- Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
- / ISBN・EAN: 9784594063696
感想・レビュー・書評
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どのように人生を終えるのか。その覚悟の有り様を、筆者の作品の中から散文的に集めたもの。なるほどと思える事が多い。
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●毎日料理をすること、時々旅をすること
段取りは、意志の力・予測能力・外界との調和の
認識そして何より謙虚さ、など総合的な判断が要る
上に、たえずそのような配慮をすることで心を錆び
つかせないことができる。家事は、段取りの連続で
あることを思うべきだ。
●鈍重に「待つ」という知恵
それでも私は自分の心の救いのために果実の木を
植えていた。樹木も人も、育つには年月がかかる。
だから未来の確証はなくとも命は植えておかねば
ならないのだろう。
●若々しい魂を保つために
外見の若さの基本は、新鮮で安全な食材を使った
食事をすることだろう。人間の長寿や健康の元は、
日々の栄養の摂取法の積み重ねの結果だ。若々しい
魂を保つためには精神の栄養が負けず劣らず必要だ
そのためにはたくさんの尊敬すべき人に会い、複雑
な人生の機微に触れた会話に加わり、強烈な現世の
限界の姿に触れる体験をし何よりもたくさんの読書
をしなければならない。
●人がしても自分はできなければしないという覚悟
本来なら、人間はいかなる状況の中でも自分が生涯
をかけた好みや自分がそこに置かれた意味を発見
できるはずだと思う。それを可能にするのは、他人
とは違った判断をする勇気そのものです。それを
教えなかったから、自分自身の評価を失って評価を
大衆の眼に合わせようとする日本人が多くなった。 -
聖書の引用をはじめ、はっと我に返るような言葉がちりばめられている。人を恨んだり、何かに行き詰って困っていたりするとき、心を落ち着け立ち直るために読みたい一冊。