自分の始末 (扶桑社新書)

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  • 扶桑社
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  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594063696

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  • どのように人生を終えるのか。その覚悟の有り様を、筆者の作品の中から散文的に集めたもの。なるほどと思える事が多い。

  •  曽野綾子「自分の始末」、2010.2刊行、2011.3新書化。心に留まった点は(少なかったです): ①料理と旅をすれば精神は錆びつかない ②一日に一つだけ積極的に物事を片づける ③意思を伝えるのは「言葉」の他に、「気配」「表情」「歩き方」「あらゆる小さな動作」・・・。
     曽野綾子「自分の始末」、2011.3発行、再読。①定年後を輝かせるには、心掛け一つ。面白がれば、すべてできる。すべて、自分が主体となり、その分だけ自由になる。②体は手入れに比例して長持ちする。③人は赤ん坊から大人になるまではもらうばかり。与えるからこそ大人になり、おいぼれでなく青年であり続ける。もらうことを期待した時、人は老年になる。寝たきり老人でも感謝を忘れなければ、感謝は人に喜びを与えるのだから、やはり壮年なのである。

  • ●毎日料理をすること、時々旅をすること
     段取りは、意志の力・予測能力・外界との調和の
     認識そして何より謙虚さ、など総合的な判断が要る
     上に、たえずそのような配慮をすることで心を錆び
     つかせないことができる。家事は、段取りの連続で
     あることを思うべきだ。

    ●鈍重に「待つ」という知恵
     それでも私は自分の心の救いのために果実の木を
     植えていた。樹木も人も、育つには年月がかかる。
     だから未来の確証はなくとも命は植えておかねば
     ならないのだろう。

    ●若々しい魂を保つために
     外見の若さの基本は、新鮮で安全な食材を使った
     食事をすることだろう。人間の長寿や健康の元は、
     日々の栄養の摂取法の積み重ねの結果だ。若々しい
     魂を保つためには精神の栄養が負けず劣らず必要だ
     そのためにはたくさんの尊敬すべき人に会い、複雑
     な人生の機微に触れた会話に加わり、強烈な現世の
     限界の姿に触れる体験をし何よりもたくさんの読書
     をしなければならない。

    ●人がしても自分はできなければしないという覚悟
     本来なら、人間はいかなる状況の中でも自分が生涯
     をかけた好みや自分がそこに置かれた意味を発見
     できるはずだと思う。それを可能にするのは、他人
     とは違った判断をする勇気そのものです。それを
     教えなかったから、自分自身の評価を失って評価を
     大衆の眼に合わせようとする日本人が多くなった。

  • 聖書の引用をはじめ、はっと我に返るような言葉がちりばめられている。人を恨んだり、何かに行き詰って困っていたりするとき、心を落ち着け立ち直るために読みたい一冊。

著者プロフィール

1931年、東京に生まれる。作家。53年、三浦朱門氏と結婚。54年、聖心女子大学英文科卒。同年に「遠来の客たち」で文壇デビュー。主な著作に『誰のために愛するか』『無名碑』『神の汚れた手』『時の止まった赤ん坊』『砂漠、この神の土地』『夜明けの新聞の匂い』『天上の青』『夢に殉ず』『狂王ヘロデ』『哀歌』など多数。79年、ローマ教皇庁よりヴァチカン有功十字勲章を受章。93年、日本芸術院・恩賜賞受賞。95年12月から2005年6月まで日本財団会長。

「2023年 『新装・改訂 一人暮らし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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