたものがあれば、より一層分かりやすく、伝えやすくなると思う。

  • サンゴの海の表紙がとってもかわいいです。
    中学生のタコジローくん。学校で嫌がらせを受けています。学校へ行くのが嫌で公園で時間をつぶしているとヤドカリのおじさんが現れる。やがて、タコジローはおじさんに日記を書くことを勧められる。しかし公園の不審者に注意の看板がおじさんのことのような気がして…。

    なるほど!と思うことが多かった。良かったと思った項目はこちら。後で見返す用に書きだしました。

    ・さみしさには子供のさみしさと、おとなのさみしさのふたつの種類がある
    ・相談する人がいない場合は自分に相談すればいい。
    ・書いて頭の中を整理する。書くのが面倒くさいのは、『手を動かすこと』が面倒くさいのではなく、『頭を動かすこと』が面倒くさいのだ。書くことは考えること。
    ・日記とは毎日の出来事を記録するものではなく、『その日になにを思ったか』『その日になにを考えたのか』を書いていくものだ。
    ・「日記には『未来の自分』という読者がいる。真剣に生きていた『あの時の自分』に向き合うことになる。これはね、書き続けた者にだけに与えられる、最高のプレゼントなんだ」
    ・あのときの自分の気持ちを書く。あの時の自分に質問をする
    ・ボキャブラリーを増やす
    ・どこかの場面をスローモーションのビデオで『あのとき』を再現する。
    ・『ぼくはバカだ』ではなく『ぼくはバカだ、と思った』と過去形にしてみる。こうすると、ネガティブな感情と自分のあいだに少しだけ距離が生まれる『トビオ君なんて大嫌いだ、と思った』と書く。それが解決したことであるかのように。
    ・「考えるとは答えを出そうとすること。将来の自分でなく、いまの自分にできることを考える。そこで出た答えを、実際にやっていく。そうすると悩みの泡は、片付いていくはずだ」

    たまたま、仕事で気になることがあったのですが、昼休憩中この本を読んだら、ぐっと気持ちをこらえることができました。あとでちゃんとさっぱり解決したのですが、この本がなかったら泣いて余計こじれていたかもしれません。
    本を読むって大切なことだな、と思いました。
    本、ありがとう。

  • 2023年初版。実は私、63歳の1月2日より本日まで1年以上、日記を書いています。なぜ1月1日からにしなかったのかは謎ですが。今まで、何度も日記にはトライしながら三日坊主だったのが何故か。この作品では、続きが読みたいような日記を書けば継続できると書かれています。私の日記は、その日の朝からの出来事を羅列するものなので、何も思いつかなければ「疲れた」とか「眠い」で終わっている日もあります。でも、文章に残すことは頭を整理するには、とてもよいなあと思っています。この本は若い方が対象なのかなあと思います。装丁が美しいし文章が優しさに満ちている。しかし60代の私でも、うなづける部分が多々ありました。

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著者プロフィール

●古賀史健(こが ふみたけ)
 1973年、福岡県生まれ。ライター、株式会社バトンズ代表。『取材・執筆・推敲』『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』(共著・岸見一郎)、『20歳の自分に受けさせたい文章講義』ほか著書多数。2014年「ビジネス書大賞・審査員特別賞」受賞。構成に幡野広志さんの思いをまとめた『ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。』(ポプラ社)など。

「2021年 『雨は五分後にやんで 異人と同人Ⅱ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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