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- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784594096991
感想・レビュー・書評
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球界で辛辣な意見を常に発信し続ける人と言われれば、真っ先に思い浮かぶのが広岡氏。本書は広岡氏の球歴に沿って、広岡氏の考え方、広岡氏に影響を受けた数多くの選手、コーチの証言をまとめています。
巨人で現役を引退後、広島(コーチ)、ヤクルト(監督)、西武(監督)、ロッテ(GM)と活躍の場を移していかれました。現在ならアスリートが食事にも気を配るのは当然と思われていますが、野球選手が”酒の飲みっぷり”や”夜の遊び”を武勇伝として誇っていた1970~80年代に、食事や飲酒、喫煙の管理に乗り出した広岡氏と選手が対立するのは避けられない状況であったのがよく分かります。
広岡氏の考え方は、今なら落合博満氏と似ている気がしました。「人に何を言われようと、”勝つため”に必要なことを徹底する」シンプルですがやり切るのは大変です。それだけに周囲の人間関係がギクシャクすることもあり、広岡氏もマスコミなどからどちらかというと冷徹、悪役として表現されることが多かったように思います。
人間関係や周囲の雰囲気を気にするあまり、「言うべきこと」さえきちんと言えていない事が多くなったような昨今、広岡氏のような生き方、振舞ができる人の存在は、近くにいる人は煙たいかもしれないですが、得難い貴重なものだと感じました。
広岡氏と対立した人たちの証言が少ないので、広岡氏=善、対立勢力=悪 という描き方が所々見受けられるのは少々気になりますが、そこを差し引いても広岡氏の生き方、考え方がよく伝わって来るノンフィクションでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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