橋本左内 時代を先取りした男

著者 :
制作 : 福井テレビジョン放送株式会社 
  • 扶桑社
4.20
  • (2)
  • (2)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 23
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594083113

作品紹介・あらすじ

幕末・福井に、あの吉田松陰より凄い男がいた! 

西郷隆盛が西南戦争終盤、鹿児島・城山で果てたとき、胸にある人物からの書簡を忍ばせていた。福井藩の橋本左内からのものである……橋本左内という人物を御存度だろうか? 鎖国を断念し、列強と対峙せざるを得なかった幕末、海外留学の経験もないのに「民主主義」「地政学」「植民地政策」を理解し、外国をうまく〝利用〟することを提言した弱冠20代の若者である。左内は明治期の「五箇条の御誓文」のベースとなる思想を由利公正に説き、同御誓文の原文となった「議事之体大意」を由利が作成する下地をつくったと言っても過言ではない。また現代にも通じる国際政治のパワーゲームを冷静に見通し、「(当時はロシアとの)同盟」を主君に提言している。
橋本左内とはどんな人物だったのか? どういう人生を歩んだのか? なぜ弱冠26歳で処刑されねばならなかったのか? 幕末のイデオローグといえば吉田松陰ばかりが注目されるなか、なぜいま、左内なのか?

福井出身の俳優・津田寛治氏が歴史家の加来耕三氏、福井在住作家の宮下奈都氏、郷土史の研究家たちと対談し、左内の人物像を浮き彫りにしていく。巻末には宮下奈都氏によるエッセイも収録。

また、本書はテレビ局制作の書籍ということから、スマートフォンやPCで動画が見られ、左内の生涯をマンガで解説もする「メディアミックス本」でもある。

【目次】
序 章 左内からの手紙
第一章「原点」
第二章「挑戦」
第三章「奮迅」
第四章「志半ば」
第五章「継承」
特別寄稿「今、出会う」……宮下奈都

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 安政の大獄で斬首された橋本左内がいかに「すごい男」だったかを著者の文章だけでなく、対談(福井県出身の俳優とそえぞれの分野の専門家)・漫画や動画(QRコード→YouTube)で橋本左内の業績だけでなく、彼の子供の頃の逸話や、漢詩、などについて、あまり知られていない佐内の人となりが書かれた一冊。
    安政の大獄での彼の処罰は「身分の低い者(藩医の息子)が将軍の後継問題に首を突っ込むのは不届き」と当初遠島であったのが、時の大老井伊直弼が、彼の説得によって次々と一橋派に変わっていくのを見て、「生かしておくわけにはいかない」と「死罪」にしてしまったとか。朝廷の面々も次々と一橋派に変わっていったとか。彼の説に納得した幕府の役人も居たという話もあります。
    彼の説は後に福井藩の盟友由利公正によって明治維新の5箇条の御誓文に反映されたとか。
    無名な頃に、あの藤田東湖に「福井藩には橋本左内がいる」と言わしめて、福井藩で登用されて行ったとか、西郷隆盛が城山で自刃するときまで、佐内からの手紙を肌身離さず持っていたとか。
    幕末に散った長生きして明治維新に貢献できたであろう人の内の一人であった。

  • 「万機公論に決すべし」の大元となるデモクラシー的発想をした人として紹介。将軍継嗣問題が転機となったことがよくわかるが、開国か攘夷かという立場と、南紀派か一橋派かという立場が複雑に入り乱れており、この辺はもう少し詳細に調べてみる必要があるように思えた。
    元々は福井で放送された番組をベースに作られた本ではあるが、対談や漫画等々を用いてわかりやすく説明されてはいるものの、やや冗長に感じる部分もあるし、基本的にはよいことしか書いてないので批判がないのが難点。とは言え、同じ安政の大獄で処刑された吉田松陰に比べると扱いが小さいので、もっと注目されてもよい人物であり、このような入門書が幅広く読まれることに期待したい。

  • 橋本左内が処刑されたのは26歳。あまりに早く亡くなったが、短期間にあげた成果は素晴らしい。橋本左内の生きざまが対談や漫画で要領よくまとめられており、読みがいがある。

全3件中 1 - 3件を表示

・の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×