国民を守れない日本の法律――感染症、自然災害、ミサイル、侵略行為 (扶桑社新書)
- 扶桑社 (2020年11月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
- / ISBN・EAN: 9784594085391
作品紹介・あらすじ
つるの剛士氏推薦!!
「感染症、自然災害、外国船の領海侵入…。
未曾有を未曾有にしないために日本の法律のこともっと知りたい!」
「緊急事態が起こってから法律をつくる」では遅すぎる!
テレビ、ラジオ、ネットメディアで活躍中の、弁護士で予備自衛官でもある著者が、
緊急事態における日本の法制度の問題点について、分かりやすく解説!
◎コロナ対策で法律の根拠なき自粛要請を 繰り返した日本
◎日本の災害法制はシン・ゴジラに対抗できるか
◎北朝鮮のミサイル攻撃に対する 「敵基地攻撃能力」は憲法に違反しない
◎マンガ『空母いぶき』が描く 尖閣諸島への中国人上陸に日本は対応できない
◎有事の際でも警察と同じポジティブ・リストに 縛られる自衛隊
◎特措法ばかりで基本法なし、ツギハギだらけの緊急事態法制……他
【目次】
第1章 なぜ日本の新型コロナウイルス対策は遅れたのか
新型コロナウイルスと新型インフルエンザ対策特措法/感染症法・検疫法・出入国管理法/感染症に立ち向かえる日本になるために
第2章 映画『シン・ゴジラ』に学ぶ災害への対応
『シン・ゴジラ』と災害大国日本/緊急災害対策本部の設置と災害緊急事態の布告/災害対処にあたる内閣官房/自衛隊はゴジラに立ち向かうことができるか
第3章 自衛隊とシビリアン・コントロール
『機動警察パトレイバー』と治安出動/警察と軍隊は何が違うか/自衛隊発足の経緯と歪められた文民統制/日本のあるべき「シビリアン・コントロールのかたち」とは
第4章 日本は敵基地攻撃能力を持つことができるか
現実が虚構に追いついた?『空母いぶき』/専守防衛と敵基地攻撃能力/専守防衛はいつまで堅持できるのか
第5章 『空母いぶき』の尖閣諸島中国人上陸事件を防げるのか
「切れ目のある安全保障」グレーゾーン事態/現実の脅威として存在するグレーゾーン事態/日本は目の前の脅威に対応できるのか
第6章 緊急事態条項を持たない日本国憲法
「国家緊急権」とは/日本の緊急事態法制の現状/緊急事態法制の目的は人権保障にあり
第7章 憲法9条をどう考えるか
感想・レビュー・書評
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タイトル通りだが、予想外に面白かった。
シンゴジラ、パトレイバー、空母いぶきになぞらえて解説してくれる構成も良い。
警察と軍隊の違い、そもそも自衛隊が警察権の補完から始まりそのまま来てしまったことの問題点はなるほど。
日本国憲法に緊急事態条項が入らなかったことについて、大陸法と英米法の考え方の違いもあったのか。
こう考えると、本来法律論で解決すべきことがいちいち憲法論議まで降りていかなければいけない異常さ浮き出て来る。
憲法は墨守することが目的絵はなく、憲法によってどういう国であるべきなのかが問題であろう。
戦前の軍部の暴走を怖がっているからだけではなく、日本を将来崩壊させたい人たちにとって都合がいいからだと思っている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2章以外は十分に読む価値がある。日本の憲法に関して、災害等についての法整備は発達しているが、安全保障等の有事についての法整備はほとんどされていない上に議論さえもほとんどしてこなかった。有事を想定していないために軍事関係の法律、軍事裁判所のような機関が存在せず、その事が国民の安全保障により縛りをかけている。
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新型コロナをはじめとする各種のいわる緊急事態に対処するための我が国の法制度とその論点を、有名なフィクション作品などを用いながら一般の人にもわかりやすく解説する。