ヨーロッパ文学の読み方 古典篇

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  • 放送大学教育振興会
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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784595314711

感想・レビュー・書評

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  • 2021/2/3

    パラパラ参照。

    ヘロドトスの『歴史』が文学という位置付けとしているのには驚いたが、文学と同様にイマジネーションによって解釈の多義性が認められるという点では妥当なんだろう。

    観察で発見した多数の事実からイマジネーションを通して理論を創造し、それを新たに発見した事実で検証した後に最終的な理論を構築する、というアプローチは両者に共通している。

    フランス語で「歴史」「物語」はともにhistoireであることからも明白!

    何はともあれ、今まで眼中になかった『歴史』を読もうと思う良いきっかけになった。


    メモ ↓
    ーーーーー

    ・リングコンポジション イリアス

    ・ヘロドトスの構想はペンシア帝国4代を時間の軸とし、膨張を目指すペルシアが他国と接触する都度、その国の歴史や地理風俗を説く。つまり初代キュロス→バビロン征服なのでバビロニア略史、2代カンビュセス→エジプト史、3代ダレイオス→スキタイ・リビア・トラキア、4代クセルクセス

    ・アエネアスはイリアスの段階で生き残る英雄とされていた

  • ちょっと知識を仕入れたいなぁという方の味方、放送大学教材シリーズ。

    古典篇というタイトル通り本書はホメロス『イリアス』から始まりヘロドトス『歴史』、ソポクレス『アンティゴネ』、ウェルギリウス『アエネイス』、オウィディウス『変身物語』を経て、中世からは『トリスタンとイズー』『神曲』『デカメロン』『カンタベリ物語』『マージェリー・ケンプの書』『ティル・オイレンシュピーゲル』『ガルガンチュアとパンタグリュエル』まで豪華なラインアップで構成されています。

    一度は読んでみたいけれど気後れしてしまいそうな作品群ですが、本書ではそれら作品群のあらすじ紹介と基礎知識として押さえておきたいポイントに的を絞って解説されており、通読して古典を読む喜びを噛みしめても良いですし、興味を持った作品の章のみをつまみ食いして本編への足掛かりとして気軽に読み進めても良いと思います。

    ヨーロッパ文学の古典に興味がある方には魅力的な一冊となっています。

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著者プロフィール

1947年生まれ。東京大学・放送大学名誉教授。フランス文学、書物の文化史。単著に大佛次郎賞を受賞した『本の都市リヨン』(晶文社)、『読書の首都パリ』(みすず書房)、『ラブレー周遊記』(東大出版会)、『モンテーニュ 人生を旅するための7章』(岩波新書)、『パリ歴史探偵』(講談社学術文庫)など。訳書にラブレー『ガルガンチュアとパンタグリュエル』全5巻(ちくま文庫、読売文学賞・日仏翻訳文学賞)、モンテーニュ『エセー』全7巻(白水社)、『ヴィヨン全詩集』(国書刊行会)、『フランス・ルネサンス文学集』全3巻(共編、白水社)、バルザック『グランド・ブルテーシュ奇譚』(光文社古典新訳文庫)、グルニエ『長い物語のためのいくつかの短いお話』(白水社)など。

「2023年 『文学のエコロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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