危ういハイテク機とLCCの真実

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  • 扶桑社
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594068028

感想・レビュー・書評

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  • 元日本航空パイロットで、DC-8、ジャンボ、ボンバルディアを操縦。
    安全のためのスタビライズアプローチを提案した(そうな)。
    安全は航空に学べという世の中の流れを否定。航空機も二人乗りになって危険であると。
    二人乗りの場合、異常時に適切な判断がしにくい、やるべき動作が遅れる(管制との交信、チェックリストの確認、機体の操作、CAに状況確認、機内へのアナウンス)等の問題が記述されている。
    しかし、ボンバルディアの離陸時のスイッチ位置(オートが上方向)や自動操縦の状態をセットする窓の考え等、ヒューマンエラー防止に役になると思われる部分はある。
    CRM:Crew Resource Managemenとかの専門用語が出て、説明どこ?って部分がたまにある。

  • 元JALパイロットの著者が、現代のハイテク機の危険性を指摘する。
    自動化され少人数で運行されている現代のハイテク機において、墜落の原因の多くがヒューマンエラーによるものとなっている。著者は現役時代に何度か危険な事象を体験し、様々な提言を行ってきた。コクピットの人数が3人体制から2人体制になると、チームとしてのチェック機能が低下すること、操縦機器のデジタル化による危険性、運行の自動化によるパイロットの技量低下、計器の使用方法やボタンの押し間違い等のミス、メーカーの設計、理論と現実のギャップなど、多くの事例を挙げながら問題点を考察していて読み応えがあった。
    帰省の足として飛行機をよく利用するが、コクピットでどのような事が起きているか等考えたこともなかった。この本を読むと、安全が当たり前のように運行されている航空機には、常にリスクが付き物であるということを考えておく必要がある。
    日航ジャンボ機が墜落した頃、搭乗前に1日保険に入る人が多かったが、最近は見かけなくなった。ローコストで運航されるLCCに乗るときは、保険に入っておくことも考えておいたほうが良いかもしれない。家族を持つ搭乗者としてできることは、それくらいだろう。
    ちなみにこの本のタイトルは、内容を真面目に反映したものだが、何となく野暮ったい感じがする。一般向けにもう少しシンプルなタイトルにしたほうが良いと思う。

  • 車も飛行機もアナログでマニュアルのほうが、ずっていいよ!

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著者プロフィール

航空評論家/元日本航空機長
1969年慶應義塾大学法学部卒、日本航空入社。
DC-8、ボーイング747、エンブラエルE170に乗務。首相フライトなど政府要請による特別便の経験も多い。ボーイング747の飛行時間は1万4051時間という世界一の記録を持つ。2011年10月の退役までの総飛行時間は2万1000時間超。日本航空在籍時に安全施策の策定推進の責任者だったときにはじめた「スタビライズド・アプローチ」は、日本の航空界全体に普及し、JAL御巣鷹山事故以来の死亡事故、並びに大きな着陸事故ゼロの記録に貢献している。
航空問題と広く安全問題について出版、新聞、テレビなどメディア、講演会などで解説、啓蒙活動を行なっている。著書多数。近著に『飛行機ダイヤのしくみ』(成山堂書店)がある。

「2020年 『パイロットは知っている 羽田増便・都心低空飛行が危険なこれだけの理由』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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