間違いだらけの日本のインバウンド (扶桑社新書)

著者 :
  • 扶桑社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594083717

作品紹介・あらすじ

<2020年、政府は訪日外国人数4000万人という目標を掲げているが……>
「正直、もう来ないで!」と悲鳴を上げている観光地も!

   ●観光公害 →「地域住民vs.殺到する外国客」
   ●地元に観光収入が落ちない →「中国系違法白タク、ヤミ民泊の増加」
                 「外国客が増えても消費額は増えていない」
   ●訪日外国人の伸びが失速 →「関係悪化でも増える中国人、激減する韓国人」

いま、訪日外客人の伸びが失速しているという。
訪日外客数2位の韓国客が減った影響だけではない。これまで多くの観光客を送り出してきた台湾(同3位)や香港(同4位)もそろそろ頭打ち。さらに、外国客による消費額は、観光客数が増えてもそれにともなって伸びていない。
これまでインバウンドを推進する旗印だった「経済効果」が揺らいでいるのである。
数値目標を掲げ、質を問わずに「数を追う」ことばかりを重視してきたインバウンド戦略によって、外国人観光客をめぐるストレスや葛藤も山積している。
本書では、外国客の増加が我々の近未来に与える意味を、統計データやインバウンド市場の長期的な観察に基づいてレポート。
「インバウンドはもはや観光の話だけでは収まらない、いくつもの希望と難題を併せ持つ21世紀的現象である。本書はその全体像を解き明かそうとするささやかな試みである」(著者)。

感想・レビュー・書評

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  • 爆買い=中国人の気質について。

  • 買ってすぐにコロナが流行り出して、インバウンドの流行もガラッと変わったし読む意味ないかな〜と思い1年くらい積んでたけど、読んでみたら面白かったです。知りたかった中国人のマインドも分かりやすく、かつ今まで的外れな理解しかなかったなと気付きました。観光公害は問題だし実際イラついてたけど、爆買いブームに至る経緯、アジア人の国民性や政治政策なんかを知れば少なくとも納得はいくなーと思いました。他にも面白い話がたくさんあって、日本のこれからを考えるきっかけにもなったし読んでよかったです。

  • ●数が増えても、消費額が変わらなくなってきている。
    ●中国から格安で日本に来れるツアーのカラクリ。ガイドが免税店に案内し爆買いさせる。多額のマージンを貰い、それを足りない国内旅費などに充当する。それで残った金額がガイドの収入に。また、この収入が申告されない事から、観光収入が海外に漏出する。
    ●一人当たりの消費額トップは中国なんかではない。人数が多いから、総額が多いだけ。一位オーストラリア、二位スペイン。中国は三位で、イタリア、イギリスも同じくらい。
    ●クールジャパンは、世界的に見れば限られた人の嗜好であり、内輪受けレベル。通常の日本古来の文化の方が好まれる。
    ●オーストラリアは日本語学習者数世界4位。
    ●中国人にとって日本は、食事や買い物はやすいが、交通と宿泊が高いというイメージがある。
    ●越境白タク。中国人はそれが違法だと知る由もなく、日本のタクシーは高すぎるといい、また、自分たちは便利なサービスを享受しているが、日本は遅れている!と思っている。
    ●免税店ガイドにしても、白タクにしても、納税されない。サービス提供地の日本は単なる場貸しで、お金が落ちない。

  • 「間違いだらけの〇〇」という書名は、随分と色々在ったような気もするのだが、本書で扱う内容に関しては「間違いだらけの」とでもしてみる他に選択の余地も無かったのであろう。
    外国からの旅客は驚く程増えている。何処かへ一寸出掛けてみれば「日本語の話し声が聞こえない?!」という程度に、辺りに外国人旅客が溢れているというのも多々在る。少し前にはそういう状態に驚いたが、最近では「そんなものだろう…」という程度に感じるようになってしまった…そういうようになったのは、「巨大な経済効果も…」と政府等が宣伝努力を重ねて来訪する人達が増えたというのも在るのだろうが、“デフレ”という状況が続き過ぎて、様々な国々から視て「相対的に安価?」ということになったからに他ならないのだ。そういう辺りで「本当にそうなのか?」ということが、未だに語られ、「声の大きな人達」が「そういう(本当にそうなのかという)前提」で何事かを叫んでいて、それに則って何かが行われているのが方々で見受けられるのではないかと思う。
    本書に在って、殊に「第2章 日本人が知らない外国客の事情と胸の内」では、そういう「本当にそうなのか?!」が詳しく説かれていて、この部分だけでも必読だと思った。
    気になる内容が続々と出ていて、頁を繰る手が停まらなくなってしまい、素早く読了に至った。広く御薦めしたい!

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著者プロフィール

ジャーナリスト。専門はインバウンドツーリズム。
個人ブログ「ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌」を主宰。
著書に『間違いだらけの日本のインバウンド』(2020年、扶桑社)、
『ウラジオストクを旅する43の理由』(2019年、朝日新聞出版)など。

「2020年 『ホテル業界大研究[第2版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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