- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784594058722
作品紹介・あらすじ
「理想」ではなく「現実」のもとに軍隊をなくした人々。教育も医療も無料!世界が"対テロ戦争"に突き進む一方で、「国家の非武装化」というもう一つの潮流がある。
感想・レビュー・書評
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軍隊を持たない国・コスタリカ。軍事力なくしてどのように平和を保っているのか?
法的には「必要があれば軍事力を持つことができる(と解釈できる)」のに、それをしないのは国民全体として「軍事力に頼らない」という意思があるからだとか。
コスタリカは周辺諸国と安全保障条約を結んでいるが、軍事的支援はしない。
同盟国に事が起こった場合には、「『軍事力を持たない』ということでもって当事者たちに信頼される『調停役』になる」というのがコスタリカの方針なのだろう。
ただ、それで同盟国はいいのだろうか?
彼らは、たとえばコスタリカに事が起こった場合(攻撃を受けた場合)には、軍事力を提供して支援するということなんだろう。
彼らの負担と、コスタリカの負担は釣り合うのだろうか?
全体的に、もう少し細かく書いてあると良いと思う部分もあるが、日本の現在・これからについて考えるヒントにはなる。 -
9784594058722 254p 2009・3・1 初版1刷
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軍隊がないことが最大の防衛力と考えている。軍隊がないから攻められない。非武装を武器にしていはるかに効率的な外交を展開した。
しかし政治は汚職され、わいろ文化が横行している。
国営電機電話公社ICEの電話開通は1年かかるらしい。 -
あとがきにあるように「ただ軍隊がない国家」としてよく描かれていると思う。特に「非武装の歴史」については、憲法で軍隊を廃止した後も、旧軍隊を再集結して防衛にあたりながら外交を駆使して戦闘をおさめていく様子などが詳しく書かれている。その結果、「非武装が最大の防衛力」という結論が再認識され、コスタリカ国民の誇りにもなっているようだ。非武装であるのは、システムとしてではなく、価値観や方向性として根付いているので、揺るがないものとして感じられる。
しかし、この国も政治的腐敗が蔓延し、政治家は汚職で捕まったり、警察や役人までも賄賂を要求するようだ。また差別や貧困、モノカルチャーによる環境破壊など様々な問題がある。軍隊がない国だからといって、それだけで成熟した社会ではないのだ。