一九九九年の梟の城

著者 :
制作 : 梟の城製作委員会 
  • 扶桑社
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本棚登録 : 21
感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594028008

感想・レビュー・書評

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  • 伊賀の忍者の話。
    これはハッピーエンドにはならないと思ったけれど、
    なってしまった。
    どちらかというとハッピーエンドが好きだから、別かまわないけれど。

    散々はらはらさせておいて、
    この結果はあまりにもあっさりというかんじ。
    でも決してこれが不満なわけではない。
    ハリウッド映画はこれでもか!と盛り上げて、
    興奮したままラストを迎える。
    もちろん海外の小説も。
    これは現代日本小説も同じだと思う。


    でも江戸時代の小説はそうは行かない。
    司馬遼太郎にしろ、藤沢周平にしろ、
    彼らが書いたのは、盛り上がるドラマチックな小説ではなくて、
    妙に寂しさが残る、どっちかというとすっきりしない小説だ。
    つまり、
    人間の世の中の無情さや、やりきれなさ、
    そういった中での人々の葛藤などを描く。
    小説は自分と関係のない世界ではなくて、
    小説は人間をあらわすものだった。
    そういう時代があったんだなぁ。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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