- Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
- / ISBN・EAN: 9784594086268
作品紹介・あらすじ
「小説を書きたい」とつぶやくあの子に近づきたくて僕はいま“夜のこと”を書いている――。
作家のpha(ファ)が自らの恋愛遍歴をベースに小説を書き始めたのは、ある女性と文章を見せ合うためだった。
しかしその彼女には早々に振られてしまい、無数の文章だけが残った。
本書は同人誌即売会・文学フリマ東京で発表されて話題を呼んだ『夜のこと』(全二巻)を大幅に加筆修正して一冊にまとめた私小説。
phaにとってこれが初の小説となる。
手をつないだだけで気持ちいい女性、部屋のいたるところにカッターナイフが置いてある女性、上下に揺れながら彼氏ができたことを報告する女性etc.
それら歪な残骸は、痛く切なく愛おしい。
感想・レビュー・書評
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意外とモテまくってて悔しかったので星4にした
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phaさんは夜のこともphaさんそのものだった。文体も日々の活動もそこから醸し出されるイメージも。そりゃモテるだろう。
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フォロワーさんが読まれていたので気になって手に取りました。セックスがテーマの私小説。色んな女性と簡単に肉体関係を持ってしまうのは、著者の方が書いてる通り、言葉を使ったコミュニケーションより楽だからというのと、個人的な推測として何となく自傷めいた感じを受けました。男性の方なので性に対する考えは女性とはまるで違うのかもしれませんが。彼が書いてることは極々個人的な体験ですが、男性はこんなふうにセックスについて考えてたりするのだなあと別の世界を覗きみたような気分です。装丁や本の作りが凝ってるが素敵でした。
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ここのコメントを読むまでこの本が同人誌ということに気が付かなかった。作中にそう書かれていたが、それが本になって発売されたかと思っていた。
男女のあれこれが生々しく、だが端的に書かれている。こういう考えの人もいるのかー、と思い不思議と世界が広く感じた。 -
レコメンドされて、小説だと思って初めて買った同人誌。
短編小説と長編小説の間にいるような感覚を覚えた -
著者の体験をもとにした、女性たちの関わりを描いたエピソード集という感じ。著者は人と関わるのは苦手と言いながら、けっこう女性からもてているし、結婚したいと望まれたことも一度や二度ではない様子だし、10年以上の付き合いのある同性の友人もいる。特定と相手と深くかかわるのが苦手なのだろう。子供が不在にもかかわらず惰性で長く続ける関係と、短期間で関係を終わらせてしまうことは、大差ないように感じた。ただ、私は惰性で長年一緒にいる夫がいなくなったら、だいぶ寂しいだろうなとは思う。
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私はまあまあ長いお付き合いをしている恋人がいる一方で筆者は付き合っても長続きせず不特定多数の女の子と関係をっているという違いがあるが筆者の心に抱えてる気持ちは私もよく持つものだった。「遠くに見える光に手を伸ばし続けることくらいしか、人生の中でやることはないのかもしれない」という文が今の自分に重なって共感できた。静かな夜な感じ、消えそうな猫の感じ、そんな本。昼の話より私も夜の話の方が好きだ。
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文学フリマで頒布された2冊の同人誌をまとめたものとのこと。
レンタルなんもしない人に似てる。
著者は40歳を超えているというわりには大学生みたいなことを考えたり悩んだりしている。
装丁がラバー感あって良い。